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未来の夫(メサラジーナ・ペンタール視点)
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ノワール伯爵は、公爵家から出すリーゼリアへの招待には、二度と応じないと言っておりましたのよ。
随分と嫌われてしまいましたけれど、いつもの事ですから気にもなりませんわね。
ですが、リーゼリアに殿方を紹介してさしあげる事も難しいとなると、わたくしには打つ手がございませんのよ。
何か他に、良い手立てはないものかしら。
「そうですわ!学園に、リーゼリアが好みそうな殿方を連れて行くのはどうかしら?」
部外者は立ち入り禁止ですれど、公爵家の力を使えば何とかなりますでしょう。
そうと決まれば、急いで美しい少年を集めなくてはいけませんのよ。
あら?少年たちが上手く学園に入れたとしても、リーゼリアは、特進科の生徒でしたわね。
学舎内は、関係者以外立ち入り禁止ですし、王太子殿下もおりますから警備は厳重でしてよ。
どうしたら、自然な出会いを装う事が出来るのかしら?
警備の者が、常に出入り口に立っておりますから、学舎付近を徘徊させると警戒されてしまいますのよ。
わたくしには、頼れる友人もおりませんし。
「困りましたわね」
悪評の所為で、声を掛けても、警戒されてしまいますのよ。
学園にいる間は、テオドール様のお傍に侍る事が多いですし、不便だと感じる事はありませんでしたのに…
「仕方がありませんわね。殿方を紹介するのは、諦めましょう」
テオドール様は、いつも裕福な平民の娘を侍らせておりますのよ。
未来の、わたくしの夫となるお方ですもの、女子生徒に人気がお有りなのは鼻が高い事でしてよ。
ただひとつだけ気になるのは、リーゼリアに遭遇してしまう確率が高い事ですわね。
学園の敷地は広大だというのに、何故かいつもお昼休みには出会ってしまいますのよ。
毎回テオドール様を違う食堂に誘導しているというのに、着け狙っているのかもしれませんわね。
「本当に気色の悪い娘ですこと」
テオドール様は、あんな貧相な娘の、何処を気に入っているのかしら?
あら、考え事をしていたら、もうお昼休みなのね。
急いでテオドール様を、お迎えに行かなくては、貴重な時間を一緒に過ごせなくなってしまいますのよ。
今日は、どちらの食堂へ、お誘い致しましょう。
一学年のクラスに来るのは、わたくしの日課になっておりますので、慣れてきましたのよ。
「ごきげんよう、フェナジン子爵令息。ランチを、ご一緒させてくださいな」
「ごきげんよう、ペンタール公爵令嬢。俺で宜しければ、ご一緒させていただきます」
うふふ。この作り笑顔もまた、素敵ですわね。
「今日は、西の校舎にある食堂に行きませんこと?あそこには、この時期になると咲く黄色い薔薇が見事なのですわ。お天気もようございますし、ガゼボにて昼食を摂りませんこと」
「俺は、何処でも構いません」
テオドール様ったら、何時も必要最低限のお言葉しか掛けて下さらないけれど、そこもまた素敵なところなのですわ。
平民娘たちへの態度と、わたくしに対する態度が違うのも、特別扱いされている様で優越感を覚えてしまいますのよ。
わたくしたちは、食堂でランチを注文してガゼボに行くと、既に座っていた女子生徒たちから声を掛けられましたのよ。
「テオ君、こっちに来て一緒に食べようよ。席空いてるよ~」
「いつもありがとな、助かる」
本当は、テオドール様と二人きりでお食事を楽しみたいのですけれど、無作法な娘たちを観察するのも娯楽のひとつになっておりますの。
わたくしは、いつもの様にテオドール様のお隣に、腰を掛けましたのよ。
テオドール様を愛称で呼んでいるのは腹ただしい事ですが、それも学生の間だけと思い、我慢する事にいたしましたの。
