入れ替わり転生〜生まれ変わったら、私を殺した婚約者の最愛になっていました〜

みおな

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王太子殿下の答え①

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「ユエリティ・メトルファン皇女殿下。私、ジュリアーノ・クーデリアは貴女を愛しています」

 私の前に跪いた王太子殿下の言葉に、私はゆっくりと瞼を閉じました。

 私も、心を決めなければなりません。

 ウェンディに戻りたいのなら、私は王太子殿下を切り捨てなければならないのです。

 私は覚悟を決めて、瞼を上げました。

「ジュリアーノ王太子殿下。三つお聞きしたいことがあります。それをお聞きしたら、私もジュリアーノ王太子殿下のお言葉にお答えしたいと思います」

「・・・分かった」

「まず、ひとつ目。王太子殿下は、聖女様のことをどう思われているのですか?」

 あれほど、婚約者を殺してまで求めた方です。

 聖女様は居なくなってしまいましたが、だからといってあれほどの気持ちが簡単に消えてしまうものなのでしょうか。

 王太子殿下は、おそらく聞かれると思っていたのでしょう。

 私の目をまっすぐに見て、答えてくださいました。

「聖女のことは、本当に好きだと思っていた。彼女の奔放さに惹かれた。貴族令嬢にない言動が珍しくて、聖女に夢中になった。だけど今思うと、その珍しさに飽きる前に聖女が記憶喪失になった。そして、僕は拒絶された。その時はどうしてと思ったけど、あれは貴族令嬢として正しい反応だったのだと今なら分かる。ことは、当たり前のことだったんだ。聖女は異世界人だったから、そんな概念がなくても仕方なかったけど、本来なら僕が止めなければならなかったんだ。そのことを、リティと出会って痛感した。もし今、聖女が再び現れても、あの頃のように聖女に傾倒することはないと断言できる」

 王太子殿下のおっしゃったことは、正論です。

 そして、殿下自身が反省し、そう結論を得たのでしょう。

 そのことを悪いとは思いません。

 ですが。

 の気持ちで、ウェンディは殺されたのですか?

 あの頃の私は、聖女様と共にいる殿下をお諌めしたことなどありません。

 なのに、邪魔者のように冤罪をかけられて、夜着のまま王宮に無理矢理連行され、地下牢に入れられました。

 そして挙げ句に、毒薬を飲まされて・・・

 あの時、殿下は「やっと死んでくれる」とおっしゃいました。

 それほどまでに、聖女様をお慕いしていたのではないのですか?

 ユエリティ皇女殿下に恋をしたことで、そんな簡単に聖女様への想いを消してしまえるのですか。

 なら、ウェンディが死んだ意味はなんなのですか?
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