嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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愚か者たちの末路〜シリウス視点〜

 ジュエル・リビエラ伯爵令嬢。
彼女は僕にとって、全てだった。

 ルビーのような髪も瞳も、その愛らしさも、全てが愛しくて彼女を婚約者にと望んだ。

 伯爵令嬢という身分を母上は気に入らなかったようだが、最終的には僕がそこまで望むならと認めてくださりジュエルは僕の婚約者になった。

 ローゼン王国は、学園卒業の十八歳を迎えれば王族は婚姻することが慣習となっている。

 このまま三年間学園生活を楽しんで、卒業したらジュエルを妻に迎える。

 その日が来ることは間違いないと信じていた。

 学園に入学して少し経った頃、一人の令嬢に声をかけられた。

 エミリ・コンフォート公爵令嬢。
コンフォート公爵が婚約時代に使用人に産ませた子供で、コンフォート公爵から目をかけてくれるよう頼まれていた。

 ジュエル以外に興味はないが、婚姻までジュエルに手を出すことができない僕は、愚かにもエミリを欲の捌け口とした。

 ローゼン王国では、婚約者以外を抱きしめることすら不貞とされる。

 だから娼館という公認の欲の捌け口があり、僕自身何回か通ったことがある。

 だが、仕事に過ぎない彼女たちとの閨行為に僕は飽きた。

 バレないように細心の注意を払い、エミリを抱きしめ甘い言葉を囁き、口付けをする。

 でもそれは、背徳感のある遊びでしかなかったのに。

 ジュエルにそれを目撃され、僕とジュエルの婚約は解消された。

 しかも男の部分を切り落とされ、学園卒業を待ってコンフォート公爵家へ婿入りさせると言われた。

 絶望しかなかった。
エミリは、ジュエルを娶るまでのでしかないのに。

 だから・・・
ジュエルとそういう行為をすれば、父上もリビエラ伯爵も、ジュエルを妻にすることを認めると思った。

 なのに機能を奪われた上、傷が癒えるまで静養しているうちに、ジュエルはマクラーレン王国に留学してしまった。

 ずっと王宮内に軟禁され、このままジュエルを手に入れられないならもうどうでも良いと思い始めていた時、母上が訪ねてきた。

 母上は、ジュエルが帰国することを教えてくれた。
 僕が会いに行けば、きっと受け入れるだろうと言ってくれた。

 そうだ。
ジュエルは、あんなに僕を愛してくれていたんだ。

 ショックで僕を拒絶したけど、きっと離れて戻って来たんだろう。

 そう思って、ジュエルがいるという場所を母上の手の者に調べさせ、ホテルまで会いに行ったのに。

「穢らわしい」

 僕の愛を信じずに婚約解消したことも詫びず、エミリとのことを責め、挙げ句に穢らわしい手で触れるな?

 激昂した僕がジュエルに向けて上げた手は、突然現れた男の手によって防がれ、僕はすぐに騎士に捕縛されることになった。

 そして父上から、北の塔に生涯幽閉だと宣告される。

 どうしてこんなことになったんだ。

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