入れ替わり転生〜生まれ変わったら、私を殺した婚約者の最愛になっていました〜

みおな

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軽蔑します

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「ッ!」

 私の発言に、王太子殿下は戸惑った様子で、それでも自分の行動を恥じてはいるのか俯かれました。

 殿下を受け入れることはできませんが、それでも殿下が聖女様をお好きな気持ちを捨てろとは言うつもりもありません。

 こんなに、誰かを好きになれること。それはとても素敵なことだと思うからです。

 ただ、私は・・・
殿下が正当な手続きではなく、ウェンディの死でしかその想いを成就出来なかったことがただ悲しいだけです。

「ジュリアーノ王太子殿下・・・」

「ユエ」

「私は・・・この世界に来る前の記憶も、来てからの記憶も失ってしまいました。それは戻るかもしれませんし、戻らないかもしれません。今の私の考えや話し方は、目覚めてから両親・・・養女だとは聞いていますが、ラミリス公爵夫妻から学んだものです。ですから、王太子殿下が知っている『ユエ』のものではないと思います。そのことは・・・お詫びします」

 やはりどうしても、ウェンディとして生きた言動を無くすことはできそうにありません。

 私には聖女様の考え方や素振り、話し方は出来ません。

 ならば、ラミリス公爵夫妻に教わったこととして押し通すしかありません。

「いや・・・」

「今一度、お聞きします。王太子殿下には婚約者の方はいらっしゃらないのですか?両親ははっきりと答えてくれなかったのですが」

 それは嘘ですが、というかウェンディが婚約者なことは誰よりも私が知っています。

 ですが、そこをはっきり言っておじ様たちが悪く思われても困ります。

 殿下は少し考えられた後・・・ポツリと呟かれました。

「僕の婚約者は・・・今、目覚めない」

 ええ。知っています。
中身が空っぽだからです。なのに、私は白々しく尋ねました。

「どういうことですか?」

「父上・・・国王陛下への報告では、倒れてそのまま目覚めないそうだ。もう一週間ほど、か」

「・・・お見舞いにも行かれてない、ということですか」

 思っていたよりも冷たい声が出ました。

 そのことに殿下も困惑した様子で、私に手を伸ばして来られました。

「ユエ?」

「殿下は酷い人ですね。私には記憶がありません。ですから、王太子殿下がどれだけ私を思ってくれていたのかは分かりません。でも、婚約者がいて、その婚約者が目覚めないのにお見舞いにも行かないなんて・・・人としてあり得ません。もし、それを良しとしていたというのなら、私は私自身を軽蔑します。もしかしたら記憶がなくなったのは、そのせいかもしれません」

 私の言葉に殿下は、ショックを受けたような表情をされ、そのままその場所に崩れ落ちてしまいました。
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