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第三十一話 夜のデート
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何事もなく約束の日を迎えた私は、玄関で先に待っていたウィルフレッド様と合流をした。
「お待たせしました。それで、どこに行くんですか?」
「なに、すぐそこですよ」
そう言うと、ウィルフレッド様は自分で車椅子の車輪を回して屋敷を出て行った。
えっ、いつもは誰か使用人がついていくのに、今日はいないの? それに、すぐそこって、どこのことを言っているの?
「待ってください! 私が押しますから!」
「いえ、エレナ殿は魔法の練習で疲れているんですから、少しでも体を労わってください」
「何を言っているんですか。私よりも、確実にウィルフレッド様の方が疲れているじゃないですか!」
「いえ、私は――」
これ以上何かを言われてしまう前に、車椅子を押すためのハンドグリップを握った。
ちゃんと納得してもらうのが一番なんだろうけど、時にはこういう力技も必要なのよ。
「まったく、エレナ殿は……」
「それで、どこに行くんですか?」
少し呆れ気味にふぅ、と息を漏らすウィルフレッド様は、とある方向を指差した。
その方角って……確か……。
「やはり夜は冷えますね。エレナ殿は寒くありませんか?」
「はい、大丈夫です。さっき出かける前に準備を手伝ってくれた使用人が、暖かい服を選んでくださったので」
「なら良かった。せっかく二人きりで出かけて、風邪でも引いたらたまりませんからね」
それは確かに嫌ですねと笑って答えながら、私はウィルフレッド様の車椅子を押し続ける。
実は、こんなに長く車椅子を押したことが無いから、今初めて知ったんだけど……これを押すのって、思った以上に力がいるのね。いつも押している使用人達の凄さが、改めて知れたわ。
「そうだ、エレナ殿はルナのことを何か知っていますか?」
「……? どういうことですか?」
「実は、今日の外出はルナも誘ったのですが……珍しく断られてしまいまして」
ルナちゃんが誘いを断るなんて、珍しいわね。ウィルフレッド様と一緒にいられる機会があれば、いの一番に飛びつくような子なのに。
……はっ!? まさか反抗期……なんてことはないか。さすがに反抗期が来るには幼すぎるし、あんな素直で良い子が反抗期になるとは思えない。
「そういえば、ウィルフレッド様に誘われた日に、急に何か思いついたように部屋を出て行きました。本を読んであげるって言ったのに、それすらも断られてしまって」
「ますます珍しいですね。ルナにも何か考えがあるのでしょうし、我々はルナが怪我をしないように、見守っているのが一番でしょう」
そうよね。せっかくルナちゃんが、何か目的をもって自主的に動いているんだから、その気持ちを汲み取ってあげなきゃ。
「おっと、話をしていたら、目的地が見えてきましたね」
「あっ……やっぱりここだったんですね」
歩いて行った先には、前に来たことのある花畑と、ウィルフレッド様のご両親とご先祖様が眠るお墓があった。
方向的に、ここだろうとは思っていたけど、どうしてこんな時間に来るのだろうか? 魔法の光のおかげで、辺りはそれなりに明るいけど、夜にお墓というのは、ちょっと不気味だ。
「あそこに小高い丘が見えますか?」
「あ、はい」
「あそこを目指しましょう。つらくなったら自分で車輪を動かすので、無理はなさらず」
「これくらい大丈夫です! よいしょー!」
勇ましい掛け声と共に、小高い丘の上を目指して車椅子を押す。
さすがに平坦な道と比べたら、押す力がかなり必要ね! 明日筋肉痛にならないかしら?
「到着しました。この丘から、花畑と墓が一望できるんですよ」
「本当ですね。光に照らされて、とても綺麗です」
「これだけじゃありません。上を見てください」
「うわぁ……!」
言われた通りに空を見上げると、そこは満天の星空だった。様々な色に輝く星達は、真っ黒な紙の上にちりばめられた、宝石のようだ。
そうか、さっきからウィルフレッド様と話してる時も、丘を登った後も、上を見上げていなかったから、この素敵な景色に気が付けなかったのね。どれだけ間抜けなのよ私。
「これをエレナ殿やルナと一緒に見たかったのです」
「そうだったんですね。ありがとうございます。ルナちゃんは残念でしたけど、帰ったら土産話をたくさん話してあげませんか?」
「良いですね。きっと楽しく聞いてくれるでしょう。それで行きたいとなったら、また時間を作ってあげないと」
忙しくても、自分が大変になっても、大切な人のために頑張ろうとするのは、優しいウィルフレッド様らしいというか、とても好感が持てる。
でも、それと同時に無理して体を壊してしまわないかと心配にもなる。
「エレナ殿……」
「なんですか?」
流れ星からウィルフレッド様へと視線を移すと、いつも穏やかな表情や、真面目な表情をしている彼にしては珍しく、眉尻を下げて、視線を泳がせていた。
「ウィルフレッド様……?」
「エレナ殿……お、俺は……その……あなたが……」
頬をほんのりと赤らめさせながら、言葉を詰まらせるウィルフレッド様。
「っ……! ほ、ほら見てください! あれ、流れ星ですよ!」
「え、流れ星!?」
ウィルフレッド様の指先を追うと、そこには空に輝く一本の線――その線に続くように、夜空に沢山の光が、一斉に流れるように描かれ続けた。
「流れ星……!」
「その、知り合いの占星術師から、今日はいつも以上に星が綺麗に、そして流れ星が見れると言われたので、こうしてお誘いした次第でして……あはは」
「そうだったんですね! うわぁ……こんなにたくさんの流れ星を一度に見たの、生まれて初めてです! 」
この星の海を、ウィルフレッド様と静かに見れただけでも心が満たされているのに、こんな美しい流れ星達を見れるなんて、なんて幸せなんだろう!
