拝啓、婚約者様。婚約破棄していただきありがとうございます〜破棄を破棄?ご冗談は顔だけにしてください〜

みおな

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みんなに見せびらかしたい

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「王都でのパーティーは、ラナリス様やセシリア様とお会いするためのもの。今回お会いできましたから、必要ないのでは?」

 それならデルモンド様とお会いする可能性は、少なくとも格段に減りますよね?

 そう申し上げたら、何故か反論が全員から出ました。

「お父様もお母様も、ミリムに会うのを楽しみにしているの!」

「可愛くて綺麗なミリムを、みんなに自慢したいわ~」

「国王陛下にも王妃殿下にも、王都でパーティーをするからと言って、ここへ来るのを我慢してもらったんだ」

「すぐに嫁に行ってしまったんだ。王都に来て二人でしばらく泊まっていってくれ。使用人たちもお前が来るのを楽しみにしているんだ」

「私のお父様もお母様も、お姉様にお会いするのを楽しみにしているのです」

「ミリムは俺の嫁だと、周囲に知らしめておきたい。それに綺麗な嫁を自慢したいな」

 ラナリス様とお兄様は、国王陛下と王妃様が、今回辺境伯領に来なかったのは、パーティーを開くことを交換条件に諦めてもらったからだとおっしゃいます。

 セシリア様は公爵ご夫妻が会いたいとおっしゃっている、と。
 私もお会いしたいですわ。家庭教師を急に辞めることになりましたもの。

 お父様は、子爵家の使用人たちが会いたいと言っているとおっしゃいます。

 そうですね。長く滞在は無理ですけど、みんなにも会いたいですわ。

 ただ、お母様とユリウス様は何をおっしゃっているのかしら。

 自慢だなんて。

 それにユリウス様、皆様に牽制なさらなくても、誰も私に懸想されたりしませんわ。

 そう告げましたのに、どうしてみんなそんな、生温かい目で私を見ますの?

 酷いですわ、メリアまで。

 結局みんなの意見に従い、王都でパーティーは行うことになりました。

 でも、それなら三ヶ月後に行えばよろしいのでは?
 私も、デルモンド様と関わりたくありませんし。

 ですがこの意見も、お兄様とラナリス様に否定されました。

「アレがちゃんと改心すれば良いが、そうでないならキッチリと潰しておくに限る。デルモンド侯爵家のこれからのためにもな。嫡男が婚約結婚する時に、アレが何か問題を起こして駄目になってはかわいそうだろう?」

 確かに、これ以上何かあって、侯爵家が降爵されても困りますし、嫡男の方の婚約に支障があってもいけません。

 といいますか、お兄様。
デルモンド様をお名前で呼びたくもないのですね?

 いずれ王族になるとはいえ、子爵子息が侯爵子息をアレ呼ばわりはいかがなものかと思うのですが。

 誰もツッコミませんから、私も聞き流すべきなのでしょうね。







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