嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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味方になってくれたのは

「え?エレメンタル帝国に?駄目よ。あっちには知り合いがいないじゃない」

 即座に否定したのはお姉様だった。

「・・・」

「フレグランス。そんなふうに頭ごなしに否定するものじゃないよ」

 お姉様が私のことを大切にしてくれていて、心配しているからこその言葉だとわかっている。

 わかっているからこそ、否定されるとそれ以上言えない。

 そんな時、ルークお兄様がお姉様を嗜めた。

「でもっ!」

「でもじゃないよ。ジュエル嬢は一人で何も出来ない子供じゃない。前回は王家のことがあったから、フレグランスが付いてマクラーレン王国に行くことに反対しなかった。だけど、彼女が望んでエレメンタル帝国に行きたいと言うのを止めるのは正しくない」

「だって、ジュエルは大事な妹なのよ!エレメンタル帝国でも、マクラーレンの王太子みたいなのがいたらどうするの!」

 ダニエル王太子殿下みたいな人が?
あんな個性的な人、そうそういないと思うわ。

 確かにあの人には振り回されたけど、もし私がルイス様のことを好きだと思っていて、ルイス様も同じように思ってくれていたら、王太子殿下のおせっかいも不満に思わなかったと思うわ。

 だから、王太子殿下のことも、ルイス様のことも、ルージュ様のことも、別に嫌いじゃない。

 利用されるのは嫌だったけど、違う出会い方をしていればお友達になれたわ。

「いい加減にしなさい、フレグランス。確かに僕もジュエル嬢に傷付いては欲しくない。でも、彼女のやりたいことを駄目だと閉ざしてしまうのは正しいとは思えない」

「ジュエル。なんでエレメンタル帝国なの?もしかしてウェルズ様に何か言われた?」

「いえ。帰る時に連れて行って欲しいとお願いしましたら、家族をちゃんと納得させたらかまわないとおっしゃって下さいました」

「・・・ジュエル嬢は、ウェルズのことが好きなのかい?」

 ルークお兄様の問いに、目を丸くした。

 好き?

 私がウェルズ様を?

「わ、分かりません」

 シリウス様のことは好きだと思っていたわ。

 あの方のために、辛い王太子妃教育も頑張った。

 でも、その気持ちとウェルズ様に対する気持ちが同じかというと、少し違う気がする。

 ただ・・・

 このまま会えなくなってしまうのが嫌なの。

 もっと色んなことをお話したいし、ウェルズ様のこともたくさんお話して欲しい。

 お姉様に素直にそう言ったら、ものすごく複雑そうなお顔をされた。

「わかったわ。お父様とお母様には、ちゃんと自分でお願いしなさい。あと、定期的にちゃんと手紙を出すこと。それから侍女を一人連れて行きなさい」

「は、はいっ!」

 お姉様は許してくれた・・・ということよね?やったわ!
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