嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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やっぱり落ち着く

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「「「おかえりなさいませ、ジュエルお嬢様」」」

 家令を筆頭に、たくさんの使用人が並んで私を出迎えてくれた。

「みんな、ただいま」

 シリウス殿下との婚約解消後にマクラーレン王国に行って・・・
 その後、一旦は帰国したけどまたエレメンタル帝国に向かって。

 やっぱり、実家だと落ち着くわ。

「ジュエル!おかえりなさい」

 出迎えてくれたお姉様の手を、そっと両手で包み込む。

「お姉様」

 現在お姉様は妊娠中で、悪阻がひどいと聞いている。

 ルークお兄様が心配そうに、斜め後ろに立っていた。

「お姉様。お身体は大丈夫ですか?ご無理はなさらないでください。お部屋までご挨拶に伺いましたのに」

「だって、可愛いジュエルが戻って来るのだもの。出迎えたかったのよ」

「ありがとうございます、お姉様。私もお姉様にお会いしたかったですわ。ですがお身体が辛いのでしょう?お兄様。お姉様をお早くお部屋へ」

「ああ、ありがとう。フレグランス、さぁ、あとは屋敷内で話せば良いだろ?」

 ルークお兄様が甲斐甲斐しく、お姉様の手を取ってエスコートされ、お姉様もやはりお辛かったのか大人しく付いて行かれた。

「すまないね、ウェルズ卿」

「いえ、こちらこそご挨拶が遅くなり申し訳ございません。ハデス・・・と申します。ウェルズ公爵家に籍は残っておりますが、弟が成人した折には籍を抜き平民となるつもりです。ですから、どうぞハデスとお呼びください」

「ああ。そのあたりのことは陛下から伺っている。では、ハデス卿、リビエラ伯爵家へようこそ。狭い家だがゆっくりと体を休めてくれ」

 お父様がハデス様とご挨拶されている間に、私たちの荷物は次々に使用人の手によって屋敷内に運ばれていく。

 今回の王太子殿下の成婚パーティーは、ローゼン王国の貴族家に籍があるに参加義務がある。

 幼子や分別の付かない年齢のご子息ご令嬢は別として、所謂お茶会や社交に参加する年齢の貴族子息令嬢は、余程の理由がない限り参加するように通達が出ていた。

 だから、私やハデス様も帰国したのだ。

「さぁ、ハデス様。こちらへ。後でお茶をご一緒してくださいませね?」

「ああ、ありがとう。伯爵にもお話を伺いたい。ぜひお願いするよ」

「ええ、では後ほど」

 ハデス様を客室にご案内した後、私も着替えるために自室に戻った。

 あの日、この国を出て行った時と少しも違わない私室。

 綺麗に掃除が行き届いていて、空気の入れ替えもされている。

 私がお嫁に行けば、ここは改装してお姉様の子供が使うことになるかしらね。

 懐かしい部屋をゆっくりと見渡した。
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