婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜

みおな

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第1章

悪役令嬢になったなら

 第2王子の婚約者、ヴィヴィ・ヴァレリア公爵令嬢。それが、転生した私の新しい姿。

 真っ直ぐに伸びた銀髪に、銀の瞳。白い肌は雪のようで、熟れたサクランボのような唇はとても愛らしい。
 まだ15歳だというのに、出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んだ、なんていうか破廉恥な体型のご令嬢は、乙女ゲームの中で悪役令嬢と呼ばれる役どころだ。

 うん。悪役令嬢が美人なのはテッパンだよね。
 しかも、頭も良くて、魔力もたくさんあるってのが当然のオプション。

 うーん。何をどうしたら、この美人を捨てて、平民の女の子に走るかなぁ。

 大体、平民のヒロインを王子妃にできるわけないことくらい、分かりそうなものだよね?

 どう考えても、婚約破棄した時点で、廃籍されると思うんだけど。

 別に、第2王子のサイード・エトワール様のことは好きでもなんでもないし、前世でも推しでもなんでもなかったから、婚約解消は構わないんだけど。
 でも、冤罪かけられるのはごめんだわ。ヴァレリア公爵家にも迷惑かかっちゃうし。

 でも、もうヒロインと攻略対象たちは出会ってるっぽいのよね。
 乙女ゲームの時間軸的にも、出会いイベントは終わってる時期だし。

 ヒロインって、やっぱり転生者なのかなぁ。そうしたら、逆ハー狙ったりしてくるかもしれない。

 なんかやだなぁ。関わりたくない。
でも、電波系だったら、絶対絡んでくるよね。

 そして、人を悪魔みたいに、酷い人呼ばわりするのよ。

 考えれば考えるほど、酷い話だ。
家と家の関係で選ばれた婚約者に、いくら他に好きな人ができたからと言って、婚約破棄され、あげくに冤罪をかけられ断罪までされる。

 相手が平民だし、今流行りの真実の愛を見つけたのだとでも言うのかな?

 それともその平民のヒロインを聖女だとでも?

 乙女ゲームの内容を思い出してみる。
聖女・・・聖女・・・。うん。違うわ。そんな設定はない。

 ということは、単に好きになるってことなのか。

 スマホの画面の中で、ヒロインを傍らに抱き寄せながら、婚約者を罵る第2王子の顔を思い出す。

 はっきり言って、不快。

 ゲームの中なら、許せるものではある。だって、操作しているのはヒロインで、つまりは私は奪う側なわけだ。

 乙女ゲームとはそういうもので、何をどうしたら婚約者のいる相手と交際することになるのか、甚だ不思議ではあるのだけれど。

 だって、現世でも揉めると思う。彼女もちにちょっかい出したら絶対。
 なのに、どうして最近の乙女ゲームやライトノベルって婚約者のいる攻略対象なのかな。

 まぁ、障害があるから攻略しがいがあるってことなのかもしれないけど。
 本人たちも燃え上がるのかもしれないけれど、奪われる側の気持ちになって欲しいわ。






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