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変わっていく王太子殿下
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「リティ。最近、うちの国で流行っているケーキだよ」
聖女様のお好きだったものを王太子殿下に示し続けた結果・・・
彼は、ユエリティ皇女殿下を好きになりました。
もちろんきっかけは、聖女様の幻だと思います。
聖女様の好きだったもの。聖女様がおっしゃりそうなこと。聖女様と共に行った場所。
たくさんの聖女様の幻をユエリティ皇女殿下に重ね、それでも聖女様でないことを再確認し続けて。
その結果。
ユエリティ皇女殿下本人に惹かれ始めたようです。
そう思う理由は三つ。
まず、最初の頃は聖女様がそうだった、という風に呟かれていたことが全くなくなったこと。
次に、ユエリティ皇女殿下を見ているのに、どこか遠くの、そう聖女様を思い出しているような様子がなくなったこと。
そして、ユエではなくリティと呼び出したこと。
一ヶ月の滞在のうち、ほとんどを使ってしまいましたが、結果としては上々だと思います。
だって、聖女様の幻を追っているだけでは、後悔させることは叶わないでしょう?
ユエリティ皇女殿下を、聖女様を想っていた時のように、いえそれ以上に好きにさせてから、切り捨てなければ。
ジュリアーノ王太子殿下が、ユエリティ皇女殿下を失えばもう生きていけないと思うほどになった時に、殿下に教えて差し上げるのです。
殿下がウェンディに何をしたのかを。
私は殿下に殺されて、次に目覚めた時には聖女様になっていました。
そしてウェンディは、眠りから目覚めない状態に。
おそらくは、殿下がウェンディに冤罪をかけて王宮に連行する少し前に戻った、ということだと思います。
時系列的に、どの頃かまでは分かりませんが、生きているのですから、殺される前に戻ったことは間違いありません。
冤罪で牢に入れて、毒を飲ませようとする前に、聖女様が記憶を失い、ウェンディが眠りから目覚めなくなったのですよね。
そのようなことを考える前だったとしても、私を殺したジュリアーノ王太子殿下と目の前のジュリアーノ王太子殿下が同一でなかったとしても。
私はあなたを破滅に追い込みます。
私はウェンディに戻り、ユエリティ皇女殿下にこのお体を返さなければなりません。
私が殿下を赦してしまえば、ウェンディの魂も体も死に、もしかしたら皇女殿下にお体を返すことは叶うかもしれません。
でも、私を待ってくれているお父様とお母様、そしてラミリスのおじ様やおば様を悲しませてしまいます。
最初の頃のように、憎しみに支配されているわけではありません。
でも・・・
聖女様のお好きだったものを王太子殿下に示し続けた結果・・・
彼は、ユエリティ皇女殿下を好きになりました。
もちろんきっかけは、聖女様の幻だと思います。
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たくさんの聖女様の幻をユエリティ皇女殿下に重ね、それでも聖女様でないことを再確認し続けて。
その結果。
ユエリティ皇女殿下本人に惹かれ始めたようです。
そう思う理由は三つ。
まず、最初の頃は聖女様がそうだった、という風に呟かれていたことが全くなくなったこと。
次に、ユエリティ皇女殿下を見ているのに、どこか遠くの、そう聖女様を思い出しているような様子がなくなったこと。
そして、ユエではなくリティと呼び出したこと。
一ヶ月の滞在のうち、ほとんどを使ってしまいましたが、結果としては上々だと思います。
だって、聖女様の幻を追っているだけでは、後悔させることは叶わないでしょう?
ユエリティ皇女殿下を、聖女様を想っていた時のように、いえそれ以上に好きにさせてから、切り捨てなければ。
ジュリアーノ王太子殿下が、ユエリティ皇女殿下を失えばもう生きていけないと思うほどになった時に、殿下に教えて差し上げるのです。
殿下がウェンディに何をしたのかを。
私は殿下に殺されて、次に目覚めた時には聖女様になっていました。
そしてウェンディは、眠りから目覚めない状態に。
おそらくは、殿下がウェンディに冤罪をかけて王宮に連行する少し前に戻った、ということだと思います。
時系列的に、どの頃かまでは分かりませんが、生きているのですから、殺される前に戻ったことは間違いありません。
冤罪で牢に入れて、毒を飲ませようとする前に、聖女様が記憶を失い、ウェンディが眠りから目覚めなくなったのですよね。
そのようなことを考える前だったとしても、私を殺したジュリアーノ王太子殿下と目の前のジュリアーノ王太子殿下が同一でなかったとしても。
私はあなたを破滅に追い込みます。
私はウェンディに戻り、ユエリティ皇女殿下にこのお体を返さなければなりません。
私が殿下を赦してしまえば、ウェンディの魂も体も死に、もしかしたら皇女殿下にお体を返すことは叶うかもしれません。
でも、私を待ってくれているお父様とお母様、そしてラミリスのおじ様やおば様を悲しませてしまいます。
最初の頃のように、憎しみに支配されているわけではありません。
でも・・・
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