虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

文字の大きさ
140 / 144
最終章

神様の告白

しおりを挟む
『レティーナ・・・』

 聞こえてきた覚えのある声に振り返った。
 でも、そこに見覚えのある神様の姿はなかった。

「え?」

 そこにいたのは、ぼんやりとした

 人のような輪郭はあるけれど、ぼやけていて、今までのように男の人だと認識することはもちろん、背景の白い空間に溶け込んで存在すら認識しづらい。

「え?え?ちょ、ちょっと、どうしたんですか?」

『レティーナ、ごめん。ごめん・・・』

「いや、謝られても、一体なにがあったんですか?私、死んだんですよね?イヴァン様も?」

 今までのように人型だったなら、それこそ胸ぐら掴んで文句を言ったと思うけど、今の状態だと文句より事情を説明して欲しいわ。

 大体、どうしてそんなに存在が曖昧なの?

『いや、死んでいない。どうしても伝えなければいけないことがあって、呼んだんだ』

「伝えなければいけないこと?いえ、それよりどうしてそんな状態なんですか?」

『レティーナ。君を傷つけていた存在がわかった』

 え?私を傷つけていた・・・
私が殺される理由、イレギュラーが分かったということ?

「それは、誰だったんですか?他の神様かもって言ってましたよね?」

『ごめん、レティーナ。君を死なせる原因のイレギュラーを生み出していたのは・・・僕だった』

「・・・は?」

『レティーナ、いや礼奈を好きになった僕は、禁忌を犯した。礼奈を生き返らせたいと願った。神が、ひとりの人間を特別扱いしてはならない。なのに、僕は礼奈を特別に扱おうとした。そして歪みが生じた』

 神様の言葉に、首を傾げる。
確か礼奈は死ぬはずじゃなくて、だからこの転生はその救済処置だったのじゃなかった?

 もしかして、根本から違うの?

『他の神たちが、歪みかけた僕を封じようとして僕はふたつに分かれた。礼奈の幸せを願う僕と、神としての平等な僕に。レティーナを殺すイレギュラーは、平等を語る神としての僕の成れの果てだ。礼奈は死ぬはずだった。だから、レティーナとしての転生を認めない』

「だから・・・殺した?」

『でも、僕はレティーナに、礼奈に生きていて欲しかった。礼奈は何も悪いことをしていない。何故、死ななければならない?納得がいかなかった。でも、礼奈を守りたくても僕は神としての力を失うか、イレギュラーと再びひとつとなり平等を司る神に戻るか、どちらかしか選択がなくなった。そして僕は・・・』

 その時初めて、神様がイヴァン様を見た。

 そういえば、神様が現れてからイヴァン様はずっと黙ったままだったわ。

 隣を見ると、イヴァン様は神様をジッと見つめている。

『僕はまもなくイレギュラーとの融合が終わる』

しおりを挟む
感想 45

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたを忘れたい

やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。 そんな時、不幸が訪れる。 ■□■ 【毎日更新】毎日8時と18時更新です。 【完結保証】最終話まで書き終えています。 最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)

【完結】死に戻り伯爵の妻への懺悔

日比木 陽
恋愛
「セレスティア、今度こそ君を幸せに…―――」 自身の執着により、妻を不遇の死に追いやった後悔を抱える伯爵・ウィリアム。 妻の死を嘆き悲しんだその翌日、目覚めた先に若い頃――名実ともに夫婦だった頃――の妻がいて…――。 本編完結。 完結後、妻視点投稿中。 第15回恋愛小説大賞にエントリーしております。 ご投票頂けたら励みになります。 ムーンライトさんにも投稿しています。 (表紙:@roukoworks)

チョイス伯爵家のお嬢さま

cyaru
恋愛
チョイス伯爵家のご令嬢には迂闊に人に言えない加護があります。 ポンタ王国はその昔、精霊に愛されし加護の国と呼ばれておりましたがそれももう昔の話。 今では普通の王国ですが、伯爵家に生まれたご令嬢は数百年ぶりに加護持ちでした。 産まれた時は誰にも気が付かなかった【営んだ相手がタグとなって確認できる】トンデモナイ加護でした。 4歳で決まった侯爵令息との婚約は苦痛ばかり。 そんな時、令嬢の言葉が引き金になって令嬢の両親である伯爵夫妻は離婚。 婚約も解消となってしまいます。 元伯爵夫人は娘を連れて実家のある領地に引きこもりました。 5年後、王太子殿下の側近となった元婚約者の侯爵令息は視察に来た伯爵領でご令嬢とと再会します。 さて・・・どうなる? ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

[完結]私を巻き込まないで下さい

シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。 魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。 でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。 その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。 ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。 え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。 平凡で普通の生活がしたいの。 私を巻き込まないで下さい! 恋愛要素は、中盤以降から出てきます 9月28日 本編完結 10月4日 番外編完結 長い間、お付き合い頂きありがとうございました。

愛する人は、貴方だけ

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。 天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。 公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。 平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。 やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。

今更ですか?結構です。

みん
恋愛
完結後に、“置き場”に後日談を投稿しています。 エルダイン辺境伯の長女フェリシティは、自国であるコルネリア王国の第一王子メルヴィルの5人居る婚約者候補の1人である。その婚約者候補5人の中でも幼い頃から仲が良かった為、フェリシティが婚約者になると思われていたが──。 え?今更ですか?誰もがそれを望んでいるとは思わないで下さい──と、フェリシティはニッコリ微笑んだ。 相変わらずのゆるふわ設定なので、優しく見てもらえると助かります。

(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!

みん
恋愛
双子の姉として生まれたエヴィ。双子の妹のリンディは稀な光の魔力を持って生まれた為、体が病弱だった。両親からは愛されているとは思うものの、両親の関心はいつも妹に向いていた。 妹は、病弱だから─と思う日々が、5歳のとある日から日常が変わっていく事になる。 今迄関わる事のなかった異母姉。 「私が、お姉様を幸せにするわ!」 その思いで、エヴィが斜め上?な我儘令嬢として奮闘しているうちに、思惑とは違う流れに─そんなお話です。 最初の方はシリアスで、恋愛は後程になります。 ❋主人公以外の他視点の話もあります。 ❋独自の設定や、相変わらずのゆるふわ設定なので、ゆるーく読んでいただけると嬉しいです。ゆるーく読んで下さい(笑)。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...