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兄の怒り発責任の取り方行き
「なら、魔族に害がないか、俺で試してみよう」
アグニス様の言葉に、私はもちろんお兄様たちみんながキョトンとしてしまいます。
はい?試してみようとは?
「な、何を言ってるんだ?アグニス」
「いや、魔族に使ったことがなくて不安なんだろ?なら、詫びも兼ねて、俺が実験台になろうと思ってな」
ユスタフ様の戸惑った声に対して、アグニス様は明朗な様子で答えるのですが・・・
え?そんな簡単に言うことではないと思います。
もしものことがあればどうするんですか。
「ここには、ジルベールもいるし、ユスタフもいる。何なら、アリッサもいるからもしものことがあっても大丈夫だろ。俺に光魔法を使ってみてくれ」
「待て、アグニス。そんな真似をしてお前に何かあれば、ローズの心にキズを負わせることになるだろう」
「むっ?それは気にすることはないぞ、ローズ嬢。もしそうなったとしても俺の自業自得だ」
待ってください。
アグニス様のことよりも私の心配をするお兄様もお兄様ですけど、自業自得って言い切るアグニス様もいかがなものかと思います。
「本当に何が起こるのか分からないのです。もっと色々と調べてから・・・」
「いいえ!ローズ様。アグニス様のおっしゃる通りに、光魔法をお使いください。ただし、アグニス様にではなく私に」
「おいっ、アリッサ・・・」
私がお兄様に抱かれたまま首を横に振って拒むと、アリッサ様がテーブルに近付き、その右手にご自分でケーキに添えてあったフォークを突き刺しました。
ポタポタと落ちる血に、思わずお兄様の腕から飛び降ります。
「アリッサ様っ!血が・・・」
「この傷が酷くなろうと、いえ、この体が二度と目覚めなくなろうと、決してローズ様を責めるようなことはありません。そうですよね?アグニス様!」
「アリッサ・・・あ、ああ。全ての罪は俺にある。これがボトルゴード式の詫びの入れ方だ。頼む、ローズ嬢。アリッサの覚悟を無碍にしないでくれ」
確かに、アグニス様は軽率な発言をされたかもしれません。
ですが、何が起こるか分からないようなことの実験台にならなければならないほどのことではないはずです。
だというのに、アグニス様もアリッサ様も・・・
「・・・ジルベールお兄様。もしも光魔法が魔族の方に害を及ぼすようなことがあれば・・・私の魔法を封印してください。お兄様とユスタフ様がいらっしゃれば、何とかなりますよね?」
「ローズ嬢、それは・・・」
「私はまだ六歳の子供ですが、魔王ジルベールの妹として、ちゃんと責任は取りたいと思います」
それがローズとして、そしてヴァイオレットとしての矜持です。
アグニス様の言葉に、私はもちろんお兄様たちみんながキョトンとしてしまいます。
はい?試してみようとは?
「な、何を言ってるんだ?アグニス」
「いや、魔族に使ったことがなくて不安なんだろ?なら、詫びも兼ねて、俺が実験台になろうと思ってな」
ユスタフ様の戸惑った声に対して、アグニス様は明朗な様子で答えるのですが・・・
え?そんな簡単に言うことではないと思います。
もしものことがあればどうするんですか。
「ここには、ジルベールもいるし、ユスタフもいる。何なら、アリッサもいるからもしものことがあっても大丈夫だろ。俺に光魔法を使ってみてくれ」
「待て、アグニス。そんな真似をしてお前に何かあれば、ローズの心にキズを負わせることになるだろう」
「むっ?それは気にすることはないぞ、ローズ嬢。もしそうなったとしても俺の自業自得だ」
待ってください。
アグニス様のことよりも私の心配をするお兄様もお兄様ですけど、自業自得って言い切るアグニス様もいかがなものかと思います。
「本当に何が起こるのか分からないのです。もっと色々と調べてから・・・」
「いいえ!ローズ様。アグニス様のおっしゃる通りに、光魔法をお使いください。ただし、アグニス様にではなく私に」
「おいっ、アリッサ・・・」
私がお兄様に抱かれたまま首を横に振って拒むと、アリッサ様がテーブルに近付き、その右手にご自分でケーキに添えてあったフォークを突き刺しました。
ポタポタと落ちる血に、思わずお兄様の腕から飛び降ります。
「アリッサ様っ!血が・・・」
「この傷が酷くなろうと、いえ、この体が二度と目覚めなくなろうと、決してローズ様を責めるようなことはありません。そうですよね?アグニス様!」
「アリッサ・・・あ、ああ。全ての罪は俺にある。これがボトルゴード式の詫びの入れ方だ。頼む、ローズ嬢。アリッサの覚悟を無碍にしないでくれ」
確かに、アグニス様は軽率な発言をされたかもしれません。
ですが、何が起こるか分からないようなことの実験台にならなければならないほどのことではないはずです。
だというのに、アグニス様もアリッサ様も・・・
「・・・ジルベールお兄様。もしも光魔法が魔族の方に害を及ぼすようなことがあれば・・・私の魔法を封印してください。お兄様とユスタフ様がいらっしゃれば、何とかなりますよね?」
「ローズ嬢、それは・・・」
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それがローズとして、そしてヴァイオレットとしての矜持です。
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