42 / 78
第四章 忍び寄る魔手
7
しおりを挟む
「……まだ来ていないのか……今日は随分遅いな……」
パーティー用のドレスコードに身を包んだアズベルトは、ダイニングでいつもよりも到着が遅れている執事達を待っていた。
常であれば、もう既に着いていてもおかしくない時間なのだ。何度も時計を確認してはそわそわと落ち着かない様子だった。
今夜はアズベルトとカナリアの友人であるレオドルドが、二人の結婚を祝ってパーティを主催してくれている。結婚の事を知らなかったレオドルドが、プレゼントを準備出来なかったお詫びにと忙しい合間を縫って二人の為に用意してくれた席だ。
本当はカナリアもと招待されたのだが、体調を鑑みてアズベルトだけ出席する事になっているのだ。
「アズ、そろそろ出ないと遅れてしまうわ」
パーティーの開始時刻は刻一刻と迫っている。
彼が落ち着かないのは、アズベルトが出掛けてしまうと別荘にカナとナタリーの二人だけになってしまう事を懸念してのことだった。以前、城で行われた夜会に参加した際も本宅から護衛の為に執事を呼んでいた。その時のように今回もそう手配していたはずなのに、今日に限って遅れているようなのだ。
「しかし……」
「大丈夫よ。彼らが来るまでしっかり戸締りしておくから」
それでも不安そうにカナを見下ろすアズベルトに、心配性ねと笑みを零す。
「折角レオが準備してくれたのに、主役が遅れてしまったら申し訳ないわ。さぁ、行って」
そうだな……と、それでも渋々了承したアズベルトが、ようやくコートを手に取った。
玄関先でこちらを振り返る彼が、出掛ける時にいつもするようにカナをふわりと抱き締める。
「じゃぁ行ってくる」
「いってらっしゃい。楽しんで来て。あ、それからレオによろしく伝えてね」
「ああ」
頬に手が触れ、穏やかな笑みと優しいキスが落ちてくる。唇が離れると名残惜しそうに頬をひと撫でし、「見送りはここでいいから直ぐ施錠するように」と念を押して出掛けて行った。
「そういえば、どうだったの? クーラの反応は」
「うぐっ、ケホっ! ゴホっ! なっ、何が!? 何の事」
一緒にダイニングテーブルでお茶を楽しんでいたナタリーに問い掛ける。いつもクールなその表情が真っ赤に染まって目が泳いでいる。
あまりの可愛らしさに、カナは思わずクスクスと笑ってしまった。
「衣装合わせの時よ! 会ったでしょう? クーラに。着替えてから、クーラに。話してたでしょう? クーラと」
その時の事を思い出しているのか、ただでさえ赤かった頬が耳まで染まっていく。
「その反応を見る限り、悪くはなかったみたいね。良かったわ」
「……もぅ、恥ずかしすぎて消えてしまいたかったわ」
普段のクールな姿の彼女と結びつかない可愛らしさに、カナは声をあげて笑った。
この様子だと、クーラは諦める事なくナタリーにアプローチを続けているようだ。ナタリーの様子から満更でもなさそうだし、このまま良い方向へ進んでくれればいいなと思う。
「そういえば、今夜来てくれる執事は誰なの?」
分かってて問い掛ければ、恥ずかしそうにしながらもジロリと睨まれてしまった。
と、タイミング良くノッカーが叩かれる音がする。
「あ!! 噂をすればじゃない?」
「もう! 面白がって!!」
頬を赤く染めたまま、ナタリーがダイニングを出て行く。怒って見せてはいるが、あの顔は頬が緩むのを必死に耐えてる顔だ。
「ホント、可愛いんだから」
そう零しながら、ピタリとカップを運ぶ手が止まった。
「……あら? クーラ達なら、鍵はどうしたのかしら?」
どさっ
何か重たいものが落ちるような、そんな音が僅かに聞こえる。
「何かしら……」
出入り口を伺うが、他に物音は聞こえない。誰かが来た様子も感じられないし、ナタリーの声も聞こえない。
違和感を覚えて、カナはナタリーが向かった筈の玄関へと足を向けた。
「!! ナタリー!? ナタリー!!」
開けっ放しの玄関前でナタリーが倒れているのを見つけ、衝撃に咄嗟に動けず身体が一気に冷えていくのを感じた。
「ナタリー!! ナタリー!!」
一瞬の後、急いで駆け寄ると身体を揺すった。意識はないが怪我はしていないように思われた。
「どうしよう……誰か……っ!!」
助けを呼ぼうと顔を上げた先。開いたままの玄関ドアの向こうに、全身黒ずくめの人が立っていて怖気が走った。
フードを目深に被っていて顔は見えない。口元も黒い布で覆われているせいで男か女かもわからなかった。
その場に立ち上がったはいいが、恐怖のあまり身体が言う事を効かなかった。喉が締まったかのように声が出ず、無意識のうちに後退りしてしまう。
「!? いやっ——」
突然背後から羽交締めにされ、鼻と口を布のような柔らかい感触のもので覆われた。
「——っ!! ———!!」
必死に抵抗するも拘束された身体が解放される事はなく、布越しに息を吸ってしまった。
ツンとした刺激臭で喉に痛みを覚え、息苦しさを感じると同時に視界が揺れた。途端に足に力が入らなくなり、膝から崩れるように脱力してしまう。
怖い……アズ……
カナを押さえ付けていた人物に抱き留められ、身体が浮くような感覚を覚える。
あっという間に視界がぼやけ暗転していく中、瞼が落ちる寸前に飛び込んで来たのは、サファイアのような美しいふたつの青だった。
