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第三十八話 泉争奪戦!
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「おやおや、ボクらの他にもこの森に来ている連中を見に来たら、想定外の顔ぶれだ」
私と目があった瞬間は少し驚いていたアーロイ様は、すぐにニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべた。その腕に抱きついているジェシーも同じだ。
「うふふっ、相変わらず辛気臭い顔ね。見てて反吐が出そう」
……こんな場所でもいつもの姿勢を崩さないジェシーには、呆れを通り越して感心するわ。
「それなら、その辺りの茂みにでも行ったらどうかしら。少しはスッキリして、汚い性根もよくなるかもしれないわよ?」
「それは名案だわ! なら一緒に茂みに行ってくれる? その汚い顔を、更に汚してあげたいの!」
互いに言い合っていると、ゴホンっという咳払いによって遮られた。その声の主は、ウィルフレッド様だった。
私としたことが、つい熱くなっちゃったわ。少しは冷静にならないとね。
「まさか我々のように来ている方が、あなた方とは思っても見ませんでしたよ」
「そうですね、ボクもそう思います。一応知り合いですし、一度だけ忠告しましょう。今すぐ、この森を去ってください」
ズバッとそれだけを言ったアーロイ様に、ウィルフレッド様は顔をしかめていた。
「その口ぶり……あなたは、泉を独占するつもりですか?」
「当然です。全ては愛しい妻のため、そしてレプグナテ家のため。あなた方には、一滴たりとも分けるつもりはありません」
なんて欲張りな……こんな人たちだから、ウンディーネさんが警戒をするのも当然だ。
アーロイ様達に泉を渡したら、それこそ何をするかわかったものじゃないわね。
「ウンディーネ殿」
「…………」
ウィルフレッド様が、チラッとウンディーネさんの方に視線を向けると、彼女は小さく首を横に振った。
「申し訳ないが、泉の守護者はそれを許さないそうですよ」
「そんな許可なんて、私達には関係ありませんわ!」
「そうだね、愛しいジェシー。ボク達の邪魔をするようなら……消えてもらおう」
アーロイ様の号令の元、兵達は一斉に武器を構える。それに釣られるように、私達と一緒に来てくれた使用人達も、戦えるように身構えた。
まさか、こんなことになるなんて、思ってもなかったわ。でも……こうなってしまった以上、もう避けられなさそうね。だって、あんな人達の手に泉が渡ったら、何をするかわかったものじゃないもの!
「ほう、あくまで抵抗するか」
「さっさと殺しちゃいなさい! こんな森の中だし、死んでたってわからないでしょ! あ、でもエレナだけは残しておきなさいよ! 昔みたいに、徹底的にいたぶりたいから!」
「……さっきから黙って聞いていれば……俺の大切なエレナ殿や家族達をやらせてたまるか!」
「血気盛んなのもいいが、そんな壊れて使い物にならない体で、何が出来るんだ? まあいい。ボク達は泉に行く。戻ってくる前に、こいつらを殺しておけ」
そう言うと、アーロイ様は自分の馬に乗って、その場を後にした。
早く追いかけないといけないのに、周りの兵士達に邪魔をされてしまい、身動きが出来ない。このままだと……。
「まずは、彼らを大人しくする必要がありそうですね。エレナ殿、下がってください」
座ったまま、腰に収めてある剣を抜こうとするウィルフレッド様だったが、突然体がフワッと浮かび上がり、ここに来るまでに使った馬の上に乗った。
「な、何をする!?」
「ウィルフレッド様。ここは我々が引き受けます。あなた方は、彼らを追ってください」
「し、しかし……!」
初老の使用人の言葉に、明らかに動揺するウィルフレッド様。しかし、そこにウンディーネさんが話に割って入ってきた。
「私も賛成です。分身が彼らと相対した時、とても邪な気持ちと、欲にまみれた言動をしてました。彼らなら、泉の水を独占し、悪用してしまうでしょう。そうすれば、どれだけの被害が出るか……」
「……わかった。みんな、ここは頼む!」
「私も行きます!」
「ルナもっ!」
もしウィルフレッド様に何かあった時、少しでも回復魔法が使える私と、精霊の力を仕えるルナちゃんがいれば、ウィルフレッド様の助けになるはずだわ!