「ウィルフレッド様も見てくだ――って、どうしてそんな悲しそうに溜息を吐いているんですか?」
「あ、あはは……ちょっと自分の弱さを嘆いておりまして……」
「ウィルフレッド様は弱くないですよ! ほら、一緒に流れ星を見ましょう!」
そうだわ、これだけ流れ星が沢山流れているのだから、全部が流れてしまう前に、願い事を言えるじゃない!
「ウィルフレッド様が治りますように! ルナちゃんとシーちゃんがすくすくと育ちますように! みんなが毎日笑顔で過ごせるようになりますように! って、シーちゃんは精霊だから育たないか……あとは、えっとえっと……」
「あはは、もう少し自分のことを願っても良いんですよ?」
「いえ、私のことなんかどうでもいいんです!」
自分の幸せよりも、転がり込んできた私を迎え入れて、一緒に過ごしてくれた人達の幸せの方が、私にとって何十……いえ、何百倍もの価値があるの。
「ほら、ウィルフレッド様もお願いしたら、きっと叶いますよ!」
「私は、願いは自分で掴み取りますから」
「サラッと凄いカッコいいことを言いますね……さすがウィルフレッド様!」
「お褒めにあずかり光栄です。ですが……たまにはこういうのに頼るのも一興ですね」
そう言うと、ウィルフレッド様は両手を組み、ボソッと願いを呟いた。
大切な家族が、使用人が、そしてエレナ殿が幸せになれますように、と。
ウィルフレッド様は、やっぱり大切な人達の幸せを願うんだなと改めて実感しながら、しばらくの間二人きりで、静かに流れ星を眺めるのだった。
「お待たせしました。それで、どこに行くんですか?」
「なに、すぐそこですよ」
そう言うと、ウィルフレッド様は自分で車椅子の車輪を回して屋敷を出て行った。
えっ、いつもは誰か使用人がついていくのに、今日はいないの? それに、すぐそこって、どこのことを言っているの?
「待ってください! 私が押しますから!」
「いえ、エレナ殿は魔法の練習で疲れているんですから、少しでも体を労わってください」
「何を言っているんですか。私よりも、確実にウィルフレッド様の方が疲れているじゃないですか!」
「いえ、私は――」
これ以上何かを言われてしまう前に、車椅子を押すためのハンドグリップを握った。
ちゃんと納得してもらうのが一番なんだろうけど、時にはこういう力技も必要なのよ。
「まったく、エレナ殿は……」
「それで、どこに行くんですか?」
少し呆れ気味にふぅ、と息を漏らすウィルフレッド様は、とある方向を指差した。
その方角って……確か……。
「やはり夜は冷えますね。エレナ殿は寒くありませんか?」
「はい、大丈夫です。さっき出かける前に準備を手伝ってくれた使用人が、暖かい服を選んでくださったので」
「なら良かった。せっかく二人きりで出かけて、風邪でも引いたらたまりませんからね」
それは確かに嫌ですねと笑って答えながら、私はウィルフレッド様の車椅子を押し続ける。
実は、こんなに長く車椅子を押したことが無いから、今初めて知ったんだけど……これを押すのって、思った以上に力がいるのね。いつも押している使用人達の凄さが、改めて知れたわ。
「そうだ、エレナ殿はルナのことを何か知っていますか?」
「……? どういうことですか?」
「実は、今日の外出はルナも誘ったのですが……珍しく断られてしまいまして」
ルナちゃんが誘いを断るなんて、珍しいわね。ウィルフレッド様と一緒にいられる機会があれば、いの一番に飛びつくような子なのに。
……はっ!? まさか反抗期……なんてことはないか。さすがに反抗期が来るには幼すぎるし、あんな素直で良い子が反抗期になるとは思えない。
「そういえば、ウィルフレッド様に誘われた日に、急に何か思いついたように部屋を出て行きました。本を読んであげるって言ったのに、それすらも断られてしまって」
「ますます珍しいですね。ルナにも何か考えがあるのでしょうし、我々はルナが怪我をしないように、見守っているのが一番でしょう」
そうよね。せっかくルナちゃんが、何か目的をもって自主的に動いているんだから、その気持ちを汲み取ってあげなきゃ。
「おっと、話をしていたら、目的地が見えてきましたね」
「あっ……やっぱりここだったんですね」
歩いて行った先には、前に来たことのある花畑と、ウィルフレッド様のご両親とご先祖様が眠るお墓があった。
方向的に、ここだろうとは思っていたけど、どうしてこんな時間に来るのだろうか? 魔法の光のおかげで、辺りはそれなりに明るいけど、夜にお墓というのは、ちょっと不気味だ。
「あそこに小高い丘が見えますか?」
「あ、はい」
「あそこを目指しましょう。つらくなったら自分で車輪を動かすので、無理はなさらず」
「これくらい大丈夫です! よいしょー!」
勇ましい掛け声と共に、小高い丘の上を目指して車椅子を押す。
さすがに平坦な道と比べたら、押す力がかなり必要ね! 明日筋肉痛にならないかしら?
