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やり直しの人生
私にできることなら
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「確かに、挨拶は大事だな」
そう言ったアルフレッド陛下に、ダウニー様は満面の笑みを浮かべて、その腕に触れようと手を伸ばした。
「分かってくれ・・・」
「だが、大事と言いながら自国の王女には挨拶をせず、男に媚を売るような売女に触れられるのは我慢ならない。この手に触れたら、その腕、焼き尽くされるものと思え」
アルフレッド陛下の右の掌に、昏い色をした炎が、発現した。
「きゃああああ!」
「な、なんだっ!アレは!」
「アンジュから離れろ!化け物!」
なんて愚かなのかしら?
よくもまぁ、こんなのを側近候補にしていましたわね?お兄様。
「・・・っ!申し訳ございません、アルフレッド・サウスクラウド陛下」
お兄様とクレスト様が、深々と頭を下げる。
他国の国王陛下に対して、化け物だなんて。彼らの首を差し出しても詫びにはならないわ。
「アルフレッド陛下。申し訳ございません」
「姫君が謝ることはない」
「私の我儘のせいで、陛下に不快な思いをさせてしまいました」
それにあんなのでも我が国の民。しかも、貴族なの。
その責任を負うのは、王族としては当然だわ。
「・・・ならば、俺の願いを姫君にひとつ叶えてもらいたい」
「仰せのままに、アルフレッド・サウスクラウド陛下」
「・・・っ!レティーナ・・・」
お兄様が小さく呟くのが見えた。
本当なら、自分を罰してくれと言いたかったのね。
嬉しいけど、それは悪手。
同じ王太子同士だとしても、相手は大国サウスクラウド。
我が国の方が、被害が大きくなるのは間違いないわ。
その上、同じ王太子ではなく国王陛下なの。
我が国が属国になるか、国王陛下のお父様たちの首を差し出すか。
それほどの愚かな言動なのよ。
アルフレッド陛下が何を望まれるのか。
私にも何となく分かるわ。
多分、私との婚約ね。
何故か、アルフレッド陛下は私に好意を寄せてくださっている。
本当のレティーナとの出会いが良かったのね。
その時のレティーナと、今の私は違うけどそれは許して欲しいわ。
私もアルフレッド陛下のことは好意的に見ているし、王妃殿下であるお母様が、婚約は決定だとおっしゃったのだもの。文句はないわ。
なによりも、そのことで家族や大切な人が守れるのなら、問題はない。
ああ。
婚約が願いだと思い込んでいるけれど、もし私に命を差し出せと言われたら・・・
・・・大丈夫。
過去の四度みたいに納得できずに勝手に殺されるより、誰かを守るために死ぬのなら、それなら悔やんだりしないわ。
そう言ったアルフレッド陛下に、ダウニー様は満面の笑みを浮かべて、その腕に触れようと手を伸ばした。
「分かってくれ・・・」
「だが、大事と言いながら自国の王女には挨拶をせず、男に媚を売るような売女に触れられるのは我慢ならない。この手に触れたら、その腕、焼き尽くされるものと思え」
アルフレッド陛下の右の掌に、昏い色をした炎が、発現した。
「きゃああああ!」
「な、なんだっ!アレは!」
「アンジュから離れろ!化け物!」
なんて愚かなのかしら?
よくもまぁ、こんなのを側近候補にしていましたわね?お兄様。
「・・・っ!申し訳ございません、アルフレッド・サウスクラウド陛下」
お兄様とクレスト様が、深々と頭を下げる。
他国の国王陛下に対して、化け物だなんて。彼らの首を差し出しても詫びにはならないわ。
「アルフレッド陛下。申し訳ございません」
「姫君が謝ることはない」
「私の我儘のせいで、陛下に不快な思いをさせてしまいました」
それにあんなのでも我が国の民。しかも、貴族なの。
その責任を負うのは、王族としては当然だわ。
「・・・ならば、俺の願いを姫君にひとつ叶えてもらいたい」
「仰せのままに、アルフレッド・サウスクラウド陛下」
「・・・っ!レティーナ・・・」
お兄様が小さく呟くのが見えた。
本当なら、自分を罰してくれと言いたかったのね。
嬉しいけど、それは悪手。
同じ王太子同士だとしても、相手は大国サウスクラウド。
我が国の方が、被害が大きくなるのは間違いないわ。
その上、同じ王太子ではなく国王陛下なの。
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それほどの愚かな言動なのよ。
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私にも何となく分かるわ。
多分、私との婚約ね。
何故か、アルフレッド陛下は私に好意を寄せてくださっている。
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私もアルフレッド陛下のことは好意的に見ているし、王妃殿下であるお母様が、婚約は決定だとおっしゃったのだもの。文句はないわ。
なによりも、そのことで家族や大切な人が守れるのなら、問題はない。
ああ。
婚約が願いだと思い込んでいるけれど、もし私に命を差し出せと言われたら・・・
・・・大丈夫。
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