その気持ちが初老の使用人に伝わったのか、私達の体も浮かび上がると、前からルナちゃん、私、ウィルフレッド様の順に座ることができた。
「エレナ殿、急いで追うので、しっかりルナのことを押さえておいてください」
「わかりました! ルナちゃん、少し大人しくしていてね」
「うんっ! シーちゃん、ピグちゃんはルナが守るよ!」
「おいおい、オレ様を忘れんなよー!」
「ダーちゃんはまだ元気だから、お兄様のお手伝いね!」
「ったく、しゃーねーなー!」
「私が案内します。こちらへ」
ウンディーネさんは、森の中をまるで泳ぐかのように、森の奥へと飛んでいく。それを追いかけるために、急いでウィルフレッド様は、馬を動かした。
「ではウィルフレッド様、ルナ様、エレナ様。ご武運を!」
「はいっ! そちらもお気をつけてー!」
「いってきま~す!!」
馬の操縦をしているウィルフレッド様の分まで、私とルナちゃんは残ってくれた人達に声をかける。
きっと大丈夫よね? こっちのが終わって戻ったら、きっとみんな笑顔で出迎えてくれるわよね?
「……ほう、追いついたか」
出発からさほど時間が経たないうちに、私達はアーロイ様とジェシーに追いつくことが出来た。
どうやら、この狭い森の中を馬で進むのに四苦八苦している間に、操縦が上手なウィルフレッド様のおかげで、すぐに追い付けたようだ。
「は? なんであんなに早いんですの!?」
「認めたくないが、奴の馬術は一流のようだね、愛しいジェシー」
「お褒めにあずかり光栄です。さあ、今ならまだ引き返せますよ」
「つまらない冗談だ」
アーロイ様はチッと舌打ちをしてから馬を止めると、何も無い場所から杖を出現させた。
まさか、魔法で対抗しようというの? そこまで本気だなんて……!
「ボクが自ら殺してあげよう。なに、妻の要望で、エレナだけは一応生かしておいてやるよ。まあ……この場で死んだ方が幸せかもしれないが」
「っ……!」
一瞬で、過去にされて来たことが頭に蘇った。理不尽な暴力、鞭打ち、食事抜き、ストレス発散の見世物……日数としてはそれそど長くないのに、その出来事と痛みは、深く……深く心と体に残っている。
「それを俺がさせると思うか?」
ウィルフレッド様は、なんと自力で馬を降りてしまった。しかし、体が不自由なウィルフレッド様が、上手く降りれるはずもなく……途中でバランスを崩して、地面に叩きつけられてしまった。
「ウィルフレッド様! 今治療します!」
「ありがとうございます、エレナ殿」
「……へぇ……なんかすこし魔法が上手くなってんじゃん。憎たらしい」
「それでも君の足元には及ばないさ」
「さすがアーロイ様~! ちゅっ!」
「こらこら、こんな所でやめないか」
人が一生懸命治しているというのに、あっちではなんかラブラブしてるし……無性に腹が立ってきた。全てはあなた達のせいなのに!!
「立てますか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
私の肩を借りて、何とか立ち上がるウィルフレッド様。片足は動くから、一応立つことが出来るけど……これでは動くことが出来ない。これでどうするというの?
