虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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最終章

見る目はなかったのね

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「ご理解していないみたいだから、一応説明いたしますけど、貴族なら知っていることですし、学園でも習いますわよ?」

 前置きをしてから、話し始める。
まぁ、親のピスタス侯爵夫妻が理解していないみたいだから、娘のチェリー様が理解していないのは無理ないわよね。

 でも一応、学園で最初に習うのだけど。
貴族の在り方として。

 最下位クラスだし、授業もまともに受けていないみたいだったから、仕方ないのかもしれないけど。

「貴族限定ですけど、その家を継げるのはその家の血を継いだ嫡子のみですわ」

「それが何?私はお父様の子供だから、ピスタス侯爵家を継ぐのに問題ないじゃない!」

「話を聞いていますか?その家の血を継いだ嫡子なのですわよ?チェリー様は、夫人の連れ子。つまり、ピスタス侯爵家の血を継いでいないということなのですよ?」

 小さな子供でもわかることなのだけど。

「でも!今は私のお父様だわ!」

「養女として現在はピスタス侯爵令嬢を名乗れますけど、侯爵家を継ぐ権利は、先代ピスタス侯爵様の実子である現ピスタス侯爵の血を引くフロランス様にしかありません」

「そっ、そんなこと言ってたら、後継がいない家はどうするのよ!子供が生まれなかったら養子とか取るでしょっ!」

「ええ。取りますわね。ただし、血のつながりのある親戚筋から。どうしても血縁者がいない場合は、当代が儚くなられたら爵位返上となり領地は王家預かりとなりますわ」

 だから高位貴族ほど兄弟は多い。
ファンブルク王国で、女性でも爵位を継げるのはそういう理由からなのだ。

 血を重んじる。
だが、いくら嫡子でも能力がなければ親戚筋から養子が迎えられる。

 その養子が迎えられなければ、潔く爵位を返上する。

 ファンブルク王国の貴族はそうやって、自分の家と領民を守り、国に仕えてきたのだ。

「お父様っ!嘘よね?」

「・・・」

「お父様?ねぇ!お母様!私、侯爵令嬢よねっ?」

「・・・」

 チェリー様が、ピスタス侯爵や夫人に縋り付くように問いかけるが、さすがに夫妻は自分たちが言われたことを理解したようである。

 まぁ、今更理解しても遅いけど。
王族や多くの貴族の前で、嫡子の勘当を言い渡した。

 チェリー様が侯爵の血を引いていれば問題はなかったけど、夫人の連れ子。
 しかも、ピスタス侯爵家には他に養子に迎えられる親戚がいない。

 先代様が侯爵に跡を継がせたのは、当時婚約者であったフロランス様のお母様が優秀な方だったからと、一応領地経営とかの才は持ってたからみたいだけど。

 女を見る目は持ってなかったみたいね。
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