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番外編

内緒話《メリッサ視点》

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「今思い出しても、セレスティーナ様と皇太子殿下のご婚礼のお姿は、素敵でしたわ」

 私が繰り返しそう言うと、セレスティーナ様は苦笑されました。

 だって、本当にお美しかったんですもの。絵本の中の王子様とお姫様、そのものでしたわ。

「私のことより、ご自分の式のことをお考え下さい」

「・・・はい」

 恥ずかしくなって俯いてしまいます。
そうなのです。私とローゼンタール公爵家嫡男のカイト様の結婚式は明後日なのです。

 やはり、セレスティーナ様と皇太子殿下との式から1ヶ月後は早すぎましたわ。
 そのせいで、皇太子殿下も妃殿下であるセレスティーナ様もとてもお忙しそうでしたもの。申し訳ないですわ。

「ふふっ。メリッサ様のウエディングドレス姿。お美しいでしょうね。イリーナ様たちとフラワーシャワーいたしますので、楽しみにしていて下さいませね」

「ありがとうございます」

「ああ、そういえば、テレンス公爵子息様からお祝いが届いたとかお聞きしましたわ」

「はい。碧色と紅色の花柄のティーカップをいただきましたわ」

 私の元婚約者であるルシアン・テレンス公爵子息様と、その婚約者になられたラナナ・オットン子爵令嬢様。

 私との婚約解消騒動で、相当公爵様からお怒りを受けたテレンス様ですが、あれからずっと孤児院への奉仕活動を続けられているそうです。

 ラナナ様も、公爵夫人からの教育に根を上げず、今は立派な淑女となられたとか。

 お2人はまだご結婚はされていませんが、あと数年の婚約期間を置いた後、陛下に結婚のお許しをいただくみたいですわ。

 一度は好きになった方です。
好きになられた方と幸せになられるようで、心から安堵しました。

「あ、あの・・・セレスティーナ様にお聞きしたいことがあるのです」

「あら?何でしょうか?」

「あ、あの・・・・・・・・・」

 お聞きしようと、決意して式は明後日だというのにセレスティーナ様の元にやってきましたのに。いざ、お聞きしようとしたら、言葉が出てきません。

「ね・・・」

「ね?」

「ね、ね、閨で私、どうすればよろしいのでしょうかっ」

 何とか言葉を絞り出せましたわ。
忙しい時間を工面して、お忙しいセレスティーナ様のお時間をいただいたのは、結婚式の後の・・・その、カイト様との初夜についてお伺いしたかったのです。

 お母様から閨の教育は受けていますけど、本当に殿方にお任せしていればいいのでしょうか?

 もし、呆れられたらと思うと、不安で仕方なくて、恥をしのんでセレスティーナ様のところへお伺いしたのです。

 カイト様は皇太子殿下と同い年ですし、きっと参考になりますわ。

 そう思ってお聞きしたのですが・・・
どうしましょう。セレスティーナ様が、セレスティーナ様が真っ赤になってしまわれています。

「せ、セレスティーナ様・・・」

「ローゼンタール様にお任せすればよろしいと思います」

「え、あの・・・はい」

 どうしましょう。なんだか、否と言える感じじゃないですわ。

「本当に、初めてだとおっしゃるのが信じられないような手練れですから」

 ええ?皇太子殿下、一体なにをなさったのですか?




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