【完結】騙された私も愚かでした

鈴蘭

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社交界の噂(ハロルド視点)

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 メリーと言い合いをしていると、侯爵邸の執事が入って来た。
 「ハロルド様、お話し中に失礼致します。旦那様がお越しになりました」
 「伯爵ではなく、父上なのか?伯爵夫妻はどうした」
 「恐れながら、連絡はしたのですが、まだお越しになられておりません」
 「そうか、今行く。お前は、メリーを部屋に監禁しておけ。これ以上キャロラインに、暴力を振るわせる訳にはいからないからな」
 「畏まりました」
 「待って、ハロルド様。私を監禁って酷いわ、どうしてそんな事が出来るの。私は身籠っているのよ」
 メリーが何か喚いていたが、私は気にせず足早に父の待つリビングへと向かった。
 父は一人、ソファに腰かけている。
 「お待たせ致しました、父上。母上は、ご一緒ではないのですか?」
 「私一人で来た。ハロルド、キャロラインがよく寝込んでいるようだが、彼女はそんなに身体が弱いとは聞いていないぞ。一体何があったのだ」
 「誰から聞いたのですか?私はそんな話、知りませんでした」
 「社交界で噂になっている。体調不良を言い訳に、パーティにも茶会にも出て来ないとな。新婚なのは分かるが、最低限の付き合いもさせていないのか?」
 「その様な事はありません。ただ…詳しい事は、私も良く分からないのです」
 「嘘ではあるまいな?伯爵夫妻も面会を申し出ているが、キャロラインはそれを断わっているそうだ。それはお前が、会うなと強制しているのでは無いのか?」
 「そんな事はありません。伯爵夫妻からの面会を断っているのは、キャロラインです。少なくとも私の元には、夫妻からの手紙は来てはいません」
 「それはおかしいな。伯爵夫妻は、お前にも何度も手紙を出したと言っていたが、何故届いていないのだ?キャロラインは体調不良を言い訳に、面会を断っていると心配をしていたぞ。彼女は何処にいる?私が来ているのに、何故姿を現さないのだ」
 「父上は、何も知らずにいらしたのですか?それに、伯爵夫妻が私に手紙を出していたのですか?」
 一体どうなっている。
 「私は、事実を確かめる為に来たのだ。キャロラインを呼んで来なさい」
 「それは出来ません。キャロラインは今、昏睡状態で医者に診て貰っています。伯爵夫妻にも連絡をしているので、間もなく来られると思っております」
 「昏睡状態だと。何があった!」
 「………」
 「ハロルド、お前は何を隠している。まさかとは思うが、メリーが原因ではないだろうな」
 「ち、父上……」
 私は、両手の拳を強く握りしめた。
 あれだけ反対されたにも関わらず、両親を説き伏せてメリーを屋敷に招いたのは、紛れもなく私なのだ。
 そしてあろう事か初夜に過ちを犯してしまい、メリーを身籠らせてしまった等と、どこから説明をしたら良いのか分からなかった。
 キャロラインの事が公になれば、間違いなく侯爵家は没落する。
 メリーを教育した伯爵家とて、無事では済まないだろう。
 「ハロルド。何を言い淀んでいるのだ」
 そこへ、侯爵邸の執事が、来客を告げに来た。
 「ハロルド様。伯爵夫妻がお越しになられました」
 「今行く。父上、私は伯爵夫妻をキャロラインの部屋に案内致します。一緒に来て頂けませんか」
 「分かった」
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