転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜

みおな

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攻略対象、呆れる。

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「エドワード、お前に媚薬を飲ませようとしているらしいぞ」

 王太子殿下の言葉に、唖然とした。
今、媚薬と言ったか?

 現在、王宮の王太子殿下の執務室で、あの阿婆擦れの動向について情報の擦り合わせ中だ。

 そして、その情報を持ってきたのは、ローラン嬢の婚約者であるシキだった。

 元々は、リングス王家の人間であるシキだが、このフォーリナー王国では平民として生きている。

 そのせいか、平民の中にも知り合いが多くいるようで、あの阿婆擦れの様子に関しても色々と情報を仕入れてくれていた。

「シキからの情報によると、どうやら媚薬をお前に仕込むつもりだそうだ。それと睡眠薬もご所望らしい」

「媚薬に睡眠薬ですか?」

「まぁ、睡眠薬も単なる小麦粉と、媚薬もただの水にすり替えてくれたそうだが。あの女は、お前と既成事実をでっちあげる予定のようだぞ」

 王命でオリバーと婚約させて以来、我々には近付けないように周囲にも協力してもらっていた。

 だから、そろそろ何かやらかすだろうとは思っていたが、まさか自分が狙われるとは。

 しかも、既成事実だと?
冗談じゃない。僕は愛しいカレリア以外に指一本触れるつもりはない。

 だけど、たとえ父上やカレリアが信じてくれても、同じベッドに入っていたということを知られれば、周囲は疑ってみるだろう。

 そして、そのことでカレリアが傷付けられてしまう。

「13歳にして、手練れの娼婦並みですね」

「まぁ、あの気狂いなら何をやってもおかしくはないさ」

「薬はすり替えられてるんですね?」

 その薬売りは、シキの知り合いか。
売らないことで他の店に行くのを防いでくれたんだろう。

「ああ。その男も全てに目が届いているわけではないらしいから、もしも断ったことで、本当に売る相手に出会われたら大変だからと言ってな。媚薬も睡眠薬も、違法ではない。薬を買ったからと言って、あの女を裁くことは出来ない」

「分かっています」

「だが、婚約者のいる・・・しかも王命で決まった婚約者のいる人間が、同じく婚約者持ちの令息に薬を仕込めば、不貞行為として捕まえることはできる」

 つまり、僕にあの女に騙されたフリをして薬を飲み、そして欲情したフリをしろと?

 あれに?
欲情していたものも萎えるような、あれに?

 僕は深く息を吐いた。
それでも、カレリアを救ってくれたローラン嬢のためにも、早くあの女を排除したい。

 あれがいる限り、再びカレリアやローラン嬢たちに危害が加えられる可能性がある。

 たかが不貞、ではないのだ。
この国での不貞行為は、重い罪が課せられる。
 しかも王命に背いての行為となれば、修道院か鉱山送りになるだろう。

 あの女を排除するため。
我慢するしかない。
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