私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜

みおな

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4.どこかおかしい気がします

 翌月、いつも通りに王宮でウィリアム殿下とのお茶会が開かれた。

 いや、ではないのかもしれない。

 いつもは会えなかった間に起きたことを話してくれて、私のことも色々と聞いてくれていたウィリアム殿下。

 だけど、今日のウィリアム殿下はどこかおかしかった。

「ウィリアム様・・・体調でも悪いのですか?それとも、私なにか失礼なことを申し上げましたでしょうか」

「・・・」

「ウィリアム様?」

「え、あ、ああ。すまない。聞いてなかった。なんだって?」

 申し訳なさそうにそう言うウィリアム殿下に、私は首を横に振った。

「お忙しくて、お疲れなのでしょう?今日はここまでにいたしましょう」

「いや、しかし・・・分かった、すまない」

 一旦、引き留めようとして、ウィリアム殿下は思い直したように謝罪された。

 これも今までになかったこと。

 今までどれだけ体調が悪くても、ウィリアム殿下が私とのお茶会を早く切り上げようとすることはなかった。

 どう見ても熱があって、後ろで侍従が心配そうにしていても、お茶会をやめようとしない。

 私がどれだけお願いしてもやめず、最後には王妃様が「アイシュにうつったらどうするの!」と言われてようやくお茶会が途中で切り上げられたことがある。

 あの後、殿下は三日寝込まれた。

 そのことがあって、月に二回お茶会をすることになったのだ。

 それなら体調を崩したからといって無理せずとも、半月後には会えるから、ということで。

 それほどまでに私と会うことを楽しみにしてくれていたウィリアム殿下が、半月前のお茶会で会えていないのに、今回まで早々に切り上げることに異を唱えないなんて。

 私は、何か言いようもない不安を感じた。

 それでも、にこやかにウィリアム殿下に微笑みかける。

「それでは、王妃殿下にご挨拶させていただいた上で、帰らせていただきます。次のお茶会を楽しみにしております」

「あ、ああ」

 今までのウィリアム殿下なら、王妃様のところまで、エスコートしてくれただろう。

 だけど、この日のウィリアム殿下は椅子から立ち上がっただけだった。

 使用人の方に前触れは出していただいたので、私はそのまま王妃様の執務室へと足を運ぶ。

「まだウィリアムとのお茶の時間ではなかったの?」

「はい。ですが、少し体調がすぐれないのでお暇させていただくことにしました」

 前回のお茶会に殿下が来られなかったこともあるので、今回もウィリアム殿下の体調が悪いとは言いたくなかった。

 私の言葉に、王妃様は気遣って下さり私は王宮を辞した。

 私が退出した後、王妃様が侍女に何か指示していたことを私が知る由もなかった。
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