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三日後の夜。エクウェス家の屋敷の庭では、宴の準備が順調に進んでいた。
宴と言っても、室内で静かにやるものではなく、ウィルフレッド様の回復を祝ってというのが趣旨だからなのか、外で楽しく食べる形式だそうだ。
「いろいろあっておいしそうだね! ねえお兄様!」
「ああ、そうだね」
エクウェス家の兄妹が、普通に並んで立ちながら笑っている。今まではその普通が出来なかったのに、それが出来るようになって……本当に良かった。
「あ、エレナお姉ちゃん! こっちこっちー!」
微笑ましく二人を眺めていたら、ルナちゃんが大きく両手を振って私を呼んだ。
せっかく兄妹水入らずの時間を邪魔しちゃいけないと思ってたのだけど、呼ばれたんだから行かなくちゃね。
「エレナお姉ちゃん、パーティー楽しみだねっ!」
「ふふっ、そうね」
「今日は何かするわけじゃないので、ただ好きに飲んで食べて、楽しんでいただきたい」
「お兄様もずっとお仕事だったんだから、ちゃんと楽しまなきゃダメだよ!」
「ああ、わかっているよ」
ルナちゃんはビシッと指差しながら注意をすると、ウィルフレッド様は少したじたじになりながら頷いた。
「そうだ、ちゃんとお父様達に治ったよって報告には行ったの?」
「まだだけど、宴が終わったら行こうかなって。一緒に行くか?」
「ルナはもう報告済みだから、大丈夫! パーティ―が始まる前に、エレナお姉ちゃんと行ってきなよ!」
ええ!? なんか急に、指名が入ってきちゃったのだけれど!? そんな大切な報告なら、それこそ家族水入らずの方が良いと思うのだけど!
「私も行っていいんですか?」
「もちろん。むしろ、私はあなたとも一緒に行きたいと思ってましたので。一緒に行ってくれますか?」
「はい、もちろん!」
お出かけに誘ってもらえただけなのに、こんなに心が躍るのは何故なのかしら。もしかして、そんな大切な場に呼んでもらえたのが嬉しいとか?
うーん、よくわからないけど……とにかく嬉しくて仕方ないし、ドキドキとソワソワが凄いことになっているわ。
「エレナ殿、顔が赤いですがどうかされましたか?」
「あ、いえ……ちょっと……あはは。それで、あのー……私が一緒に来て本当に良かったんですか?」
私は、無事にお墓の前に来たタイミングで気になっていたことを聞くと、ウィルフレッド様は柔らかい笑みを浮かべた。
「もちろん。好きな人を呼んで怒るほど、私の両親は心が狭くありません」
「え、好きって……」
「……はっ!? 変なことを口走ってしまって申し訳ない!」
「好き……」
ウィルフレッド様にしては珍しく、まったくと言って良いほどに動揺している……が、そんなのを気にする余裕は、今の私には無かった。
だって、好きと言われて、私の胸が今までで一番高鳴っているから。体も燃えているかのように熱く、視線も定まらない。
……そうか、今の言葉で理解した。
どうしてウィルフレッド様と一緒にいたいのか。ずっと共に未来を生きたかったのか。こんなに早く、動かなくなった体を治せるほどの、強い想いが込められた魔法が使えたのか。
私は……いつの間にか、ウィルフレッド様のことが好きになり、心の底から想っていたんだ。それも、愛情という意味で。だからこそ、奇跡のような魔法が使えた。
誰かを愛するようになるなんて、初めての経験だけど……ウィルフレッド様はとても魅力的な人だ。優しくて、大切な人のためなら凄く頑張って、努力家で……。
そうか。ラピア様がどうして教えてくれなかったか、これでわかった。確かにこれは、自分で気が付かなかったら意味が無いわ。
「私も、好きです」
「えっ……エレナ殿? 別に私に合わせる必要は無いのですよ?」
これは……私が気を利かせて言ってるとしか思われてないわよね? もっとちゃんと言わないと!
