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六 桜の命の終わり
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「悟、どういうつもりだ、お前……」
客間に残った惣一郎は、悟に詰め寄った。何故兄がここにいるのだ。そして、この兄は幹人に何を言ったのだ?
「……どういうつもりも……お前を虹琳寺に戻すために来たんだよ」
悟は困ったように眉を八の字にした。
「何で今頃そんな話になっているんだ?」
「……昔からその話はあったじゃないか。今になってやはりお前を、という声があがっただけだよ」
「……あの人の策略か」
「惣」
苦虫を噛み潰した顔の弟を、悟はたしなめた。
「お前の実の母君だ。そんな風に言っては駄目だ」
「……すまない」
真剣な顔で言われ、惣一郎は謝った。そうだ。悟の母は――……
「惣一郎、湖雪様のところに行って差し上げないのか?」
悟は心配ごとを口にした。結婚相手は家が決められる身ゆえ、女性に対し興味を示さなかった弟が、あそこまで食い下がった女性。白い頬は雪より儚く空に還っていきそうだった。……相当の心労をかけさせてしまっただろう……。
「………湖雪に今逢っても、どうにも出来ない」
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