「……っ!! カナ、リア……」
ハッとナタリーが瞼を開く。
ノッカーを打ち付ける音に、本宅からの執事だと思い込み、扉を開けたところで突然黒ずくめの人間に襲われたのだ。
突然の事に、抵抗する間も無く布で口を覆われて意識を失った。
その時の覆われ方が浅かったのか、思ったよりも薬剤を吸い込まずに済んだようだ。それでも喉は痛いし頭もガンガンした。視界もぼやけていて身体が言う事を効かない。
「誰、か……カナリア、が……」
喉を痛めたせいなのか、声が上手く出せない。
幸いにも拘束はされていなかった。
いつも腰につけているポーチへ手を伸ばす。力の入らない震える手が中身をぶちまけたが、どうでも良かった。
裁縫に使う糸切り鋏を右手で力いっぱい握り締めた。それを自分の左腕に突き立てる。
「あぅっ———、っ……」
激痛のおかげで少し頭が回る気がした。
カナが拐われた。
自分の不注意のせいで、主人を、大事な友人を危険に晒してしまった。
薄れゆく意識の隅で犯人の声も聞いた。
早く知らせなければ
重い身体を引き摺るように玄関に向かって這っていく。
いつもなら一歩二歩の距離が、酷く遠く感じる。言うことを効かない身体が腹立たしく恨めしかった。
「だれ、か———」
玄関ポーチに辿り着き必死に顔を上げる。
遠くに馬の嗎とランプの灯りを確認し、その場で動けなくなったナタリーは、今度こそ意識を失った。
パーティー用のドレスコードに身を包んだアズベルトは、ダイニングでいつもよりも到着が遅れている執事達を待っていた。
常であれば、もう既に着いていてもおかしくない時間なのだ。何度も時計を確認してはそわそわと落ち着かない様子だった。
今夜はアズベルトとカナリアの友人であるレオドルドが、二人の結婚を祝ってパーティを主催してくれている。結婚の事を知らなかったレオドルドが、プレゼントを準備出来なかったお詫びにと忙しい合間を縫って二人の為に用意してくれた席だ。
本当はカナリアもと招待されたのだが、体調を鑑みてアズベルトだけ出席する事になっているのだ。
「アズ、そろそろ出ないと遅れてしまうわ」
パーティーの開始時刻は刻一刻と迫っている。
彼が落ち着かないのは、アズベルトが出掛けてしまうと別荘にカナとナタリーの二人だけになってしまう事を懸念してのことだった。以前、城で行われた夜会に参加した際も本宅から護衛の為に執事を呼んでいた。その時のように今回もそう手配していたはずなのに、今日に限って遅れているようなのだ。
「しかし……」
「大丈夫よ。彼らが来るまでしっかり戸締りしておくから」
それでも不安そうにカナを見下ろすアズベルトに、心配性ねと笑みを零す。
「折角レオが準備してくれたのに、主役が遅れてしまったら申し訳ないわ。さぁ、行って」
そうだな……と、それでも渋々了承したアズベルトが、ようやくコートを手に取った。
玄関先でこちらを振り返る彼が、出掛ける時にいつもするようにカナをふわりと抱き締める。
「じゃぁ行ってくる」
「いってらっしゃい。楽しんで来て。あ、それからレオによろしく伝えてね」
「ああ」
頬に手が触れ、穏やかな笑みと優しいキスが落ちてくる。唇が離れると名残惜しそうに頬をひと撫でし、「見送りはここでいいから直ぐ施錠するように」と念を押して出掛けて行った。
「そういえば、どうだったの? クーラの反応は」
「うぐっ、ケホっ! ゴホっ! なっ、何が!? 何の事」
一緒にダイニングテーブルでお茶を楽しんでいたナタリーに問い掛ける。いつもクールなその表情が真っ赤に染まって目が泳いでいる。
あまりの可愛らしさに、カナは思わずクスクスと笑ってしまった。
「衣装合わせの時よ! 会ったでしょう? クーラに。着替えてから、クーラに。話してたでしょう? クーラと」
その時の事を思い出しているのか、ただでさえ赤かった頬が耳まで染まっていく。
「その反応を見る限り、悪くはなかったみたいね。良かったわ」
「……もぅ、恥ずかしすぎて消えてしまいたかったわ」
普段のクールな姿の彼女と結びつかない可愛らしさに、カナは声をあげて笑った。
この様子だと、クーラは諦める事なくナタリーにアプローチを続けているようだ。ナタリーの様子から満更でもなさそうだし、このまま良い方向へ進んでくれればいいなと思う。
「そういえば、今夜来てくれる執事は誰なの?」
分かってて問い掛ければ、恥ずかしそうにしながらもジロリと睨まれてしまった。
と、タイミング良くノッカーが叩かれる音がする。
「あ!! 噂をすればじゃない?」
「もう! 面白がって!!」
頬を赤く染めたまま、ナタリーがダイニングを出て行く。怒って見せてはいるが、あの顔は頬が緩むのを必死に耐えてる顔だ。
「ホント、可愛いんだから」
そう零しながら、ピタリとカップを運ぶ手が止まった。
「……あら? クーラ達なら、鍵はどうしたのかしら?」
どさっ
何か重たいものが落ちるような、そんな音が僅かに聞こえる。
「何かしら……」
出入り口を伺うが、他に物音は聞こえない。誰かが来た様子も感じられないし、ナタリーの声も聞こえない。
違和感を覚えて、カナはナタリーが向かった筈の玄関へと足を向けた。
「!! ナタリー!? ナタリー!!」
