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クロはどうしたい?
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「ケット・シーではない、何か、か」
皇帝陛下はふぅ、とため息を吐いた。
いや、そんなお前が余計なことをするから的な顔をしないで欲しい。
瀕死の子猫を救わない理由なんてないでしょ。
「聖女のことは、我が国ではあまりよく知られていない。色々と文献とかで調べてみるが、ティアラからも聞かせて欲しい」
「えーと、それはしばらく滞在しろと?」
「別に聖女として働けなどと言ったりしない。クロがケット・シーでなくなったことで、何か体調に異変があっても困るだろう?キチンと調べておいた方が良い。それに、ナイトは本当にクロのことを心配していた。しばらく親子水入らずにしてやって欲しい」
ゔう。それを言われると、断れない。
私にとってクロは、たった一人の家族。
クロにとっては、ナイトがたった一人の家族だもの。
それにナイトにしても、奥さんがどうなったかも分からなくて、残された子供のクロがケット・シーでなくなって意思疎通ができなくなったこと、心配よね。
それに、聖女として働けと言われていない。
それなら、私の聖女の力について話して、クロのためになることをするべきよね。
「クロ。クロはナイトと一緒にいたい?」
「にゃ?にゃー」
うん。分からない。
分からないけど、否定ではない気がする。
「わかりました。クロのことがわかるまでお世話になります。それから、私のことはティアと呼んでください。ギルド登録もそれでしていますから」
「ああ、わかった。とりあえず、明日から話を聞かせてくれ。部屋に案内させよう。アルヴァン。ティアを客室へ」
「かしこまりました。ティア様、こちらへ」
「はい。クロ、どうする?ナイトといる?」
アルヴァン様のあとをついて行こうとして、振り返りクロに尋ねる。
クロの言葉はナイトには伝わってないみたいだけど、クロはナイトの言ってること分かってるみたいだし、積もる話?もあるかもしれないし。
「みぃー」
でも、クロは私の方は駆け寄ってくると、ヨジヨジと服をよじ登って来た。
ああっ!可愛い。
どうしよう。クロがナイトの元に残ることになったら。
平民の冒険者が、皇帝陛下の住むお城に出入りなんて許してもらえないよね。
クロがいてくれなくなったら・・・
私、またひとりぼっちになるんだ。
でも。
それをクロに言っちゃダメだ。
クロはやっと家族に会えたんだから。
クロは私の家族になってくれたんだから、クロの幸せを考えよう。
聖女の力を少し貸したら・・・クロに時々会わせてくれたりするかな。
うん。
明日、力の話をした時に頼んでみよう。
皇帝陛下はふぅ、とため息を吐いた。
いや、そんなお前が余計なことをするから的な顔をしないで欲しい。
瀕死の子猫を救わない理由なんてないでしょ。
「聖女のことは、我が国ではあまりよく知られていない。色々と文献とかで調べてみるが、ティアラからも聞かせて欲しい」
「えーと、それはしばらく滞在しろと?」
「別に聖女として働けなどと言ったりしない。クロがケット・シーでなくなったことで、何か体調に異変があっても困るだろう?キチンと調べておいた方が良い。それに、ナイトは本当にクロのことを心配していた。しばらく親子水入らずにしてやって欲しい」
ゔう。それを言われると、断れない。
私にとってクロは、たった一人の家族。
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それにナイトにしても、奥さんがどうなったかも分からなくて、残された子供のクロがケット・シーでなくなって意思疎通ができなくなったこと、心配よね。
それに、聖女として働けと言われていない。
それなら、私の聖女の力について話して、クロのためになることをするべきよね。
「クロ。クロはナイトと一緒にいたい?」
「にゃ?にゃー」
うん。分からない。
分からないけど、否定ではない気がする。
「わかりました。クロのことがわかるまでお世話になります。それから、私のことはティアと呼んでください。ギルド登録もそれでしていますから」
「ああ、わかった。とりあえず、明日から話を聞かせてくれ。部屋に案内させよう。アルヴァン。ティアを客室へ」
「かしこまりました。ティア様、こちらへ」
「はい。クロ、どうする?ナイトといる?」
アルヴァン様のあとをついて行こうとして、振り返りクロに尋ねる。
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「みぃー」
でも、クロは私の方は駆け寄ってくると、ヨジヨジと服をよじ登って来た。
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私、またひとりぼっちになるんだ。
でも。
それをクロに言っちゃダメだ。
クロはやっと家族に会えたんだから。
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聖女の力を少し貸したら・・・クロに時々会わせてくれたりするかな。
うん。
明日、力の話をした時に頼んでみよう。
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