嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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叶わなかった願い〜王弟子息ルイス視点〜

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 従兄である王太子ダニエルがやらかした。

 俺より一歳年上の従兄は、剣技も勉強もとても優れていて、王太子に相応しい人間だった。

 唯一の問題が、婚約者であるルージュ・ラウンディ公爵令嬢への執着だ。

 ダニエルが十一歳の年のお茶会という名のお見合いで、ラウンディ嬢を見染めた。

 身分も問題なくラウンディ嬢もダニエルに好意を抱いてくれているようで、本当なら大きな問題もなく婚姻するはずだったんだ。

 それが狂ったのは、ローゼン王国の伯爵令嬢であるジュエル・リビエラ嬢が留学して来てからだ。

 ラウンディ嬢が、リビエラ嬢を気に入ってしまった。

 彼女は伯爵令嬢でありながら、ローゼン王国の王太子殿下の婚約者だった。

 とても優秀で、かつ穏やかな性格。
それでいて王太子妃教育をすでに終えているため、必要なことははっきり言うという文句なしの才女。

 何故、ローゼンの王太子が彼女との婚約を解消したのか、全く意味がわからない。

 だがそのおかげで、リビエラ嬢と出会えたことは僥倖だ。

 ダニエルさえ暴走しなければ、ゆっくりと時間をかけてリビエラ嬢との距離を詰めれたと思う。

 王太子殿下との婚約が解消されたリビエラ嬢は、高位貴族というものに、壁を作っている様子だったから。

 まずは友人になって、それから周囲を牽制しながら親しくなれたら。

 そう思っていたんだ。

 だけど、ダニエルがラウンディ嬢のを叶えるために暴走した。

 ダニエルが俺との婚約を打診したせいで、距離を詰めることは出来なくなった。

 伯父上である国王陛下と王妃殿下、俺の父上までもがリビエラ嬢に謝罪したんだ。

 その謝罪をなかったことにはできない。

 ラウンディ嬢が注意したことで、ダニエルも謝罪し一旦は治まったように見えた。

 だが結局、ダニエルはラウンディ嬢のためにリビエラ嬢を欲し、家族の結婚式のために帰国しようとしたリビエラ嬢を引き留めようとして・・・

 伯父上の許可の元、リビエラ嬢はローゼン王国へと帰国した。

 話どころか顔を見ることすら叶わなかった。

 そのことにショックを受けたラウンディ嬢が公爵家に引きこもったことで、またもダニエルが暴走した。

 こともあろうにラウンディ嬢を公爵家から王宮へと攫って、彼女の純潔を散らしてしまったのだ。

 王家に嫁ぐ者は、その時まで純潔を守らなければならないのにだ。

 だが、散らしたのが婚約者のダニエルだということで、慌てて婚姻の準備をすることになった。

 純潔でない以上、他の令息に嫁ぐこともできないし、何よりそんなことをしたらダニエルが何をするか分からないからだ。
 
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