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魔国宰相の困惑2《レイ視点》
ラーミア様の中にいるというシャーミアという人間ー
その令嬢の話だと言う内容に、言葉が出てこない。
首が転がったところは残念ながら見ていない?当たり前だ。それで生きていたら、魔族だろう。
魔族とて、不死ではない。
何度も死んで幼生として生まれ変わるフェニックスでもいずれはそのまま死を迎える。
首を刎ねられても死なない種族はあるが、四肢を業火で焼き尽くせば死ぬ。
我々は人間よりも遥かに長い時を生きる。だが、決して無敵なわけではない。
我々は基本、病にかからない為、ある意味人間よりも病に弱いのだ。
自分の不貞を棚に上げて、婚約者の首を切り落とすような人間のほうが、よっぽど図太く恐ろしい存在のような気がする。
「ずいぶんと・・・飄々とされたご令嬢のようですね」
「いや・・・あれは虚勢だ。婚約者だけでなく家族にも蔑ろにしれていたらしい。虚勢を張らねば立ってさえいられなかったのだろう」
「家族にもですか」
「ああ。寂しかったと泣いていた。自分は要らない子なのかと。5歳からずっとその状態だったそうだ。自分の心を守るために、虚勢を張る術を覚えたのだろう」
5歳ー
本当なら、親に甘やかされ過ごしていてもおかしくない年齢だというのに。
本当に、人間というものは我々には予想もつかないものだ。
「レイ」
「はい。理解しております」
ジルベルト魔王陛下は、そのシャーミアというご令嬢がどうなったのか、それを調べろとおっしゃるのだろう。
「それから、何故ラーミアの体に入ったのか、そのあたりも調べてくれ。シャーミアとシャーリー同伴なら部屋の中を調べても構わん」
「かしこまりました」
「シャーリーにもラーミアの中にシャーミアがいることは話す」
「よろしいのですか?」
シャーリーは、ラーミア様の護衛兼侍女だ。
確かに話しておいた方が妙な違和感は抱かれないだろうが、魔族の中には人間を嫌う者もいる。
それに、中身が人間だとわかれば、ラーミア様を守ろうとする気が薄れたりしないだろうか。
「シャーミアがそう望んだ。自分を守ってくれるシャーリーには、正直に話しておきたいそうだ。心配はいらない。シャーミアはどこか人を惹きつけて離さないところがある。驚きはするだろうが、シャーリーはミアを守ってくれる」
ジルベルト魔王陛下がそう断言するのだ。間違いないのだろう。
ならば、私のするべきことは、早急にオベウス王国のシャロン公爵家の調査だ。
その結果を確認してから、ラーミア様のことをお調べしよう。
今後の予定を頭の中で立てると、私は頭を下げて陛下の前から辞した。
その令嬢の話だと言う内容に、言葉が出てこない。
首が転がったところは残念ながら見ていない?当たり前だ。それで生きていたら、魔族だろう。
魔族とて、不死ではない。
何度も死んで幼生として生まれ変わるフェニックスでもいずれはそのまま死を迎える。
首を刎ねられても死なない種族はあるが、四肢を業火で焼き尽くせば死ぬ。
我々は人間よりも遥かに長い時を生きる。だが、決して無敵なわけではない。
我々は基本、病にかからない為、ある意味人間よりも病に弱いのだ。
自分の不貞を棚に上げて、婚約者の首を切り落とすような人間のほうが、よっぽど図太く恐ろしい存在のような気がする。
「ずいぶんと・・・飄々とされたご令嬢のようですね」
「いや・・・あれは虚勢だ。婚約者だけでなく家族にも蔑ろにしれていたらしい。虚勢を張らねば立ってさえいられなかったのだろう」
「家族にもですか」
「ああ。寂しかったと泣いていた。自分は要らない子なのかと。5歳からずっとその状態だったそうだ。自分の心を守るために、虚勢を張る術を覚えたのだろう」
5歳ー
本当なら、親に甘やかされ過ごしていてもおかしくない年齢だというのに。
本当に、人間というものは我々には予想もつかないものだ。
「レイ」
「はい。理解しております」
ジルベルト魔王陛下は、そのシャーミアというご令嬢がどうなったのか、それを調べろとおっしゃるのだろう。
「それから、何故ラーミアの体に入ったのか、そのあたりも調べてくれ。シャーミアとシャーリー同伴なら部屋の中を調べても構わん」
「かしこまりました」
「シャーリーにもラーミアの中にシャーミアがいることは話す」
「よろしいのですか?」
シャーリーは、ラーミア様の護衛兼侍女だ。
確かに話しておいた方が妙な違和感は抱かれないだろうが、魔族の中には人間を嫌う者もいる。
それに、中身が人間だとわかれば、ラーミア様を守ろうとする気が薄れたりしないだろうか。
「シャーミアがそう望んだ。自分を守ってくれるシャーリーには、正直に話しておきたいそうだ。心配はいらない。シャーミアはどこか人を惹きつけて離さないところがある。驚きはするだろうが、シャーリーはミアを守ってくれる」
ジルベルト魔王陛下がそう断言するのだ。間違いないのだろう。
ならば、私のするべきことは、早急にオベウス王国のシャロン公爵家の調査だ。
その結果を確認してから、ラーミア様のことをお調べしよう。
今後の予定を頭の中で立てると、私は頭を下げて陛下の前から辞した。
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