虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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最終章

子供にこんなこと言わせるなんて

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「そ、そんな・・・ううん!私は公爵様と婚約して公爵夫人になるんだから・・・」

 チェリー様は戸惑ったようにピスタス侯爵夫妻を見つめた後、ハッとしたようにロイド様に駆け寄ろうとする。

 イヴァン様に言い寄ろうとしていたのに、節操のない方ね。

 でもまぁ、身分の分からないイヴァン様と違って、ロイド様は公爵子息だとわかっているから彼女なら当然の選択なのかしら。

 でも、父親であるピスタス侯爵がロイド様のことを「クレスト公爵令息」と呼んだこと、理解していないのかしら?

 目の前にそのロイド様のお父上がいらっしゃること、わかってないわよね?

「ロイド様ぁ。私、ずっとお姉様にいじめられていたんです。お父様はお姉様を勘当したのに、王女様もあのおじさんも、みんなお父様を非難するの!ロイド様なら私のこと、助けてくれますよね?」

「色々言いたいことはあるけど、とりあえず・・・そのおじさんって僕の父上のことかな?」

「えっ?父上?」

「そう。ファンブルク王国筆頭公爵家当主であり、王太子妃殿下の父親である僕の父上。君はね、僕の尊敬する父上と、敬愛する義妹の王女殿下を『非難』したんだよ。腹立たしいことこの上ないね」

 ロイド様の言葉にチェリー様は「でも、だって」とブツブツ呟いているけど、こんな貴族令嬢としてあり得ないご令嬢を娶ろうとしたら、ロイド様は廃嫡されちゃうわよ。

 クレスト公爵はお優しい方だけど、優しいだけの方が筆頭公爵家の当主なわけないじゃない。

「あ・・・いっ、イヴァン様!私が我儘な王女様からイヴァン様を助けてあげますっ!こちらに来て下さいっ!」

「意味がわかんないし、マジで消し炭にするよ?」

「さすがに節操がないにも程がありますわ」

 呆れて、イヴァン様の発言を止める気にもならないわ。

 ピスタス侯爵夫妻も、いい加減チェリー様の発言を止めるべきじゃないかしら?

 まぁ、いまさらどう足掻いたところで、ピスタス侯爵夫妻はもう侯爵夫妻ではいられないけど。

 夫人の実家が受け入れてくれれば男爵ではいられるけど、普通は受け入れないわよね。

 王家と筆頭公爵家に睨まれてまで、受け入れる価値がないもの。

 それでも・・・
領地経営はそれなりにキチンとしてたみたいだし、フロランス様に謝罪して態度を改めるなら、爵位を取り上げるまではしなかったのに。

 侯爵家を継げるのは、今のところフロランス様だけ。

 だけど、フロランス様が後を継がないとしても、夫人と侯爵にピスタス侯爵家の血を継いだ子供を授かるまで先代様のお力を借りても良かったのよ。

 でも、フロランス様はピスタス侯爵家の取り潰しを願った。

 子供にこんなことを言わせるなんて。
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