虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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四度目の人生

四度目の終わり

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 その日、私は目覚めた時から落ち着かない気持ちにため息を吐いた。

 エリスさんに奪われた聖女の力が完全に戻った。

 奪った力が、そのままエリスさんに残っているのかどうかは分からない。
 でも、もしエリスさんに力が残らなかったら、彼女は再び私の元へとやって来るだろう。

 そして、今度は戻らないように私を害しようとする可能性が高い。

 さすがにやり直しで三度も殺されれば、私だって危機感くらいは持つ。

 なので、フィリアさんや司祭様にお願いして、エリスさんが訪れても私とは面会禁止としてもらった。

 力は戻ったけど、私はフィリアさんのお世話係を継続してしている。

 今のところ幸いにも、私が治療しなければならないような怪我はない。
 警戒のために、騎士団への訪問も控えている状態だ。

 王太子殿下も今は婚約者でないから、訪問して来ても面会を断ることができる。

 礼拝堂の掃除も、今は他の聖女様が主にするようにと、フィリアさんが働きかけてくれた。

 なので今の私は、聖堂の掃除や聖女の生活空間の掃除をしている。

 そこなら部外者以外は立ち入り禁止だからだ。

 聖堂の掃除を終えて、フィリアさんのところへ戻ろうと廊下を急ぐ。

 と、いきなり腕を引かれた。

「⁈」

「ほーんと、虫唾が走るわ。ヒロインたる私が真の聖女だっていうのに、どうして聖女の力がアンタなんかに戻るわけ?」

「ど、どうしてここに・・・」

 私の腕を引いたのは、エリスさんだった。
 その、本来なら可愛らしい顔を醜く歪めて、私を睨みつけている。

「ふふん。私は真の聖女で王太子殿下の婚約者。いくら教会が王家と対立していても、聖女の私が教会内に入ることを止めることなんてできないわよ」

「・・・ッ」

「とりあえず、もう一度力を奪ってあげる。あとは、二度と戻らないようにアンタを消せば、聖女の力は私のものよ」

 掴まれたままの腕から、聖女の力が抜けていくのが分かる。

 私の力を全て奪うことは、多分無理だと思うけど、それでも力を奪われれば、私を害しようとするエリスさんから逃げることが出来なくなる。

 聖女の力が半分近く抜けたと思った時。

 不意にエリスさんの手が私から離れた。

「⁈」

「な、え、な、なんで・・・ぇ?私はヒロインで、真の・・・聖女、で・・・」

 ぐるりと振り返ったエリスさんの向こうに、王太子殿下の姿があった。

 え?どうしてここに王太子殿下が?

 王太子殿下は無言で、エリスさんの背に突き立てた剣を一気に引き抜いた。

 足元に血溜まりができて行き、その中へ力なく座り込むエリスさん。

 フッと王太子殿下と目が合った。
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