開けっ放しの玄関前でナタリーが倒れているのを見つけ、衝撃に咄嗟に動けず身体が一気に冷えていくのを感じた。
「ナタリー!! ナタリー!!」
一瞬の後、急いで駆け寄ると身体を揺すった。意識はないが怪我はしていないように思われた。
「どうしよう……誰か……っ!!」
助けを呼ぼうと顔を上げた先。開いたままの玄関ドアの向こうに、全身黒ずくめの人が立っていて怖気が走った。
フードを目深に被っていて顔は見えない。口元も黒い布で覆われているせいで男か女かもわからなかった。
その場に立ち上がったはいいが、恐怖のあまり身体が言う事を効かなかった。喉が締まったかのように声が出ず、無意識のうちに後退りしてしまう。
「!? いやっ——」
突然背後から羽交締めにされ、鼻と口を布のような柔らかい感触のもので覆われた。
「——っ!! ———!!」
必死に抵抗するも拘束された身体が解放される事はなく、布越しに息を吸ってしまった。
ツンとした刺激臭で喉に痛みを覚え、息苦しさを感じると同時に視界が揺れた。途端に足に力が入らなくなり、膝から崩れるように脱力してしまう。
怖い……アズ……
カナを押さえ付けていた人物に抱き留められ、身体が浮くような感覚を覚える。
あっという間に視界がぼやけ暗転していく中、瞼が落ちる寸前に飛び込んで来たのは、サファイアのような美しいふたつの青だった。
「……っ!! カナ、リア……」
ハッとナタリーが瞼を開く。
ノッカーを打ち付ける音に、本宅からの執事だと思い込み、扉を開けたところで突然黒ずくめの人間に襲われたのだ。
突然の事に、抵抗する間も無く布で口を覆われて意識を失った。
その時の覆われ方が浅かったのか、思ったよりも薬剤を吸い込まずに済んだようだ。それでも喉は痛いし頭もガンガンした。視界もぼやけていて身体が言う事を効かない。
「誰、か……カナリア、が……」
喉を痛めたせいなのか、声が上手く出せない。
幸いにも拘束はされていなかった。
いつも腰につけているポーチへ手を伸ばす。力の入らない震える手が中身をぶちまけたが、どうでも良かった。
裁縫に使う糸切り鋏を右手で力いっぱい握り締めた。それを自分の左腕に突き立てる。
「あぅっ———、っ……」
激痛のおかげで少し頭が回る気がした。
カナが拐われた。
自分の不注意のせいで、主人を、大事な友人を危険に晒してしまった。
薄れゆく意識の隅で犯人の声も聞いた。
早く知らせなければ
重い身体を引き摺るように玄関に向かって這っていく。
いつもなら一歩二歩の距離が、酷く遠く感じる。言うことを効かない身体が腹立たしく恨めしかった。
「だれ、か———」
玄関ポーチに辿り着き必死に顔を上げる。
遠くに馬の嗎とランプの灯りを確認し、その場で動けなくなったナタリーは、今度こそ意識を失った。
46
あなたにおすすめの小説
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
帝国の花嫁は夢を見る 〜政略結婚ですが、絶対におしどり夫婦になってみせます〜
長月京子
恋愛
辺境の小国サイオンの王女スーは、ある日父親から「おまえは明日、帝国に嫁入りをする」と告げられる。
幼い頃から帝国クラウディアとの政略結婚には覚悟を決めていたが、「明日!?」という、あまりにも突然の知らせだった。
ろくな支度もできずに帝国へ旅立ったスーだったが、お相手である帝国の皇太子ルカに一目惚れしてしまう。
絶対におしどり夫婦になって見せると意気込むスーとは裏腹に、皇太子であるルカには何か思惑があるようで……?
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結/番外追加】サリシャの光 〜憧れの先へ〜
ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して──
大商会の娘サーシャ。
子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。
華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。
そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。
けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。
サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。
新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。
一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき──
夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。
※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。
※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる