聖女の地位も婚約者も全て差し上げます〜LV∞の聖女は冒険者になるらしい〜

みおな

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とりあえず一件落着

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 魔獣の核である魔石は、シキに取ってもらった。

 だって、キモいと思ったら触りたくなくなったんだもん。

 その間に私は土壌に癒し魔法をかけた。

「こっちは終わったが、ガワはどうする?」

「ギルドに討伐の証拠として出します?でも、依頼は土壌調査だったから必要ないですかね」

 頑丈っぽいから、防具とかに加工できる・・・かも。

「説明するのが面倒だな。王宮で買い取るか」

「使い道あります?」

「なければその時に粉砕するさ。それより癒し魔法は終わったのか?」

「あ、はい。がっつりかけちゃうと、病気とかに弱くなっちゃうんで、ほどほどにしてます」

 人間もそうだけど、あまり癒しの力に頼りすぎると、自己免疫力が下がってしまう。

 癒すのは簡単だけど、先のことを考えたら、癒しすぎて今年は豊作!とかにしない方が良いのだ。

「そうか。じゃあ、帰るか」

「はい」

 今回のことで、改めて分かったことがある。

 やっぱりシキとだと、戦いやすい。
実力が高いのもあるけど、一々説明しなくても、理解度が高い。

 皇帝陛下なことがかえすがえすも惜しい。

「そういえば、シンクレアの教皇がラプラスに現れたらしいぞ」

「は?何しに・・・って、私を探してるんですよね?」

「それもあるだろうが、魔獣討伐の手助けをして欲しいと言ってるそうだ。クラウドが断ると喚き散らしていたらしい。問答無用で国から叩き出したと言っていた」

 ああ。何となくわかる。
きっと上から目線の、偉そうな物言いをしたんだろうなぁ。

「国民はどうしてます?」

「平民は、ラプラスとグレイ王国へ流れているようだ。指示通りに貴族が来ても拒んでくれているそうだ。現在、シンクレア王国は、魔獣の巣窟になっている。早急にグレイ王国やラプラス、アーバンラマに結界石を設置しなくてはならないだろう」

 今まで聖女の結界に甘えていたシンクレア王国だから、魔獣側からしたら『餌』が弱く肥え太って見えるのだろう。

 特にグレイ王国に、結界を急いで張る必要がありそうだ。

「シンクレア王国に行けば、すぐに魔石貯まりそうですけどね」

「そうだな。だが、姿を見せるのは危険だろう」

「ま、王族とかが滅んでから魔獣は一掃することにしましょう」

 私は彼らが、聖女がいなくなって結界がなくなったことでような人間だと思っていない。

 彼らは多分、死ぬその時まで「逃げたアイツが悪い」と私を恨むだろう。

 そして私は、心の中まで『聖女』ではないので、ずっと道具として扱われてきたのだから、彼らに人としての情など感じない。



 
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