「到着しました。この丘から、花畑と墓が一望できるんですよ」
「本当ですね。光に照らされて、とても綺麗です」
「これだけじゃありません。上を見てください」
「うわぁ……!」
言われた通りに空を見上げると、そこは満天の星空だった。様々な色に輝く星達は、真っ黒な紙の上にちりばめられた、宝石のようだ。
そうか、さっきからウィルフレッド様と話してる時も、丘を登った後も、上を見上げていなかったから、この素敵な景色に気が付けなかったのね。どれだけ間抜けなのよ私。
「これをエレナ殿やルナと一緒に見たかったのです」
「そうだったんですね。ありがとうございます。ルナちゃんは残念でしたけど、帰ったら土産話をたくさん話してあげませんか?」
「良いですね。きっと楽しく聞いてくれるでしょう。それで行きたいとなったら、また時間を作ってあげないと」
忙しくても、自分が大変になっても、大切な人のために頑張ろうとするのは、優しいウィルフレッド様らしいというか、とても好感が持てる。
でも、それと同時に無理して体を壊してしまわないかと心配にもなる。
「エレナ殿……」
「なんですか?」
流れ星からウィルフレッド様へと視線を移すと、いつも穏やかな表情や、真面目な表情をしている彼にしては珍しく、眉尻を下げて、視線を泳がせていた。
「ウィルフレッド様……?」
「エレナ殿……お、俺は……その……あなたが……」
頬をほんのりと赤らめさせながら、言葉を詰まらせるウィルフレッド様。
「っ……! ほ、ほら見てください! あれ、流れ星ですよ!」
「え、流れ星!?」
ウィルフレッド様の指先を追うと、そこには空に輝く一本の線――その線に続くように、夜空に沢山の光が、一斉に流れるように描かれ続けた。
「流れ星……!」
「その、知り合いの占星術師から、今日はいつも以上に星が綺麗に、そして流れ星が見れると言われたので、こうしてお誘いした次第でして……あはは」
「そうだったんですね! うわぁ……こんなにたくさんの流れ星を一度に見たの、生まれて初めてです! 」
この星の海を、ウィルフレッド様と静かに見れただけでも心が満たされているのに、こんな美しい流れ星達を見れるなんて、なんて幸せなんだろう!
「ウィルフレッド様も見てくだ――って、どうしてそんな悲しそうに溜息を吐いているんですか?」
「あ、あはは……ちょっと自分の弱さを嘆いておりまして……」
「ウィルフレッド様は弱くないですよ! ほら、一緒に流れ星を見ましょう!」
そうだわ、これだけ流れ星が沢山流れているのだから、全部が流れてしまう前に、願い事を言えるじゃない!
「ウィルフレッド様が治りますように! ルナちゃんとシーちゃんがすくすくと育ちますように! みんなが毎日笑顔で過ごせるようになりますように! って、シーちゃんは精霊だから育たないか……あとは、えっとえっと……」
「あはは、もう少し自分のことを願っても良いんですよ?」
「いえ、私のことなんかどうでもいいんです!」
自分の幸せよりも、転がり込んできた私を迎え入れて、一緒に過ごしてくれた人達の幸せの方が、私にとって何十……いえ、何百倍もの価値があるの。
「ほら、ウィルフレッド様もお願いしたら、きっと叶いますよ!」
「私は、願いは自分で掴み取りますから」
「サラッと凄いカッコいいことを言いますね……さすがウィルフレッド様!」
「お褒めにあずかり光栄です。ですが……たまにはこういうのに頼るのも一興ですね」
そう言うと、ウィルフレッド様は両手を組み、ボソッと願いを呟いた。
大切な家族が、使用人が、そしてエレナ殿が幸せになれますように、と。
ウィルフレッド様は、やっぱり大切な人達の幸せを願うんだなと改めて実感しながら、しばらくの間二人きりで、静かに流れ星を眺めるのだった。
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