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王太子と婚約者がお似合いな件
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「綺麗だな・・・」
思わずこぼれた言葉に、周囲が微笑ましそうな生温かい目で自分を見ていることに、ラインハルトはその耳を赤くした。
王太子の執務室。
王太子教育の途中で、休憩のために窓際に立った時、眼下に婚約者であるルーナ・ヴァレリア公爵令嬢の姿が見えたのだ。
父であるゼルビア辺境伯の妻、つまりラインハルトの母親は、前国王陛下の妹。
つまり、現王妃殿下の叔母である。
女性が王位を継げないために女王となってはいないが、従姉は正統な王族である。
その従姉の息子であるダミアンがやらかした。
婚約者がいながら、別の女性を抱き寄せ婚約破棄を宣言する。
婚約者のご令嬢がイジメを行っていたと、他の貴族たちの前で冤罪を叫ぶ。
あんな馬鹿じゃなかったはずなのに、どこを間違えたのか。
二人きり、せめて王家の人間だけの前なら、婚約はなくなるが謝罪してどうにか収められたのに、何を思って自身の誕生日パーティーで宣言したのだか。
その小娘が平民で、しかもダミアンの婚約者であるヴァレリア公爵令嬢の持ち物を盗んでいた罪人となると・・・
王妃殿下も、廃籍する以外手はなかったのだろう。
それによって、辺境伯を継いでいたラインハルトは王太子になるようにと言われた。
それはまぁ、やむ得ないことと諦めた。
本当は頭より体を動かす方が性に合っているが、従姉や従兄の気持ちを考えると受け入れるしかなかった。
だがまさか、十一歳も年下の婚約者ができるとは思わなかった。
いや。
彼女が身分も能力もどれもが、王太子妃として相応しいとは理解しているが。
王家の血筋にさえこだわらなければ、もっと相応しい相手が彼女にならいるだろう。
だが、ルーナはラインハルトが良いという。
初恋の相手であるラインハルトと婚約できて心から嬉しい、と。
そしてラインハルトも、ルーナに心惹かれた。
ラインハルトの初恋は、従姉であるキャスリーンだ。
その初恋は実らず、両親もラインハルトに政略結婚を求めなかった。
従兄のことは国王として頑張っていると思うし、あのキツい性格の従姉と仲良くやっているところも尊敬している。
だから、初恋だといってももう終わったことで、両親はああ言っているがそろそろ身を固めなければと考えていた。
しかしまさか、あんな愛らしく美しい令嬢の婚約者になるとは思っていなかった。
十一歳も年下の婚約者を溺愛し始めたラインハルトに、周囲はとても好意的だ。
国王夫妻には申し訳ないが、好きな子に意地悪をして悲しむ顔を見たがるような子供は、ルーナには相応しくない。
それが王宮勤めの総意であった。
思わずこぼれた言葉に、周囲が微笑ましそうな生温かい目で自分を見ていることに、ラインハルトはその耳を赤くした。
王太子の執務室。
王太子教育の途中で、休憩のために窓際に立った時、眼下に婚約者であるルーナ・ヴァレリア公爵令嬢の姿が見えたのだ。
父であるゼルビア辺境伯の妻、つまりラインハルトの母親は、前国王陛下の妹。
つまり、現王妃殿下の叔母である。
女性が王位を継げないために女王となってはいないが、従姉は正統な王族である。
その従姉の息子であるダミアンがやらかした。
婚約者がいながら、別の女性を抱き寄せ婚約破棄を宣言する。
婚約者のご令嬢がイジメを行っていたと、他の貴族たちの前で冤罪を叫ぶ。
あんな馬鹿じゃなかったはずなのに、どこを間違えたのか。
二人きり、せめて王家の人間だけの前なら、婚約はなくなるが謝罪してどうにか収められたのに、何を思って自身の誕生日パーティーで宣言したのだか。
その小娘が平民で、しかもダミアンの婚約者であるヴァレリア公爵令嬢の持ち物を盗んでいた罪人となると・・・
王妃殿下も、廃籍する以外手はなかったのだろう。
それによって、辺境伯を継いでいたラインハルトは王太子になるようにと言われた。
それはまぁ、やむ得ないことと諦めた。
本当は頭より体を動かす方が性に合っているが、従姉や従兄の気持ちを考えると受け入れるしかなかった。
だがまさか、十一歳も年下の婚約者ができるとは思わなかった。
いや。
彼女が身分も能力もどれもが、王太子妃として相応しいとは理解しているが。
王家の血筋にさえこだわらなければ、もっと相応しい相手が彼女にならいるだろう。
だが、ルーナはラインハルトが良いという。
初恋の相手であるラインハルトと婚約できて心から嬉しい、と。
そしてラインハルトも、ルーナに心惹かれた。
ラインハルトの初恋は、従姉であるキャスリーンだ。
その初恋は実らず、両親もラインハルトに政略結婚を求めなかった。
従兄のことは国王として頑張っていると思うし、あのキツい性格の従姉と仲良くやっているところも尊敬している。
だから、初恋だといってももう終わったことで、両親はああ言っているがそろそろ身を固めなければと考えていた。
しかしまさか、あんな愛らしく美しい令嬢の婚約者になるとは思っていなかった。
十一歳も年下の婚約者を溺愛し始めたラインハルトに、周囲はとても好意的だ。
国王夫妻には申し訳ないが、好きな子に意地悪をして悲しむ顔を見たがるような子供は、ルーナには相応しくない。
それが王宮勤めの総意であった。
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