「ジェシー、その馬に乗って先に行くと良い。場所はわかるだろう?」
「ええ! 濃い魔力だからか、もう私でも場所がわかるわ! それじゃあ、また会いましょ、愛しの旦那様!」
ジェシーはアーロイ様にもう一度キスをしてから、投げキッスを残して去っていった。
……まあ、もうアーロイ様のことなんてどうでもいいのが本音だけど、そんな私に見せつけて、嫌がらせをしたいのかしら? とことん性根が腐ってるわね。
「さて、騎士で有名なウィルフレッド殿も、こうなってしまったら哀れだ。まあいい、剣に優れていると言われるエクウェス家の人間を、この手で倒してみたかった」
「奇遇ですね。私……いや、俺は。俺は……エレナ殿に酷いことをしたあなた達を、許せない。この剣の錆にしてくれる」
……まさに一触即発。今にでも戦いが始まりそうな雰囲気になってきた。立っているだけなのに、肌がビリビリするくらい緊張している。
「ウィルフレッド様、私もお手伝いします! 怪我を治すくらいなら……!」
「いえ。巻き込まれると危険ですし、あなたを守りながら戦う自信が無い。ルナと一緒に、泉に行ってください」
「……でも……」
「早くお乗りなさい」
「え……えぇ!? ウンディーネさん!?」
わかってる。私がいたら、治療は確かに出来るかもしれないけど、それ以上にリスクがあるのは。それでも、すぐに納得は出来なかった。
そんな私の背を押すように、ウンディーネさんは強引に私を馬に乗せると、自分も一緒に乗った。
「主に馬の乗り方は教わっています。一緒に行きましょう」
「わ……わかりました。ウィルフレッド様、すぐに戻ってきますから!」
「ええ。ルナのこと、お願いしますね」
「お……お兄様!」
「ルナ、また後で会おう!」
その言葉を最後に、ウンディーネさんの操縦の元、馬は泉に向かって走り出す。
ウンディーネさんなら、場所がわかるというのもあるだろうけど、それにしたって馬の扱い方が上手だわ! 素人目で見てもそれがわかるくらい!
ウィルフレッド様やみんなのことが心配だし、居ても立っても居られないけど……今の私に出来ることは、少しでも早く泉に行ってジェシーを止めて、泉の安全を確保することだ。
私と目があった瞬間は少し驚いていたアーロイ様は、すぐにニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべた。その腕に抱きついているジェシーも同じだ。
「うふふっ、相変わらず辛気臭い顔ね。見てて反吐が出そう」
……こんな場所でもいつもの姿勢を崩さないジェシーには、呆れを通り越して感心するわ。
「それなら、その辺りの茂みにでも行ったらどうかしら。少しはスッキリして、汚い性根もよくなるかもしれないわよ?」
「それは名案だわ! なら一緒に茂みに行ってくれる? その汚い顔を、更に汚してあげたいの!」
互いに言い合っていると、ゴホンっという咳払いによって遮られた。その声の主は、ウィルフレッド様だった。
私としたことが、つい熱くなっちゃったわ。少しは冷静にならないとね。
「まさか我々のように来ている方が、あなた方とは思っても見ませんでしたよ」
「そうですね、ボクもそう思います。一応知り合いですし、一度だけ忠告しましょう。今すぐ、この森を去ってください」
ズバッとそれだけを言ったアーロイ様に、ウィルフレッド様は顔をしかめていた。
「その口ぶり……あなたは、泉を独占するつもりですか?」
「当然です。全ては愛しい妻のため、そしてレプグナテ家のため。あなた方には、一滴たりとも分けるつもりはありません」
なんて欲張りな……こんな人たちだから、ウンディーネさんが警戒をするのも当然だ。
アーロイ様達に泉を渡したら、それこそ何をするかわかったものじゃないわね。
「ウンディーネ殿」
「…………」
ウィルフレッド様が、チラッとウンディーネさんの方に視線を向けると、彼女は小さく首を横に振った。
「申し訳ないが、泉の守護者はそれを許さないそうですよ」
「そんな許可なんて、私達には関係ありませんわ!」
「そうだね、愛しいジェシー。ボク達の邪魔をするようなら……消えてもらおう」
アーロイ様の号令の元、兵達は一斉に武器を構える。それに釣られるように、私達と一緒に来てくれた使用人達も、戦えるように身構えた。
まさか、こんなことになるなんて、思ってもなかったわ。でも……こうなってしまった以上、もう避けられなさそうね。だって、あんな人達の手に泉が渡ったら、何をするかわかったものじゃないもの!
