転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜

みおな

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公爵令息、諭す。

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「オリバー、個室に行こうか。ここは落ち着かない」

 紅茶を持って戻って来たオリバーに、個室に向かおうと提案する。

 とにかくここで寝たふりをするのも、オリバーに運ばれるのもゴメンだ。
 どうせ提案したところで、オリバーは怪しんだりしないだろう。

「あ、はい」

 どこかホッとしているのを見て、苦笑しそうになる。
 あの阿婆擦れは、どこかで見ているんだろうか?

 そして、本当にオリバーは、薬を僕に飲ませるつもりなのだろうか?

 あの阿婆擦れが本当に媚薬と睡眠薬を僕に飲ませたとして、その結果がどうなるか、本当に理解しているのだろうか。

 僕は本当に眠るわけじゃないから、そのあたりは寝たふりをしていることで聞けるだろうとは思う。

 だけど、きっと本当に理解しないままに、あの女のいいように操られているオリバーを不憫だと思った。

 オリバーは・・・

 馬鹿だけど素直で、真っ直ぐなヤツだった。少なくとも学園であの阿婆擦れに会うまでは。

 不器用なりに、婚約者のフェルゼン嬢のことも大切にしようとしていたのだと思う。

 それがあの阿婆擦れと出会った途端に、変化していった。
 目指していたはずの騎士になるための訓練は、サボりがちになり、フェルゼン嬢との交流も絶たれた。

 その時点で、フェルゼン嬢との婚約は極秘に解消されたのだが。

 それでも、オリバーは魅了の術にかかっているわけではないという。
 つまりは、オリバー自身が本気であの女を好きだということだ。

 それは、僕には理解できないとしても、個人の気持ちだから仕方ないとしよう。

 だが、そこまで惚れた女が他の男に懸想するのを許容できるのか?

 僕は、高位貴族が使える個室に移動すると、オリバーに尋ねてみることにした。

「オリバー。聞きたいことがある」

「な、なん、でしょうか?」

「お前、あのプルメリア嬢のことが好きなのか?」

 僕のストレートな質問に、オリバーは一瞬ポカンとして、それから嬉しそうに微笑んだ。

「はいっ!ティアラは本当に可愛くて!俺は彼女が大好きです」

 その顔は本当に恋をする男のもので、前回のあの悪辣な行為とは結びつかない。

 ろくに交流もなかったカレリアに斬りかかるほど、あの阿婆擦れのことが好きなのか?
 あの阿婆擦れの言うことが、オリバーお前にとって全てなのか?

「そうか。そんなに好きなのなら、彼女が他の男に懸想なんてしようものなら耐えられないな」

「え?」

「だってそうだろう?僕も、婚約者が他の男と話をすることにさえ嫉妬してしまう。オリバー、お前もそうだろう?」





 

 

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