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三 考えてなかった……!

side羽咲6

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「約束が二時なの?」

「うん。今日は図書館で、って言われてる」

「それで……わたしも来ちゃっていいのかな?」

「水都ちゃんが迷惑じゃなければ連れてきてって、総真くんが」

「そうなんだ。何かあるのかな?」

「なんだろう……」

図書館までの道すがら、水都ちゃんと首を傾げた。

今日は総真くんの家庭教師の日で、試験前では最後になる。

シメてかかっていこうと思っていたんだけど、総真くんから昨日、そんなメッセージがきたんだ。

そんで、即水都ちゃんに連絡して了解をもらった。

「わたしまで勉強見てくれるってことなのかな……?」

「よしっ。一緒に成績アップを狙おう!」

「おーっ!」

「路上で騒ぐな」

「ん?」

「え?」

急にかけられた声に振り返ると、しかめ面をした唯浜がいた。

「ユイ」

水都ちゃんが唯浜の方を向く。唯浜は眉間にしわを寄せている。

「司、藤沢、中二んなったら公共のマナーくらい覚えろ」

あ、その意味での怖い顔ですか。

「ごめん唯浜。そんな大声だった?」

私が訊くと、唯浜は軽く息をついた。

「大声なのもあるけど、二人は目立つんだよ」

う……大声でもあったのか。水都ちゃんはパッと見でも目を引くからなあ。

「悪目立ちしていても水都ちゃんとは離れたくないよ」

水都ちゃんとは一緒にいたいよ。

「……その意味の目立つじゃないんだけど……」

今度は、はー……と長くため息をついた唯浜だった。

「唯浜もどっか行くとこ?」

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