夢現で戯言が終わらない

小春佳代

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映る秋

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写真というものは、余程じゃなければ「淀み」を写さないのではないか。

故意に『淀み』を写そうとしたものであれば、また違うのかもしれない。

しかし写真を撮るならば、人は『いい写真』を撮ろうとする。

すると、出来上がったものには、本来あったはずの『淀み』が量に限らず綺麗さっぱり消えている。

「これは何だろう?
まるで今まで何も問題がなかったかのように見える」

思い返す必要はないからだろうか。
今が良ければ過去は必要ないからだろうか。

頼りにならない、写真の数々と自身の記憶たち。

文章だけが、真実を語ってゆく。
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