「私は、ウィルフレッド様を愛しています。これからもずっと隣を歩きたいです」
「……エレナ殿、気持ちはとても嬉しいです。でも、そういう冗談は――」
「冗談じゃありません! 私は、あなたの近くで素晴らしい一面をいくつも見ました。そうしたら、いつの間にか恋心が生まれていて……情けない話ですが、この気持ちを自覚したのが、今ウィルフレッド様に好きと言われたからなんですけど……」
自分で言っていて思ったのだけど……私って馬鹿なのだろうか。ウィルフレッド様にドキドキしていたのは、これが原因だったって気づけないなんて。
「だから……私はあなたと一緒にいたい。これからも、ずっとずっと……ウィルフレッド様と、ルナちゃん達と、一緒にいたい!」
「私は……いや、変にかしこまるのはやめよう。俺は……前々から、いつ機会が訪れてもいいように、準備はしておいたんだ」
「準備とは?」
「これだ」
ウィルフレッド様は、私の前で膝をつけると、四角い箱から何か取り出して、それを指にはめた。
私の指――左の薬指に嵌められた意味。それは、いくら私でも簡単に判断できたわ。
「エレナ・ゲリール様。俺の専属の聖女じゃなくて、俺の伴侶になって、一緒に未来を生きてくれないか?」
「っ……!!」
正式なプロポーズを受けた。その驚きは、私から思考というものを奪うには、あまりにも十分すぎた。
プロポーズ……ウィルフレッド様と……信じられない。所詮私は他の家に仕えていただけの女……見合うわけが……。
「俺は、もう君以外が見えない。ひた向きに努力する姿、愛らしい笑顔、ルナと一緒にいる時の楽しそうな姿、人のために頑張れる姿。言い出したらキリはないくらい、君を見てきた。そんな君を愛したんだ。どうか返事をもらえないか?」
私は、指輪が嵌められた指を撫でてから、ウィルフレッド様に抱きついた。
「私なんかでいいんですか?」
「エレナ殿じゃなければ、駄目なんだ」
「私も……あなた以外の人なんて、考えられませんは。不束者ですが……よろしくお願いします……!」
そう言ってから、私い達は一気に距離を詰めると、そのまま抱き合いながら唇を重ねた。
人生で最初のキスは、正直よくわからなかった。でも一つだけわかることがある。私は今、とても幸せだということだ。
「じ~……」
「……なにか、視線を感じないか?」
「確かに……あ、あそこに!」
誰かに見られていると思った私達は、辺りを確認すると、花畑の中にひっそりと隠れてこちらを見ているルナちゃんの姿があった。
「えへへ、見ちゃった~! そろそろパーティ―の準備が終わるから呼びに来たら、二人がちゅーするの見ちゃった~!」
「こ、こらルナ!」
「お兄様とエレナお姉ちゃんが幸せそうで、ルナ嬉しいよ! みんなにも知らせてこなきゃ!」
私達が止める前に、ルナちゃんは全速力で宴の会場へと走り去ってしまった。
キスしていた所を見られてしまったのも恥ずかしいけど、他の人達にこのことを知られてしまうのも、正直恥ずかしい。
でも、いつかは知らせないといけないことだから、丁度良かった……のかしら?
「まったく、俺からみんなにちゃんと知らせようと思ったんだが……」
「ルナちゃんのことだから、嬉しかったことをいち早く知らせたかったんでしょうね」
「そうだな。さて、俺達も戻るとしようか。俺の手を取って」
「はいっ!!」
柔らかい笑みを浮かべながら、右手を差し出される。その手に自分の手を重ねると、ウィルフレッド様は私の手を引っ張って走りだす。
元気になったウィルフレッド様と走っていると、辛かった私達が、幸せに向かって走っていくように思えて……自然と笑みが零れた。
ウィルフレッド様。これからもずっと仲良く、そして幸せになりましょうね!