「ほう、あくまで抵抗するか」
「さっさと殺しちゃいなさい! こんな森の中だし、死んでたってわからないでしょ! あ、でもエレナだけは残しておきなさいよ! 昔みたいに、徹底的にいたぶりたいから!」
「……さっきから黙って聞いていれば……俺の大切なエレナ殿や家族達をやらせてたまるか!」
「血気盛んなのもいいが、そんな壊れて使い物にならない体で、何が出来るんだ? まあいい。ボク達は泉に行く。戻ってくる前に、こいつらを殺しておけ」
そう言うと、アーロイ様は自分の馬に乗って、その場を後にした。
早く追いかけないといけないのに、周りの兵士達に邪魔をされてしまい、身動きが出来ない。このままだと……。
「まずは、彼らを大人しくする必要がありそうですね。エレナ殿、下がってください」
座ったまま、腰に収めてある剣を抜こうとするウィルフレッド様だったが、突然体がフワッと浮かび上がり、ここに来るまでに使った馬の上に乗った。
「な、何をする!?」
「ウィルフレッド様。ここは我々が引き受けます。あなた方は、彼らを追ってください」
「し、しかし……!」
初老の使用人の言葉に、明らかに動揺するウィルフレッド様。しかし、そこにウンディーネさんが話に割って入ってきた。
「私も賛成です。分身が彼らと相対した時、とても邪な気持ちと、欲にまみれた言動をしてました。彼らなら、泉の水を独占し、悪用してしまうでしょう。そうすれば、どれだけの被害が出るか……」
「……わかった。みんな、ここは頼む!」
「私も行きます!」
「ルナもっ!」
もしウィルフレッド様に何かあった時、少しでも回復魔法が使える私と、精霊の力を仕えるルナちゃんがいれば、ウィルフレッド様の助けになるはずだわ!
その気持ちが初老の使用人に伝わったのか、私達の体も浮かび上がると、前からルナちゃん、私、ウィルフレッド様の順に座ることができた。
「エレナ殿、急いで追うので、しっかりルナのことを押さえておいてください」
「わかりました! ルナちゃん、少し大人しくしていてね」
「うんっ! シーちゃん、ピグちゃんはルナが守るよ!」
「おいおい、オレ様を忘れんなよー!」
「ダーちゃんはまだ元気だから、お兄様のお手伝いね!」
「ったく、しゃーねーなー!」
「私が案内します。こちらへ」
ウンディーネさんは、森の中をまるで泳ぐかのように、森の奥へと飛んでいく。それを追いかけるために、急いでウィルフレッド様は、馬を動かした。
「ではウィルフレッド様、ルナ様、エレナ様。ご武運を!」
「はいっ! そちらもお気をつけてー!」
「いってきま~す!!」
馬の操縦をしているウィルフレッド様の分まで、私とルナちゃんは残ってくれた人達に声をかける。
きっと大丈夫よね? こっちのが終わって戻ったら、きっとみんな笑顔で出迎えてくれるわよね?
「……ほう、追いついたか」
出発からさほど時間が経たないうちに、私達はアーロイ様とジェシーに追いつくことが出来た。
どうやら、この狭い森の中を馬で進むのに四苦八苦している間に、操縦が上手なウィルフレッド様のおかげで、すぐに追い付けたようだ。
「は? なんであんなに早いんですの!?」
「認めたくないが、奴の馬術は一流のようだね、愛しいジェシー」
「お褒めにあずかり光栄です。さあ、今ならまだ引き返せますよ」
「つまらない冗談だ」
アーロイ様はチッと舌打ちをしてから馬を止めると、何も無い場所から杖を出現させた。
まさか、魔法で対抗しようというの? そこまで本気だなんて……!
