拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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それぞれお仕置きを受けています。

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「クロエが納得しているなら、もうしばらくお仕置きをしたら許してあげることにするわ」

 お母様はちゃんとお父様のことを好きでいてくださるのに、どうしてあんなに不安なのかしら。

 やっぱり『病気』ね。

「ところで、マキシミリオン王国の国王陛下がお父様の恋敵だというのは本当なのですか?」

「恋敵というか・・・確かに婚約の打診は来たわ。私たちは、アルトナーの学園で共に学んだのよ。卒業式直前に二人から婚約を申し込まれたわ。確かにマキシミリオンの国王陛下はあの頃から格好良くてお優しい素敵な方だったけど、彼には母国に幼馴染の公爵令嬢がいたの」

「幼馴染・・・ですか」

「ええ。別に彼は、二股をかけていたとかではないのよ。私に婚約を申し込んだのは『諦めるため』だと言ったの。私の気持ちが旦那様に向いていることを知っていて、振られても自分には幼馴染がいるから、遠慮なく振っていいと笑っていたわ」

 それは・・・
なんというか、お父様がマキシミリオンの国王陛下に敵わないと思っても無理ないわね。

 中身が素敵すぎだわ。

「確かに、お父様が劣等感を持っても仕方ありませんね」

「まぁ、あの人もまさか、マキシミリオン王国の王子二人が自分の娘に求婚するとは思わなかったんでしょうね。それに、シリル殿下は、お父様によく似てらっしゃるのよ。だから余計に受け入れにくかったのだと思うわ」

「そうなんですか?ならすごくモテたんじゃないですか?お母様も告白されて心が揺れたりしませんでした?」

「ふふふっ。シリル殿下の告白を聞き流したクロエにそんなことを言われるなんてね。私は旦那様のあの、不器用でしつこいくらいの愛情に絆されてしまったのよ」

 そう言いながらも、頬を赤らめるお母様は、少女のようで・・・なんだか私も女としてお母様に負けてる気がするわ。

「そうそう。クロエの元婚約者とそれにくっついていた男爵令嬢だけど」

「確か、アルトナー王国の、西区の街道整備の就労に就いたんですよね?」

「もう、何の役にも立たないというか、文句ばかりで大変らしいわよ」

「・・・でしょうね」

 遊んでばかりだった二人が、真面目に働くとは思っていないわ。

「当然、食事も減らされるから余計動かなくて、周囲から苦情が出てるらしいわ」

「詳しいですね。伯母様情報ですか?」

「ええ。お義兄様・・・王配殿下が監視役として西区に滞在しているらしいわ」

 は?王配殿下がなんで?

「お姉様からの『罰』らしいわ」

「ああ、なるほど」

 今回の婚約は、お父様と王配殿下が決めたものだから、お母様姉妹にそれぞれお仕置きを受けているということね。

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