転生先は魔王の妹?〜蕩けるほど愛される〜

みおな

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魔王配下侍女の怒り2《シャーリー視点》

「さあ!シャーミア様。何もかもお話し下さい!」

 とにかく全てを聞かないことには納得できません。
 私が鼻息荒くそう言うと、シャーミア様は、ふふっと微笑われました。笑い事ではないでしょう。

「笑い事ではありません」

「ごめんなさい。あまりにもお兄様もシャーリーも優しいものだから。少し嬉しくなってしまったのよ。そうね。何から話せばいいかしら。私はね、公爵家の娘で、5歳の歳にオベウス王国王太子殿下の婚約者に選ばれたの。貴族の娘ですもの、政略結婚は仕方ない。そう思っていたわ」

 確かに、人間の世界では家と家の繋がりのために結婚すると聞いたことがあります。
 我々が種を保つために近親婚を重ねるのが当たり前のように、人間の世界では政略結婚が当たり前みたいです。

「だから、学園に入学して、婚約者に他に好きな方が出来た時、今だけは自由にさせてあげたいって思ったわ。オベウス王国では、公爵家以外は娶れないの。そのお相手は公爵家の方じゃなかったから」

「悲しくなかったんですか?」

「私は婚約者に、恋をしていたわけじゃないもの。ただ、王命の婚約に従っただけ。でも婚約者は、その彼女を妻にしたかったみたい。私に婚約破棄を突きつけて、近衛に首を刎ねろと告げたのよ」

 なんて事を!
仮にも王太子ともあろう者が、その婚約の意味も理解していないなんて。

 しかも話を聞く限り、シャーミア様は何もなさっていないご様子。その方の首を刎ねた?

「悔しくないのですか?それに、ご家族は何もおっしゃらなかったのですか?」

 いくら相手が王太子とはいえ、自分の娘がこうもコケにされて黙っているなんてないはずです。

 ですがシャーミア様は、先ほど婚約者に首を刎ねられたと言った時の何倍も寂しそうに微笑まれました。

「お父様とお母様にとって、大切な家族は妹だけなの。私はいてもいなくても同じ。きっと死んでも悲しまれなかったと思うわ」

「そんなの・・・親じゃない」

「ふふっ。私は・・・お兄様のもとに来るために生まれてきたのですって。お兄様にそう言っていただけて・・・私、初めて生まれてきて良かったって思えたわ」

 私には、シャーミア様の悲しみのほんの一部しか分かりません。
 きっと、この方が口に出されたことは、この方の中にある悲しみの、ほんのひとかけらなのでしょう。

 魔王陛下のお気持ちがわかります。
この方には、笑顔でいて欲しい。そのためなら、何でもしてあげたい。

 少なくとも「生きていたい」そう思って欲しい。

 私は改めて、この方を私の全てをもってお守りしたい。
 心から、そう思ったのです。
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