「ボクが自ら殺してあげよう。なに、妻の要望で、エレナだけは一応生かしておいてやるよ。まあ……この場で死んだ方が幸せかもしれないが」
「っ……!」
一瞬で、過去にされて来たことが頭に蘇った。理不尽な暴力、鞭打ち、食事抜き、ストレス発散の見世物……日数としてはそれそど長くないのに、その出来事と痛みは、深く……深く心と体に残っている。
「それを俺がさせると思うか?」
ウィルフレッド様は、なんと自力で馬を降りてしまった。しかし、体が不自由なウィルフレッド様が、上手く降りれるはずもなく……途中でバランスを崩して、地面に叩きつけられてしまった。
「ウィルフレッド様! 今治療します!」
「ありがとうございます、エレナ殿」
「……へぇ……なんかすこし魔法が上手くなってんじゃん。憎たらしい」
「それでも君の足元には及ばないさ」
「さすがアーロイ様~! ちゅっ!」
「こらこら、こんな所でやめないか」
人が一生懸命治しているというのに、あっちではなんかラブラブしてるし……無性に腹が立ってきた。全てはあなた達のせいなのに!!
「立てますか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
私の肩を借りて、何とか立ち上がるウィルフレッド様。片足は動くから、一応立つことが出来るけど……これでは動くことが出来ない。これでどうするというの?
「ジェシー、その馬に乗って先に行くと良い。場所はわかるだろう?」
「ええ! 濃い魔力だからか、もう私でも場所がわかるわ! それじゃあ、また会いましょ、愛しの旦那様!」
ジェシーはアーロイ様にもう一度キスをしてから、投げキッスを残して去っていった。
……まあ、もうアーロイ様のことなんてどうでもいいのが本音だけど、そんな私に見せつけて、嫌がらせをしたいのかしら? とことん性根が腐ってるわね。
「さて、騎士で有名なウィルフレッド殿も、こうなってしまったら哀れだ。まあいい、剣に優れていると言われるエクウェス家の人間を、この手で倒してみたかった」
「奇遇ですね。私……いや、俺は。俺は……エレナ殿に酷いことをしたあなた達を、許せない。この剣の錆にしてくれる」
……まさに一触即発。今にでも戦いが始まりそうな雰囲気になってきた。立っているだけなのに、肌がビリビリするくらい緊張している。
「ウィルフレッド様、私もお手伝いします! 怪我を治すくらいなら……!」
「いえ。巻き込まれると危険ですし、あなたを守りながら戦う自信が無い。ルナと一緒に、泉に行ってください」
「……でも……」
「早くお乗りなさい」
「え……えぇ!? ウンディーネさん!?」
わかってる。私がいたら、治療は確かに出来るかもしれないけど、それ以上にリスクがあるのは。それでも、すぐに納得は出来なかった。
そんな私の背を押すように、ウンディーネさんは強引に私を馬に乗せると、自分も一緒に乗った。
「主に馬の乗り方は教わっています。一緒に行きましょう」
「わ……わかりました。ウィルフレッド様、すぐに戻ってきますから!」
「ええ。ルナのこと、お願いしますね」
「お……お兄様!」
「ルナ、また後で会おう!」
その言葉を最後に、ウンディーネさんの操縦の元、馬は泉に向かって走り出す。
ウンディーネさんなら、場所がわかるというのもあるだろうけど、それにしたって馬の扱い方が上手だわ! 素人目で見てもそれがわかるくらい!
ウィルフレッド様やみんなのことが心配だし、居ても立っても居られないけど……今の私に出来ることは、少しでも早く泉に行ってジェシーを止めて、泉の安全を確保することだ。
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