聖女の地位も婚約者も全て差し上げます〜LV∞の聖女は冒険者になるらしい〜

みおな

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依頼

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 結局ギルドに目ぼしい依頼はなく、次の街へ移動することにした。

 ボルダーの街から街道を使えば馬車で一日、最短距離だと四時間のところにアルプロという街がある。

 この時間の誤差には当然理由があり、それがというところにある。

 ボルダーとアルプロの間には、魔物の生息する森が存在した。

 その森を迂回するから一日かかるのだ。

 まぁ、冒険者の、Cランクくらいなら数人でパーティーを組めば勝てるらしいが、倒しても倒しても魔物は発生するらしく、たまにとてつもなく強い魔物も出るという噂があって、森にわざわざ立ち入ろうとする人間はいないらしい。

 いくら私がある程度魔法に自信があるといっても、森を突っ切るつもりはない。

 病み上がりのクロを危険に晒したくはないし、幸いにもボルダーとアルプロの間には安い乗合馬車が出ているからだ。

 アルプロの街は、帝都に次いで大きな街らしく、人の多さに驚いてしまう。

 乗合馬車を降り、ギルドに向かう。

 アルプロのギルドは大きな建物で、中は多くの冒険者がいた。

 朝イチというわけでもないのに、思っていたより多い。

 理由はすぐに分かった。

 依頼板に貼られた依頼、その中にちょっと特殊なものがあったのだ。

《アルプロの森の調査》

 ここで何かの魔物の討伐でないところがポイントだ。

 調査ということは、何かの異変が起きているということで、調査の割にランク指定がC以上と付いているのも重要だ。

 あー。でもC以上か。
残念ながら昨日冒険者登録したばかりの私には、参加資格すらない。

 依頼板に貼られた依頼を眺めていて、ふと目が止まる。

《アルプロの森調査隊の後方支援》

 後方支援とは、戦闘が起きた時の治癒や怪我人の保護、撤退の際の手助けなどを行う。

 全くの素人ではなく、治癒のための看護が出来たり、撤退手助けのための攻撃魔法が使える必要がある。

 ランクはFからなのは、同じ後方支援でも調査隊に近い部隊と遠い部隊があるからだ。

 これに私が志願した場合、見た目も手伝って一番遠い部隊に入れられるだろう。

 もし私が先頭近くに移動した場合、何も起こらなくてもギルドからペナルティーが課せられる。

 私自身が怪我をしても私の自己責任だし、他の人が私を庇って怪我をすればその責任も生じる。

 正直言って森の異変は気になるが、ペナルティーを負ってまで依頼に参加する必要がない。

 どうしても気になるなら、夜にひとりで行けば良い話だ。

 私は残っている依頼から、薬草の採取を選択した。



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