21 / 42
そして月日は流れ
しおりを挟む
私がアレーシアになって二年が過ぎた。
私は十二歳になり、来年には王立学園に入学する。
ちなみにアランお兄様はすでに学園に通っていて、婚約者も去年の学園入学前に決まった。
侯爵家のご令嬢で、大人しくてなんていうか深窓の令嬢って印象。
現代でいうところの、箱入り娘ね。
緩やかに波を描く金髪、ちょっと垂れ目がちなエメラルド色の瞳、物静かで趣味は読書って感じ。
キミコイの中で、お兄様が婚約していたかどうかまで出てこなかったけど、シスコン全開のお兄様が仲良くやってるみたいだから、問題ないかも。
あ。私もイアン様と仲良くしている。
お兄様と同い年のイアン様は、学園に通われているのだけど、いつも帰りにフロライン公爵家に寄ってくれる。
一緒に庭を散歩する日もあるし、お茶をいただくだけの日もある。
それでも、毎日会いに来てくれる。
お兄様とイアン様、そして王太子ジェラートの再教育は無事に終了した。
元々、ちゃんと教育を受けていたジェラート。
ちょっとマルチナの嘘に転がされたけど、十歳の素直な子供な彼はキチンと矯正された。
そして、マルチナとカリーナ。
カリーナの方はさすが侯爵令嬢で、マナーもそれなりに出来てたらしい。
マルチナもあの伯爵夫人の娘なわけで、基礎は叩き込まれていたみたい。
ただ・・・
伯母様の指導は熾烈を極めた・・・らしい。
私はお母様からお聞きしただけだけど、伯母様はとにかくマナーに厳しい方なのだそうだ。
それは、一般的な貴族としてのマナーだけの話ではなく、淑女としての在り方、人としての礼儀まで。
人を見下したり、嘘をついて自分を有利に見せようとしたりすることを何よりも嫌う。
だから、マルチナだけでなくカリーナも相当厳しく指導されたらしい。
マルチナは、自分がジェラートに選ばれたことで優越感を持ち、伯爵令嬢である自分が王太子妃として受け入れられるように『嘘』をジェラートに伝えた。
そしてカリーナは、両親が選民志向のある人間らしくて、自分は侯爵令嬢なのだと、選ばれて当然な立場なのだと、傲慢な考え方を持っていたらしい。
伯母様は、そういう二人を徹底的に矯正したようだ。
だって・・・
「本当に申し訳ありませんでした、フロライン公爵令嬢様」
あのマルチナが私に謝罪している。
その隣では、伯爵令嬢であるマルチナを気遣うように寄り添うカリーナが。
かー。
伯母様、どんな教育をすればこうなるの?
おそろしい!
まぁ、でも、これならどちらが王太子妃になったとしても、相応しいしヒロインが現れても大丈夫・・・よね?
私は十二歳になり、来年には王立学園に入学する。
ちなみにアランお兄様はすでに学園に通っていて、婚約者も去年の学園入学前に決まった。
侯爵家のご令嬢で、大人しくてなんていうか深窓の令嬢って印象。
現代でいうところの、箱入り娘ね。
緩やかに波を描く金髪、ちょっと垂れ目がちなエメラルド色の瞳、物静かで趣味は読書って感じ。
キミコイの中で、お兄様が婚約していたかどうかまで出てこなかったけど、シスコン全開のお兄様が仲良くやってるみたいだから、問題ないかも。
あ。私もイアン様と仲良くしている。
お兄様と同い年のイアン様は、学園に通われているのだけど、いつも帰りにフロライン公爵家に寄ってくれる。
一緒に庭を散歩する日もあるし、お茶をいただくだけの日もある。
それでも、毎日会いに来てくれる。
お兄様とイアン様、そして王太子ジェラートの再教育は無事に終了した。
元々、ちゃんと教育を受けていたジェラート。
ちょっとマルチナの嘘に転がされたけど、十歳の素直な子供な彼はキチンと矯正された。
そして、マルチナとカリーナ。
カリーナの方はさすが侯爵令嬢で、マナーもそれなりに出来てたらしい。
マルチナもあの伯爵夫人の娘なわけで、基礎は叩き込まれていたみたい。
ただ・・・
伯母様の指導は熾烈を極めた・・・らしい。
私はお母様からお聞きしただけだけど、伯母様はとにかくマナーに厳しい方なのだそうだ。
それは、一般的な貴族としてのマナーだけの話ではなく、淑女としての在り方、人としての礼儀まで。
人を見下したり、嘘をついて自分を有利に見せようとしたりすることを何よりも嫌う。
だから、マルチナだけでなくカリーナも相当厳しく指導されたらしい。
マルチナは、自分がジェラートに選ばれたことで優越感を持ち、伯爵令嬢である自分が王太子妃として受け入れられるように『嘘』をジェラートに伝えた。
そしてカリーナは、両親が選民志向のある人間らしくて、自分は侯爵令嬢なのだと、選ばれて当然な立場なのだと、傲慢な考え方を持っていたらしい。
伯母様は、そういう二人を徹底的に矯正したようだ。
だって・・・
「本当に申し訳ありませんでした、フロライン公爵令嬢様」
あのマルチナが私に謝罪している。
その隣では、伯爵令嬢であるマルチナを気遣うように寄り添うカリーナが。
かー。
伯母様、どんな教育をすればこうなるの?
おそろしい!
まぁ、でも、これならどちらが王太子妃になったとしても、相応しいしヒロインが現れても大丈夫・・・よね?
2,217
あなたにおすすめの小説
願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
*らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.11/4に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
(完結)あなたが婚約破棄とおっしゃったのですよ?
青空一夏
恋愛
スワンはチャーリー王子殿下の婚約者。
チャーリー王子殿下は冴えない容姿の伯爵令嬢にすぎないスワンをぞんざいに扱い、ついには婚約破棄を言い渡す。
しかし、チャーリー王子殿下は知らなかった。それは……
これは、身の程知らずな王子がギャフンと言わされる物語です。コメディー調になる予定で
す。過度な残酷描写はしません(多分(•́ε•̀;ก)💦)
それぞれの登場人物視点から話が展開していく方式です。
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定ご都合主義。タグ途中で変更追加の可能性あり。
【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。
紺
ファンタジー
「婚約者であるニーナと誓いの破棄を望みます。あの女は何もせずのうのうと暮らしていた役立たずだ」
実力主義者のホリックは魔王討伐戦を終結させた褒美として国王に直談判する。どうやら戦争中も優雅に暮らしていたニーナを嫌っており、しかも戦地で出会った聖女との結婚を望んでいた。英雄となった自分に酔いしれる彼の元に、それまで苦楽を共にした仲間たちが寄ってきて……
「「「ならば我々も失礼させてもらいましょう」」」
信頼していた部下たちは唐突にホリックの元を去っていった。
微ざまぁあり。
精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果
あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」
ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。
婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。
当然ながら、アリスはそれを拒否。
他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。
『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。
その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。
彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。
『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。
「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」
濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。
······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。
復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。
※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください)
※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。
※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。
※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】無能に何か用ですか?
凛 伊緒
恋愛
「お前との婚約を破棄するッ!我が国の未来に、無能な王妃は不要だ!」
とある日のパーティーにて……
セイラン王国王太子ヴィアルス・ディア・セイランは、婚約者のレイシア・ユシェナート侯爵令嬢に向かってそう言い放った。
隣にはレイシアの妹ミフェラが、哀れみの目を向けている。
だがレイシアはヴィアルスには見えない角度にて笑みを浮かべていた。
ヴィアルスとミフェラの行動は、全てレイシアの思惑通りの行動に過ぎなかったのだ……
主人公レイシアが、自身を貶めてきた人々にざまぁする物語──
※現在、読者様が読み易いように文面を調整・加筆しております。
※ご感想・ご意見につきましては、近況ボードをご覧いただければ幸いです。
《皆様のご愛読、誠に感謝致しますm(*_ _)m
当初、完結後の番外編等は特に考えておりませんでしたが、皆様のご愛読に感謝し、書かせて頂くことに致しました。更新を今暫くお待ちくださいませ。 凛 伊緒》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる