虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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一度目の人生

侯爵・・・夫人?

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 目が覚めたら、薄暗い部屋だった。
まだ、日が昇ってないからだろうか。ゆっくりと礼奈・・・いや確か名をレティーナと、神と名乗ったあの男は言っていた、は体を起こした。

 着ていたのは、ネグリジェみたいなものか、足首まですっぽり隠れるパジャマだった。

 ベッドはセミダブルくらいか。
薄暗い中で分かるのは、部屋の中が随分とものが少ないということくらいだ。

 小さな机と、窓際に椅子。扉があるのは、おそらくお風呂かトイレだろう。

 ええと。電気は・・・
壁を見ても、辺りにスイッチらしきものはない。
 ランプみたいな電気の装飾はあるんだけど、あれどうやって付けるんだろう。

 付け方が分からなくて、仕方なくカーテンを開けた。
 やはり夜明け前のようで、さほど部屋は明るくはならなかった。

 それでも、部屋にある扉を開けてみる。
予想通りにそこはお風呂のようだった。
 トイレも備え付けのようだ。

 あの神様とかいう男は『違う世界』に転生させると言った。
 ということは、これは俗に言う『異世界転生』というやつなのだろう。

 ならば、ここは貴族のお屋敷ではないだろうか。
 クローゼットらしき扉を開けると、そこにはドレスが並んでいた。

(部屋の感じから使用人かと思ったけど、お仕着せが見当たらないわ。ドレスもシンプルだけど綺麗だし、量もある。下位貴族とかなのかしら?)

 とにかく、レティーナという名しかわからないのだ。

(鏡とかないかしら?せめて見た目くらい確認したいわ)

 ドレッサーらしきものもないし、クローゼットにも姿見はない。

(あ。お風呂。お風呂になら鏡があるかも)

 再び、浴室の扉を開けると、脱衣所らしき場所に、鏡を発見した。

 礼奈は鏡を覗き込む。
薄暗いため、近付かないとぼんやりとしか見えないのだ。

(白髪?いや、銀色かな?歳は二十歳くらい?見た目じゃ細かい年齢まではわからないわね。色白っぽいし、顔も綺麗系だけど・・・目が赤い)

 マジマジと鏡を覗き込んでいると、コンコン!とノックの後、声が聞こえた。

「奥様。お目覚めですか?」

「え、あ、はい」

「失礼しますね」

 扉を開けて入ってきたのは、鏡の中の私と同い年くらいの、お仕着せを着た女の人だった。

 お仕着せ、やっぱり貴族の家なんだ。
ん?ちょっと待って。

 今、このメイドさん、妙なことを言わなかった?
 奥様・・・って聞こえたけど、聞き間違い?

「お目覚めだったのですね。カーテンが開いているのが見えたので、驚きました。やはり、こんなお部屋では落ち着かないのではありませんか?侯爵夫人であらせる奥様をこのようなお部屋で過ごさせるなど!」

 あ。やっぱり奥様って言った。
ええっ?結婚式や諸々の記憶もないまま、いきなり既婚者に転生って、何考えてるの?


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