転生先は魔王の妹?〜蕩けるほど愛される〜

みおな

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魔国宰相の報告《ジルベルト視点》

「ご報告申し上げます」

 そう言って、目の前にレイが姿を見せたのは、ラーミアの中のシャーミアのことを話した翌朝のことだった。

 相変わらず、仕事が早い。
手元の書類の中には、私が知りたいことは全て、記されているのだろう。

 口うるさいが、完璧主義者のレイは、私のなくてはならない右腕だ。

「どうだった?」

「まず、シャーミア・シャロン様ですが、パーティー会場で王太子の側近である近衛の手によって、間違いなく首を落とされていました。しかも、王太子はシャーミア様の遺体を近衛に命じて国境近くの森へと遺棄しています」

「!」

「当時、パーティー会場にいたのは、王太子やシャーミア様と同級の子供たちですが、王太子が緘口令を強いています。次は我が身と恐れた者たちは、全員口を噤んでいるようです」

 王太子を敵に回せば、確かに次は我が身と恐れるのは無理はない。
 だが、誰ひとりとしてシャーミアのことを思う奴がいなかったというのか?

 人間とはそんなに愚かな者なのか?
あの、苦しかったと涙を流した少女の何が悪かったというのだ?

「それから、シャロン公爵家ですが、王太子側からシャーミア様失踪との知らせに、一応は探索隊を出しましたが、形だけのようで、王都近郊を適当に探しているだけのようです」

「シャーミアがいなくなったことに関しては?」

「公爵も夫人も、何とも思っていないようです。むしろ、手間をかけさせられて迷惑という感じで。本当に・・・妹君だけがいればいいような印象を受けました」

 報告を聞けば聞くほど、怒りがおさまらない。
 魔力暴走を起こした時用に、この部屋の壁などは強化されているが、既にテーブルや家具は粉々に砕けている。

「陛下。お気持ちは理解しますが、部屋は壊さないで下さい。シャーミア様が驚かれます」

「・・・わかっている」

 呆れたように言うレイに、深く息を吸って、魔力の荒れを宥める。

「次に、王家ですが、ここの国は駄目ですね。オベウスの国王は王太子に激甘で、言いなりです。王太子の嘘を調査もせずにそのまま信用して、シャーミア様が見つかり次第、王家を裏切った罪で裁くとか何とか言っていました」

「シャーミアの遺体は?」

「申し訳ありません。探索までの時間があったために、もう・・・森には獣がおりますゆえ」

 何故、そんな目にあわなければならない?

 婚約者に殺され、親に愛情すら注がれず、行方不明になってもろくに探してももらえない。
 遺体を荼毘に付すことすらしてもらえず、誰もその理不尽を口にしない。

 そんな者たちに生きている価値などあるというのか?


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