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最終章
説得はお任せしますわ
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「本当に?レティ・・・」
好きだと、学園を卒業したら一緒に旅に出ようと言った私に、イヴァン様は不安そうに、それでもどこか嬉しそうに問いかけた。
「ええ。本当です。でも・・・」
「でも?」
「お母様へお話する時は、イヴァン様もご一緒してくださいね?イヴァン様のご事情もお母様には隠さずお話します」
「一緒するのは良いけど、事実を話せば反対されるんじゃ」
そうね。
普通はそう思うわよね。お父様やラウルお兄様なら、内緒という選択肢もあるけど。
「お母様には隠し事をせず、正直に話したほうが得策です。お母様さえ納得していただけたら、お父様やお兄様はお母様にお任せできますから。ああ。お義姉様にもご協力いただかなければ」
お父様もお兄様も、お母様には勝てないもの。
ラウルお兄様は、リリアナお義姉様にも勝てないわ。
でもそれで良いの。
女性が強い方が上手くいくってお父様は笑ってたもの。
「そうか。レティがそう言うなら、僕は話すことはかまわない。大事なレティの大事な家族だ。僕には家族はいないから・・・」
「お母様のところへ行く前に、私からもお話があります」
「ん?」
「これは誰にも話したことがありません。もちろん、お母様たち家族にも。このことは、イヴァン様だから・・・これから共に生きる方だからお話します。できれば・・・お母様たちには内密にしていただけたらと思います」
自分の娘の中身が途中から別人だなんて、できるなら話したくない。
でも、イヴァン様とはこれから生きていく中で『また』殺される事態になるかもしれない。
だから話しておかなくてはいけない。
「わかった。レティがそう望むなら、誰にも言わない」
「ありがとうございます。私がアルフレッド陛下と再会した頃に、熱を出して記憶を失ったというお話は、サウスクラウド王国でしましたよね?」
「うん。何も覚えていなかったっていうやつだよね。高熱で五日寝込んでて、目覚めたらご両親のことも殿下のことも何も覚えていなかったって」
そう。
そう言うしかなかったのよ。
だって、みんなの名前も何も分からないんだもの。
私、思うのだけど。
転生させる時には元々の体の持ち主の記憶を、ちゃんと引き継がせるべきだと思うわ。
大体が熱だったり倒れたりして数日寝込むから記憶喪失が使えるけど、そうじゃなきゃ言い訳のしようがないじゃない。
神様もそういうところ、考えるべきよ。
「実は、忘れたわけではないのです。私には元々レティーナ・ファンブルク王女の記憶はないのです」
好きだと、学園を卒業したら一緒に旅に出ようと言った私に、イヴァン様は不安そうに、それでもどこか嬉しそうに問いかけた。
「ええ。本当です。でも・・・」
「でも?」
「お母様へお話する時は、イヴァン様もご一緒してくださいね?イヴァン様のご事情もお母様には隠さずお話します」
「一緒するのは良いけど、事実を話せば反対されるんじゃ」
そうね。
普通はそう思うわよね。お父様やラウルお兄様なら、内緒という選択肢もあるけど。
「お母様には隠し事をせず、正直に話したほうが得策です。お母様さえ納得していただけたら、お父様やお兄様はお母様にお任せできますから。ああ。お義姉様にもご協力いただかなければ」
お父様もお兄様も、お母様には勝てないもの。
ラウルお兄様は、リリアナお義姉様にも勝てないわ。
でもそれで良いの。
女性が強い方が上手くいくってお父様は笑ってたもの。
「そうか。レティがそう言うなら、僕は話すことはかまわない。大事なレティの大事な家族だ。僕には家族はいないから・・・」
「お母様のところへ行く前に、私からもお話があります」
「ん?」
「これは誰にも話したことがありません。もちろん、お母様たち家族にも。このことは、イヴァン様だから・・・これから共に生きる方だからお話します。できれば・・・お母様たちには内密にしていただけたらと思います」
自分の娘の中身が途中から別人だなんて、できるなら話したくない。
でも、イヴァン様とはこれから生きていく中で『また』殺される事態になるかもしれない。
だから話しておかなくてはいけない。
「わかった。レティがそう望むなら、誰にも言わない」
「ありがとうございます。私がアルフレッド陛下と再会した頃に、熱を出して記憶を失ったというお話は、サウスクラウド王国でしましたよね?」
「うん。何も覚えていなかったっていうやつだよね。高熱で五日寝込んでて、目覚めたらご両親のことも殿下のことも何も覚えていなかったって」
そう。
そう言うしかなかったのよ。
だって、みんなの名前も何も分からないんだもの。
私、思うのだけど。
転生させる時には元々の体の持ち主の記憶を、ちゃんと引き継がせるべきだと思うわ。
大体が熱だったり倒れたりして数日寝込むから記憶喪失が使えるけど、そうじゃなきゃ言い訳のしようがないじゃない。
神様もそういうところ、考えるべきよ。
「実は、忘れたわけではないのです。私には元々レティーナ・ファンブルク王女の記憶はないのです」
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