転生ガチャで悪役令嬢になりました

みおな

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毎日、お砂糖ザッグザグ

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「ルミィ。ほら、あーん」

「ルミナス。このアメジストのイヤリング。君の銀の髪に良く映える」

「可愛いルミィ。この青いドレスと紫色のドレス。どっちが好きかな?いや、どうせだから両方とも着て出かけようか」

 毎日、毎日、コンフェルト公爵家にやってくる王太子殿下。

 そして、毎日毎日、毎回毎回、私を甘やかしてくる。

 しかも、蕩けそうな笑顔で。
目がつぶれる。美しすぎて。おまけに甘すぎて、胸焼けしそうだ。

 毎日毎回、膝の上に座らされて。
髪を撫でられながら、甘い言葉をかけられる。

 人間というものは、慣れるものなんだって痛感した。

 両親がいても、クリストフ様の膝の上に座ることが、普通?定番?当たり前?になってしまった。

 最初の頃こそ恥ずかしくて、とにかく下ろしてもらおうとしてた私だけど、何をしたところで下ろしてもらえず、抵抗すればするほど、甘さは増していき、もっとひどい砂糖の海に沈められた。

 だから、私は学習したのだ。
私をとことん甘やかすクリストフ殿下に抵抗するべきではない、と。
 そして、何かを求めたい時には・・・

「ね、クリス様・・・」

「ん?何かな?可愛いルミィ」

「あのね、このあいだのイヤリングのお礼にね、ハンカチに刺繍したの。ちゃんと渡したいから、お膝から下ろして?」

 クリスという愛称呼びの上に、絶妙な上目遣いと甘えた口調、そして、手作りのプレゼントという3段コンボを決めれば、クリストフ殿下は渋々だけど、膝から隣の席(それでも膝がくっつきそうな距離だけど)に私を下ろしてくれた。

 侍女に買ってきてもらった白いハンカチに、藍色と銀糸で刺した剣の刺繍。

「あんまり上手じゃないですけど。素敵なイヤリング、ありがとうございました」

「可愛いルミナスのお手製。額に飾っておくよ」

「や、やめて欲しいです。あの。もっと上手く出来るようにまた刺繍しますから、普段使いでお願いします」

 額はやめて。
他の人に、額に飾られた拙い刺繍見られた日には、軽く死ねるから。

 この人、割と本気で言ってるから、ちゃんと否定しないと大変なことになるのよね。

「ルミィがそう言うのなら。でも、絶対に約束だよ?僕の使うハンカチは、ルミィが全部、刺繍して?」

「全部、ですか?」

「うん、全部。そしたら額には入れない」

 おかしい。
確かにまた刺繍するとは言ったけど、どうして、クリストフ殿下の使うハンカチ全部に刺繍することになってるの?

 いや。あのイヤリングの値段を考えれば、ハンカチの10枚や20枚、刺繍すべきかもしれない。

 私は大人しく、殿下と『約束』することにした。
 刺繍くらいは頑張ればいい。
私を異常に甘やかすこの王太子殿下を、少しでも喜ばせることができるのだから。





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