心の広いわたくしに、感謝なさいね。
彼女たちの会話は、とても下品で食事のマナーもありませんのよ。
わたくしは、高鳴る鼓動を抑え静観しながら食事をしているのですけれど、テオドール様はとても楽しそうでしてよ。
いつもと違う朗らかな笑みを見ているだけで、わたくしの心は満たされていきますから、下品な娘たちには感謝をしておりますの。
その笑顔よりも、もっと素敵な笑顔を、わたくしだけに見せて下さる日が来る事を心待ちにしているのですもの。
とても、楽しみでしてよ。
そんなわたくしの至福のひと時は、甲高く耳障りな怒鳴り声で、一瞬にして邪魔されてしまったのですわ。
「何事ですの?」
視線を声の方に向けると、一際下品な娘が、大柄な態度で騒いでおりましたのよ。
「ちょっと、誤魔化さないでよ。テオ君は、私の婚約者だって言っているでしょう!どうして分かってくれないの?この、泥棒猫が!」
まあ、なんて酷い言葉使いなのでしょう。
同じ席で昼食を摂っていた娘たちまで、不機嫌になってしまいましたのよ。
「ねえ。あの人って確か…イブって子じゃない?停学になったと聞いていたのだけれど、もう学園に戻って来たのかな」
「留年確定したんでしょう。よく戻って来れるよね~あたしだったら、恥ずかしくて他の学校に転校するわ」
あら?あの下品な娘の傍にいるのは…
やはり来てしまったのね、リーゼリア。
本当に、煩わしい娘ですこと。
下品な娘たちの言葉で騒動に気付いたテオドール様は、わたくしなど眼中にないと言わんばかりの態度で、リーゼリアのところに駆けて行ってしまいましたのよ。
ですが、どんなに屈辱を受けたとしても、決して態度には出しませんの。
ここにいる下品な娘たちと、同族に扱われる事だけは、避けなくてはいけないのでしてよ。
テオドール様に嫌われない様に、細心の注意を払いながら、わたくしは彼の後を優雅に追いかけるのです。
今はそれで良いと、自分自身に納得させながら、リーゼリアから奪い取る日を心待ちにしているのですもの。
随分と嫌われてしまいましたけれど、いつもの事ですから気にもなりませんわね。
ですが、リーゼリアに殿方を紹介してさしあげる事も難しいとなると、わたくしには打つ手がございませんのよ。
何か他に、良い手立てはないものかしら。
「そうですわ!学園に、リーゼリアが好みそうな殿方を連れて行くのはどうかしら?」
部外者は立ち入り禁止ですれど、公爵家の力を使えば何とかなりますでしょう。
そうと決まれば、急いで美しい少年を集めなくてはいけませんのよ。
あら?少年たちが上手く学園に入れたとしても、リーゼリアは、特進科の生徒でしたわね。
学舎内は、関係者以外立ち入り禁止ですし、王太子殿下もおりますから警備は厳重でしてよ。
どうしたら、自然な出会いを装う事が出来るのかしら?
警備の者が、常に出入り口に立っておりますから、学舎付近を徘徊させると警戒されてしまいますのよ。
わたくしには、頼れる友人もおりませんし。
「困りましたわね」
悪評の所為で、声を掛けても、警戒されてしまいますのよ。
学園にいる間は、テオドール様のお傍に侍る事が多いですし、不便だと感じる事はありませんでしたのに…
「仕方がありませんわね。殿方を紹介するのは、諦めましょう」
テオドール様は、いつも裕福な平民の娘を侍らせておりますのよ。
未来の、わたくしの夫となるお方ですもの、女子生徒に人気がお有りなのは鼻が高い事でしてよ。
ただひとつだけ気になるのは、リーゼリアに遭遇してしまう確率が高い事ですわね。
学園の敷地は広大だというのに、何故かいつもお昼休みには出会ってしまいますのよ。
毎回テオドール様を違う食堂に誘導しているというのに、着け狙っているのかもしれませんわね。
「本当に気色の悪い娘ですこと」
テオドール様は、あんな貧相な娘の、何処を気に入っているのかしら?
