拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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マキシミリオン王立学園。

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 マキシミリオン王国王立学園。

 十六歳から十八歳までの貴族が通う学園だ。

 学園では成績順にクラスが決められて、たとえ王族であっても成績が悪ければ下位のクラスになるらしい。

 当然、私も編入試験を受けた。

 メルキオール王国では、高位貴族や王族は学園に通わず家庭教師から学ぶ。

 幸いにもアルトナー王国で学園に通えたし、婚約者との交流がなかった分、勉学にも励めたから、下位にはならないと思ったけど・・・

「編入試験、満点だとは思わなかったわ」

 この学園では、試験結果は公表される。

 中間と学期末に試験があって、点数順に名前が貼り出されるのだそう。

 魔道具が発展している国だから、不正はできないようにもなってるし、成績上位者は特典がもらえるらしい。

 廊下に貼り出された、私の編入試験の点数は、五百点。

 五つの科目全てが満点だった。

 中間試験は五科目、学期末試験は九科目あるそうで、三十位以内がSクラスになるようだ。

「これから、クロエと机を並べて授業を受けれるんだ。お昼もたまにでいいから一緒に食べて欲しいな」

「ありがとう。待ってる」

 シリルは、私が令嬢たちから浮かないように、無理強いをしない。

 自国の第三王子殿下の婚約者というふれ込みの私に対して、注目されているのを感じる。

 まぁ、私の容姿はメルキオール王国の王族の色だから、わかる人にはわかると思うけど・・・

 この国にもいるのかしら?
メルキオールの王族の色を知らない貴族の方。

「ごきげんよう、殿下。ご紹介くださるかしら?」

 そう言って声をかけて来たのは、蜂蜜色の髪にエメラルド色の瞳をしたご令嬢。

 すごく大人っぽいし、綺麗だわ。

「ああ。クロエ、彼女はうちの筆頭公爵家のご令嬢でキャリーヌ・フェルゲン嬢。王太子妃殿下の妹君だよ。キャリーヌ嬢、彼女は僕の婚約者のクロエ嬢だ」

 シリルはあえて家名を告げなかった。

 私はこの学園に、クロエ・ルーベンスとして編入している。

 無事?に、伯母様から伯爵位をいただけたのよね。

「ふふっ。お初にお目にかかります。キャリーヌ・フェルゲンですわ。シリル殿下の至宝の宝玉にお会いできて光栄です」

「はじめまして、クロエと申します。アルトナー王国でルーベンス伯爵位を賜っていますわ」

 シリルの至宝の宝玉って・・・

 でも、この様子だと、私とシリルの婚約に関して不満とかはなさそうね。

 筆頭公爵家のご令嬢なら、シリルの婚約者候補になっていてもおかしくないんだけど。

「ふふふっ。ご安心なさって?わたくし、シリル殿下はじゃありませんの」

 あら。
意外にハッキリおっしゃる方ね。仲良くなれそうだわ。


 
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