嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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過保護発動

「ふぅ」

 ハデス様がお仕事に出かけられ、私はやっと一息をついた。

 いえ。
何もしてはいないのだけど。

 正確に言うと、何もさせてもらえない。

 妊娠は病気じゃないと言っても、どうしても悪阻でなんでも食べれないせいか、ハデス様の過保護がひどいのよ。

 だから、私がベッドから出て少し動くことができるのは、ハデス様がお仕事に行っている間だけ。

 少しは動かないと食欲も出ないし、動けなくなりそうだから、お屋敷の二階だけを行ったり来たりしている。

 階段は危ないからと、ハンナに止められてしまったわ。

 確かに、ハデス様のいない間に怪我でもして赤ちゃんに何かあったら、私自分が許せなくなるわ。

 だから素直にそこは従って、廊下やお部屋の中をウロウロするだけにしている。

 お母様からはお手紙が届いて、お姉様が今すぐ行く!というのを抑えるのが大変だと書いてあった。

 お姉様も・・・
ハデス様に負けず劣らずの過保護だったわ。

 もちろん、私のことを思ってくれてのことだとわかっているから、ありがたいとは思うけど。

 まだアレックスは乳飲み子なのだから、エレメンタル帝国まで来るのは駄目よ。

 話し相手はハンナがしてくれるし、心配ないとお返事したわ。

 ハンナとアレックさんの結婚に関しては申し訳ないけど、出産まで待ってもらうことになった。

 というか、安定期に入れば大丈夫だと訴えたのだけど、むしろ多少の運動は大事だからと言ったのだけど、ハデス様が譲ってくださらなかった。

 大切にしてくださるのは嬉しいし、私も赤ちゃんを産むのは初めてだから、無理をするつもりはないけど、過保護がすぎると思うの。

「旦那様は、奥様のことを本当に大切にされていらっしゃいますから」

「ええ。それは理解しているのだけど。そのうち、私が心配だからとお仕事もお休みしそうで怖いのよ」

「・・・皇妃様に、そんなことをするなら奥様を王宮で預かると叱責されたみたいです」

「・・・え」

 え、ええっ?
もしかして本当に皇帝陛下に言ったの?

 そして皇妃様に叱られた?

 私を心配してくださるのは嬉しいわ。

 でも、ハデス様が皇帝陛下たちにずっと良くしていただいていたのも事実。

 体調が悪い時はお医者様にお願いするし、お仕事を疎かにしてまでそばにいて欲しいなんて、望まないわ。

「帰ってきたら、ちゃんと言わなきゃ」

「旦那様はずっとでしたから、奥様と生まれて来る赤ちゃんが大切で、そして不安で仕方ないのだと思います」

 ハンナの言いたいことは分かるわ。
ハデス様はご両親と離れるために、早くからローゼン王国を出ていたもの。

 でもだからこそ、私は・・・

 
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