転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜

みおな

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モブ、夢を見る。

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「イレーヌ・レジスタ!僕の婚約者という立場を振りかざし、ティアラをいじめるとは、この悪女めッ!!貴様との婚約は破棄だ!!」

「ヴェルハルト殿下!わたくしは未来の王太子妃となるべき者。そのわたくしとの婚約を破棄などと、何を・・・」

「国王陛下である父上にも、レジスタ公爵にも、すでに許可は得ている!衛兵!イレーヌを捕らえよ!」

「離しなさい!無礼なッ!!」

 ヴェルハルト、なんで?
イレーヌのことを好きだって言ってたじゃない。

 イレーヌ、なんでそんな言い方してるの?私の知ってるイレーヌは、高位貴族としての誇りは持ってるし、気高い人だけど、そんな傲慢な言い方しなかったのに。

 どうして?

 どうして?

「・・・様っ!・・・ル様!アイル様ッ!!」

 目を開けたら、光が視界を埋めて、めまいがした。

「・・・」

「アイル様・・・」

 シキの声がする。
眦にそっと触れられた冷たい指先に、ピクリと体から震えた。

「・・・シキ・・・どうし、て、泣いてる、の?」

 どうして、そんなに辛そうな顔をしているの? 

「アイル様。アイル様・・・本当に良かった・・・」

「シキ?」

「ごめんね、ローラン嬢。少し話しても大丈夫かな?」

 聞こえてきた声の持ち主を、視線だけで探す。
 どうして、体がこんなに重いの?
腕すら上がらないのは、何故?

「ああ、無理に動かないで。まだ、呪詛が抜けたばかりだから・・・僕の声は聞こえる?」

「は・・・い。フェルゼン様」

「カイルでいいよ、と言いたいところだけど、君の婚約者殿が怖いから、やめとこう。さて、どこか痛いところ、気持ち悪いところは?」

 痛いところと気持ち悪いところ・・・
重くて動かないけど、痛いところはない。
 気持ち悪いところは・・・

「どこか気持ち悪い?」

「嫌な・・・夢を見て、それで・・・胸の奥が、モヤモヤしてて・・・」

「どんな夢だったか、聞いて大丈夫?」

 本当は、口に出したくもない。
だけど、カイルがお医者さんみたいに、優しく、それでも有無を言わせない感じだから、私は渋々口を開いた。

「殿下、が、イレーヌ様に、婚約破棄だって、言って。悪女だって、ティアラ・・・プルメリア様をいじめたって・・・」

「うん。それで?」

「国王陛下にもレジスタ公爵にも許可を得ている、からって、衛兵に・・・」

「そっか。うん。言いにくいことを話させてごめんね?大丈夫だよ。そんな事実はないから。それは、夢。あの女が、君に向けた呪詛に含まれた、あの女の願望。だから、泣かなくて大丈夫だよ」

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