あら、考え事をしていたら、もうお昼休みなのね。
急いでテオドール様を、お迎えに行かなくては、貴重な時間を一緒に過ごせなくなってしまいますのよ。
今日は、どちらの食堂へ、お誘い致しましょう。
一学年のクラスに来るのは、わたくしの日課になっておりますので、慣れてきましたのよ。
「ごきげんよう、フェナジン子爵令息。ランチを、ご一緒させてくださいな」
「ごきげんよう、ペンタール公爵令嬢。俺で宜しければ、ご一緒させていただきます」
うふふ。この作り笑顔もまた、素敵ですわね。
「今日は、西の校舎にある食堂に行きませんこと?あそこには、この時期になると咲く黄色い薔薇が見事なのですわ。お天気もようございますし、ガゼボにて昼食を摂りませんこと」
「俺は、何処でも構いません」
テオドール様ったら、何時も必要最低限のお言葉しか掛けて下さらないけれど、そこもまた素敵なところなのですわ。
平民娘たちへの態度と、わたくしに対する態度が違うのも、特別扱いされている様で優越感を覚えてしまいますのよ。
わたくしたちは、食堂でランチを注文してガゼボに行くと、既に座っていた女子生徒たちから声を掛けられましたのよ。
「テオ君、こっちに来て一緒に食べようよ。席空いてるよ~」
「いつもありがとな、助かる」
本当は、テオドール様と二人きりでお食事を楽しみたいのですけれど、無作法な娘たちを観察するのも娯楽のひとつになっておりますの。
わたくしは、いつもの様にテオドール様のお隣に、腰を掛けましたのよ。
テオドール様を愛称で呼んでいるのは腹ただしい事ですが、それも学生の間だけと思い、我慢する事にいたしましたの。
心の広いわたくしに、感謝なさいね。
彼女たちの会話は、とても下品で食事のマナーもありませんのよ。
わたくしは、高鳴る鼓動を抑え静観しながら食事をしているのですけれど、テオドール様はとても楽しそうでしてよ。
いつもと違う朗らかな笑みを見ているだけで、わたくしの心は満たされていきますから、下品な娘たちには感謝をしておりますの。
その笑顔よりも、もっと素敵な笑顔を、わたくしだけに見せて下さる日が来る事を心待ちにしているのですもの。
とても、楽しみでしてよ。
そんなわたくしの至福のひと時は、甲高く耳障りな怒鳴り声で、一瞬にして邪魔されてしまったのですわ。
「何事ですの?」
視線を声の方に向けると、一際下品な娘が、大柄な態度で騒いでおりましたのよ。
「ちょっと、誤魔化さないでよ。テオ君は、私の婚約者だって言っているでしょう!どうして分かってくれないの?この、泥棒猫が!」
まあ、なんて酷い言葉使いなのでしょう。
同じ席で昼食を摂っていた娘たちまで、不機嫌になってしまいましたのよ。
「ねえ。あの人って確か…イブって子じゃない?停学になったと聞いていたのだけれど、もう学園に戻って来たのかな」
「留年確定したんでしょう。よく戻って来れるよね~あたしだったら、恥ずかしくて他の学校に転校するわ」
あら?あの下品な娘の傍にいるのは…
やはり来てしまったのね、リーゼリア。
本当に、煩わしい娘ですこと。
下品な娘たちの言葉で騒動に気付いたテオドール様は、わたくしなど眼中にないと言わんばかりの態度で、リーゼリアのところに駆けて行ってしまいましたのよ。
ですが、どんなに屈辱を受けたとしても、決して態度には出しませんの。
ここにいる下品な娘たちと、同族に扱われる事だけは、避けなくてはいけないのでしてよ。
テオドール様に嫌われない様に、細心の注意を払いながら、わたくしは彼の後を優雅に追いかけるのです。
今はそれで良いと、自分自身に納得させながら、リーゼリアから奪い取る日を心待ちにしているのですもの。
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