拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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友人と婚約者。

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 あの後、しばらくシリルの膝の上から下ろしてもらえなかった。

 夢だとか色々言っていたけど、最終的に私がシリルの婚約者として、学園でミリー様と対峙することを許可してくれた。

「浮気する言い訳かもって疑って、嫌いになるかも」

 そう言ったのが、一番効果があったみたい。

 キャリーヌ様にいくつか、秘策を授けていただいていて良かったわ。

 キャリーヌ様は、伯母様の紹介でお会いしたフロイト侯爵様と無事?婚約されたのだそう。

 キャリーヌ様に至っては、年齢のこともそうだけど、フロイト侯爵様のご容姿が好みにドストライクだったとおっしゃっていたわ。

 キャリーヌ様って・・・オジ専?

 オジ専というのは、おじ様世代の方を恋愛的に好きというお若いご令嬢のことを言うのだとか。

 王宮のメイドさんたちが言っていたの。
 不思議な言葉があるのね。

 そのフロイト侯爵様と、今日の午後にフェルゲン公爵邸でお会いすることになった。

 キャリーヌ様ご自身が喜ばれていて、フェルゲン公爵ご夫妻が文句がないのなら、私がどうこういうことはないのだけど。

 ただ、結婚されるとキャリーヌ様はアルトナー王国に行かれることになるし、せっかくなのでお会いすることにした。

「お時間をとっていただき、感謝いたします。アルトナー王国フロイト侯爵家当主のウィリアムと申します。メルキオール帝国の可憐な華、皇女殿下にお会いできて光栄です」

「はじめまして、フロイト侯爵様」

 メルキオール帝国では、お父様である皇帝陛下は輝く太陽。皇帝妃であるお母様は煌めく月。皇女であるお姉様は艶やかな華。そして私は可憐な華と呼ばれていた。

 フロイト侯爵閣下は、淡い金髪にオレンジがかった瞳をした美丈夫だ。

 こういう人をイケオジと言うらしい。

 確かに、お兄様というよりはおじ様という容姿だけど、落ち着きがあって『大人』という感じを受けた。

 私は皇女という立場上、貴族の当主の方の挨拶を受けることもある。

 そういう方たちと比べて、フロイト侯爵閣下はまだお若いけれど、しっかりされていると感じた。

「伯母様・・・アルトナー王国女王陛下にからというわけではありませんね?」

 キャリーヌ様を望んで、とまではいかないのは分かる。

 だって、会ったこともないご令嬢だもの。

 それに、閣下からすれば娘とまではいかなくても姪のような少女。

 それでも、キャリーヌ様を幸せにしたいと、大切にすると言って欲しい。

 だって、キャリーヌ様は大切なお友達だから。

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