転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜

みおな

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モブ、家族と交流する。

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「お姉様~♡」

 部屋を出た途端に、小さな体に抱き付かれた。
 前のめりに倒れそうになった私の体を、シキが片手で抱きとめる。

「エリル様。危のうございます」

「大丈夫よ。ありがとう、シキ。エリル、おはよう」

「おはようございます、お姉様♡」

 べったりと腰付近にしがみついた金色の塊を、よしよしと撫でてやる。

 転生したばかりの時は、めっちゃ驚いて突き飛ばしそうになったけど、毎日のこととなれば、人間というものは順応するものだ。

 それに、妖精のように可愛い女の子に慕われるのは、同性といえど嬉しいものである。

 エリル・ローラン。
齢7歳。アイルの妹である。
 6歳違いの妹は、父親似の金髪にエメラルドの瞳という、将来モテモテになること間違いなしの、それはそれは可愛らしい容姿をしていた。

 ちなみに、アイルは母親似である。
父親も母親も中々の美人さんで、エリルが可愛いのも納得だ。

 この6歳違いの妹は、めちゃくちゃシスコンで、私にべったり張り付いて離れない。

 これで可愛いと思わなければ、鬼畜である。というわけで、私はエリルを溺愛していた。

「エリル、早起きね」

「お姉様と一緒に朝ご飯食べようと思ったのです♡」

「ふふっ。嬉しいわ。今日はパンケーキですって。エリルの大好きな苺、たくさんのせましょうね」

「お姉様、大好きっ!!」

 ああ。可愛い。
前世では一人っ子だったし、子供もいなかったから、子供苦手かなぁって思ってたけど、可愛いわー。

「あらあら、エリルは本当にお姉ちゃん子ねぇ」

 軽やかな声に振り返ると、お母様がクスクスと笑っていた。

「お母様、おはようございます」

「おはようございます、お母様」

「おはよう。アイル、エリル」

 お母様は、黒髪黒目の美人さんだ。
私はお母様似、エリルはお父様似である。

 2人とも、アイルのこともエリルのことも区別なく可愛がってくれていて、その点でも私はローラン伯爵家の娘に転生できて良かったと思う。

 身分的にも、公爵家や侯爵家のように高位貴族でもなく、かといって子爵家や男爵家のように下の身分過ぎないところも、いい感じである。

 普通なら婚約者がいてもおかしくないんだけど、現在アイルには婚約者がいない。

 その点は、ちょっと気になるところだけど、いずれは婿をもらって、伯爵家を継ぐ必要があるのだと理解している。

 まぁ、そのあたりは、エリルが継いでもいいわけだし、私が決めることでもないだろう。

 なので、目下の私の気にするべきことは、学園に入学して、攻略対象やその婚約者たちとの距離をうまく取ることである。


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