宴と言っても、室内で静かにやるものではなく、ウィルフレッド様の回復を祝ってというのが趣旨だからなのか、外で楽しく食べる形式だそうだ。
「いろいろあっておいしそうだね! ねえお兄様!」
「ああ、そうだね」
エクウェス家の兄妹が、普通に並んで立ちながら笑っている。今まではその普通が出来なかったのに、それが出来るようになって……本当に良かった。
「あ、エレナお姉ちゃん! こっちこっちー!」
微笑ましく二人を眺めていたら、ルナちゃんが大きく両手を振って私を呼んだ。
せっかく兄妹水入らずの時間を邪魔しちゃいけないと思ってたのだけど、呼ばれたんだから行かなくちゃね。
「エレナお姉ちゃん、パーティー楽しみだねっ!」
「ふふっ、そうね」
「今日は何かするわけじゃないので、ただ好きに飲んで食べて、楽しんでいただきたい」
「お兄様もずっとお仕事だったんだから、ちゃんと楽しまなきゃダメだよ!」
「ああ、わかっているよ」
ルナちゃんはビシッと指差しながら注意をすると、ウィルフレッド様は少したじたじになりながら頷いた。
「そうだ、ちゃんとお父様達に治ったよって報告には行ったの?」
「まだだけど、宴が終わったら行こうかなって。一緒に行くか?」
「ルナはもう報告済みだから、大丈夫! パーティ―が始まる前に、エレナお姉ちゃんと行ってきなよ!」
ええ!? なんか急に、指名が入ってきちゃったのだけれど!? そんな大切な報告なら、それこそ家族水入らずの方が良いと思うのだけど!
「私も行っていいんですか?」
「もちろん。むしろ、私はあなたとも一緒に行きたいと思ってましたので。一緒に行ってくれますか?」
「はい、もちろん!」
お出かけに誘ってもらえただけなのに、こんなに心が躍るのは何故なのかしら。もしかして、そんな大切な場に呼んでもらえたのが嬉しいとか?
うーん、よくわからないけど……とにかく嬉しくて仕方ないし、ドキドキとソワソワが凄いことになっているわ。
「エレナ殿、顔が赤いですがどうかされましたか?」
「あ、いえ……ちょっと……あはは。それで、あのー……私が一緒に来て本当に良かったんですか?」
私は、無事にお墓の前に来たタイミングで気になっていたことを聞くと、ウィルフレッド様は柔らかい笑みを浮かべた。
「もちろん。好きな人を呼んで怒るほど、私の両親は心が狭くありません」
「え、好きって……」
「……はっ!? 変なことを口走ってしまって申し訳ない!」
「好き……」
ウィルフレッド様にしては珍しく、まったくと言って良いほどに動揺している……が、そんなのを気にする余裕は、今の私には無かった。
だって、好きと言われて、私の胸が今までで一番高鳴っているから。体も燃えているかのように熱く、視線も定まらない。
……そうか、今の言葉で理解した。
どうしてウィルフレッド様と一緒にいたいのか。ずっと共に未来を生きたかったのか。こんなに早く、動かなくなった体を治せるほどの、強い想いが込められた魔法が使えたのか。
私は……いつの間にか、ウィルフレッド様のことが好きになり、心の底から想っていたんだ。それも、愛情という意味で。だからこそ、奇跡のような魔法が使えた。
誰かを愛するようになるなんて、初めての経験だけど……ウィルフレッド様はとても魅力的な人だ。優しくて、大切な人のためなら凄く頑張って、努力家で……。
そうか。ラピア様がどうして教えてくれなかったか、これでわかった。確かにこれは、自分で気が付かなかったら意味が無いわ。
「私も、好きです」
「えっ……エレナ殿? 別に私に合わせる必要は無いのですよ?」
これは……私が気を利かせて言ってるとしか思われてないわよね? もっとちゃんと言わないと!
「私は、ウィルフレッド様を愛しています。これからもずっと隣を歩きたいです」
「……エレナ殿、気持ちはとても嬉しいです。でも、そういう冗談は――」
「冗談じゃありません! 私は、あなたの近くで素晴らしい一面をいくつも見ました。そうしたら、いつの間にか恋心が生まれていて……情けない話ですが、この気持ちを自覚したのが、今ウィルフレッド様に好きと言われたからなんですけど……」
自分で言っていて思ったのだけど……私って馬鹿なのだろうか。ウィルフレッド様にドキドキしていたのは、これが原因だったって気づけないなんて。
「だから……私はあなたと一緒にいたい。これからも、ずっとずっと……ウィルフレッド様と、ルナちゃん達と、一緒にいたい!」
「私は……いや、変にかしこまるのはやめよう。俺は……前々から、いつ機会が訪れてもいいように、準備はしておいたんだ」
「準備とは?」
「これだ」
ウィルフレッド様は、私の前で膝をつけると、四角い箱から何か取り出して、それを指にはめた。
私の指――左の薬指に嵌められた意味。それは、いくら私でも簡単に判断できたわ。
「エレナ・ゲリール様。俺の専属の聖女じゃなくて、俺の伴侶になって、一緒に未来を生きてくれないか?」
「っ……!!」
正式なプロポーズを受けた。その驚きは、私から思考というものを奪うには、あまりにも十分すぎた。
プロポーズ……ウィルフレッド様と……信じられない。所詮私は他の家に仕えていただけの女……見合うわけが……。
「俺は、もう君以外が見えない。ひた向きに努力する姿、愛らしい笑顔、ルナと一緒にいる時の楽しそうな姿、人のために頑張れる姿。言い出したらキリはないくらい、君を見てきた。そんな君を愛したんだ。どうか返事をもらえないか?」
私は、指輪が嵌められた指を撫でてから、ウィルフレッド様に抱きついた。
「私なんかでいいんですか?」
「エレナ殿じゃなければ、駄目なんだ」
「私も……あなた以外の人なんて、考えられませんは。不束者ですが……よろしくお願いします……!」
そう言ってから、私い達は一気に距離を詰めると、そのまま抱き合いながら唇を重ねた。
人生で最初のキスは、正直よくわからなかった。でも一つだけわかることがある。私は今、とても幸せだということだ。
「じ~……」
「……なにか、視線を感じないか?」
「確かに……あ、あそこに!」
誰かに見られていると思った私達は、辺りを確認すると、花畑の中にひっそりと隠れてこちらを見ているルナちゃんの姿があった。
「えへへ、見ちゃった~! そろそろパーティ―の準備が終わるから呼びに来たら、二人がちゅーするの見ちゃった~!」
「こ、こらルナ!」
「お兄様とエレナお姉ちゃんが幸せそうで、ルナ嬉しいよ! みんなにも知らせてこなきゃ!」
私達が止める前に、ルナちゃんは全速力で宴の会場へと走り去ってしまった。
キスしていた所を見られてしまったのも恥ずかしいけど、他の人達にこのことを知られてしまうのも、正直恥ずかしい。
でも、いつかは知らせないといけないことだから、丁度良かった……のかしら?
「まったく、俺からみんなにちゃんと知らせようと思ったんだが……」
「ルナちゃんのことだから、嬉しかったことをいち早く知らせたかったんでしょうね」
「そうだな。さて、俺達も戻るとしようか。俺の手を取って」
「はいっ!!」
柔らかい笑みを浮かべながら、右手を差し出される。その手に自分の手を重ねると、ウィルフレッド様は私の手を引っ張って走りだす。
元気になったウィルフレッド様と走っていると、辛かった私達が、幸せに向かって走っていくように思えて……自然と笑みが零れた。
ウィルフレッド様。これからもずっと仲良く、そして幸せになりましょうね!
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