恋煩いの回転木馬

小春佳代

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菜の花ソフトクリームを君に

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テーマは「学校」

また、
〝新緑に絡むもの〟
〝新緑を想像させるもの〟
を入れる事。





「花畑を歩くようなデートは、好きじゃないんです」

見渡す限り菜の花が咲き誇る公園のベンチで
淡く黄色い菜の花ソフトクリームを受け取らずに
君は伏せ目がちのまま呟いた

「え、そうだったの……ごめん」

僕が今の生活にモチベーションを欠き始めた大学三年生の春
バイト先に新人さんとして現れた天使が君だった

しばらく経ったある日のバイト終わり、
開いたロッカーの扉の影に隠れながら
肩のあたりで柔らかくカールされた栗色の髪を揺らして君は言うんだ

『どこか、行きたいです』

だから、君にお似合いの花畑を選んだのに
どうやら僕は間違えたらしい

「どこに行きたかったの?
……遊園地?映画?」

情けないけど正直に聞いてみた

「風を感じたいんです」

「はい?」

「例えば新緑が眩しい木々が連なるような真っ直ぐな道を、あなたが運転する車に乗って窓からの風を感じたいんです!!!」

















ーーーだめだ、この子ちょっとおかしいだなんて思わないで、そこのあなた!

飽き飽きしていた生活に
やっと出会えた天使ちゃんの
願いを叶えてあげませんか?

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