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マルゲリーターの失恋
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早朝、別邸の屋根裏にやって来たのは、護衛騎士に護られた給仕のメイドだけだった。
アマンダは喉が渇いて一睡も出来なかった事から、メイドが押して来たワゴンに乗った水差しに飛び付いて来た。
行儀悪く手酌でゴクゴクと喉を鳴らして水を飲む姿は、とても公爵夫人とは思えない醜さである。
その間にメイドは壊れかけていたテーブルへと、運んできた朝食を並べていき準備が終わると護衛騎士と共に部屋を出て行った。
パタンと、扉がしまる音の後で、ガチャリと鍵が掛けられる。
水を飲んで満足したのか、ベッドに腰かけて落ち着いたアマンダは、鍵を掛けられた事で息を飲む。
「え…また閉じ込められたの?ふざけないでよ、私をここから今直ぐ出しなさい!ちょっと、貴方たち。聞こえているのでしょう、こんな汚らしい部屋に押し込んで、ただで済むと思っていないでしょうね!」
アマンダが、どんなに大声を張り上げても、戻って来る気配は感じられない。
テーブルの上に置かれた朝食を見ると、美しい絵柄の付いた陶器ではなく、貧しい平民が使う木製の器だった。
馬鹿にされたと思ったアマンダは、せっかく用意された朝食を、怒り任せにドアに向かって投げつけたのである。
「こんな汚らしい器に入った餌なんて、私が口にするとでも思っているの!馬鹿にしないで頂戴」
器に入っていた料理は無残に散らかり、木製の食器は僅かにヒビが入っていた。
この食器はアマンダ専用だと、後になってから分かる事になる。
昨夜は暗くてよく見えなかったが、本邸でアマンダが使っていた部屋よりも綺麗に掃除をされていたが、調度品は最低限の物しか置かれていなかった。
部屋も狭く天井は斜めになっており、本邸の広々とした屋敷を自由に歩き回っていたアマンダは、息苦しさを覚えた。
不快に思い小さな窓を開けると、下には綺麗に整えられている芝生が見え、正面は鬱蒼と茂っている木々が立ち並んでいる。
どうやらこの屋根裏部屋は別邸の裏側にあるらしく、本邸を見る事は出来なかった。
部屋を見回すと壁紙もカーテンも何も無く、木製の小さなテーブルと椅子が置いてある。
壁側にはクローゼットと小さなチェストが置いてあったが、どれも誰かが使っていたのか、古びた物であった。
生活に必要な最低限の物だけ置かれた部屋に、お洒落な置物や高価な装飾品は無い。
チェストの引き出しを開けると、中にはアマンダが身に着けていた下着が入っているだけで、香水や化粧品等は一切無かった。
空だと思っていたクローゼットの中には、着替え用の黒いワンピースが二着だけぶら下がっている。
それを見てカッとなったアマンダは、乱暴にワンピースを引き摺りだすと、ビリビリと破りだしたのだ。
「ふざけないで!こんな粗末なドレスなんて、誰が着るもんですか!嫌味にも程があるでしょう、一体私が何をしたと言うのよ」
公爵邸のメイド用に支給されているワンピースなので、素材は悪くは無いのだが、プライドの高いアマンダが着る訳が無いのである。
二着しか無かった着替えをボロボロに破いたのを、直ぐに後悔する事になるとは、微塵も考えてはいなかった。
興奮状態の時は感じていなかったが、昨夜から殆ど食事をしないまま夜通し起きていた事もあり、急激にお腹が空いて来たのだった。
しかし、運ばれて来た朝食は、アマンダの手によって残飯と化している。
唯一原型を留めていた真っ白なパンに視線を向け、生唾を飲み込むが流石に床に落ちた物を拾う度胸は無かった。
「まあ、いいわ。今何時か分からないけれど、お茶の時間にメイドが来たら部屋を出て、実家に帰ってこの惨状をお兄様に言い付けてやるわよ。妹がこんな酷い扱いを受けていると知ったら、きっとお怒りになって助けてくださるわ」
アマンダは知らなかったのである。
この別邸にお茶を運んで来る者はいないと言う事も、実家からは既に縁を切られていると言う事も、そして次の食事は明日の朝になると言う事も知らなかったのである。
ルーカスは、アマンダの性格もよく熟知していた為、こうなる事を想定していたのだ。
ただ別邸に住まいを移したとしても、勝手に本邸へ戻って来て、エレインを傷付ける事が容易に想像出来る。
だからと言って、別邸に四六時中見張りを付けるのも人件費の無駄である。
態とアマンダを精神的に追い込み、自らの意思で別邸に籠る事を望ませるのが目的なのだから、暫くは一日一食で放置する事にしたのだ。
そしてシルベスには、別の仕事を言い付けて、エレインを伴い王宮へ向かったのである。
シルベスはルーカスの指示通り、アマンダの部屋にあったドレスや下品な装飾品は全て売り払った。
祝賀会で身に着けていた装身具は、今後公爵夫人に受け継がれる物として、宝物庫で大切に保管される事になった。
どれ程散財をしていたのか、売り飛ばして得た金額だけでも、相当な収入になったのである。
だいたい買い取り額と言うのは、購入額を下回るのが常識なのだ。
「私は今まで、どうしてアマンダの言いなりになっていたのだろう。これ程の贅沢をさせていたのだから、どんなに税金を上げても足りる訳が無かったのだ。もっと早い段階で、散財を止めるべきだったのだな」
深い溜息を付きながら、受け取った明細を眺めていた。
そして、十年間公爵邸で暮らして来たアマンダの事を考え始めた。
昨夜から彼女は、必要最低限の調度品しかなく専属の侍女もいない別邸で、一人寂しく生活する事になった。
本人は知らぬ事だが、本邸へ戻る事は二度と出来ないのだ。
王家からの通達が来た後で、アマンダの親戚たちから、縁を切ったと知らせる手紙が公爵の元に届いていた。
アマンダの実兄は、オルターナ公爵夫妻が仕出かした重罪の道連れにされる事を懸念したのだろう。
あれだけ五月蠅く、ルーカスとの婚約話を持ち掛けていた弟でさえ、アマンダを見限ったのだ。
表向きは、マルゲリーターとエレインは双子と言う事で無理やり収めたが、裏では密かに暗殺されるのでは無いかと囁かれている。
ルーカスが皇族になった事で、爵位を剥奪される心配は無くなったが、それでオルターナ公爵とアマンダの罪が消えた訳ではないのだ。
シルベス自身、いつ食事に毒を盛られるかと、生きた心地がしなかったのである。
実に不本意で悔しい事ではあるが、一度捨てた娘に媚びを売り、父として慕って貰う事以外助かる道は無いと考えていた。
その為に、アマンダの存在が邪魔だった事は、シルベスもルーカスと同じだったのだ。
食事に毒を盛って始末したとしても、誰も文句を言って騒ぐ者はいない。
その時期が何時になるのかは、ルーカスの懐次第なのだろうと、シルベスは考えていた。
マルゲリーターは、部屋に籠ってアルフレッドの事を考えていた。
幼い頃から婚約者として接して来たと言うのに、学園に入った途端他の女に現を抜かし、婚約を破棄されるとは考えてもいなかったのだ。
祝賀会で言われた言葉を、ひとつひとつ思い出しては、過去の行いと照らし合わせていた。
しかし、何が悪かったのかを、理解出来ずにいるのである。
そもそも、物心が付いた時から高貴な血筋だ、特別な存在だと持て囃されて育ったのだ。
マルゲリーターの中では、それが全てであり当たり前の事だったので、咎められても理解出来ないのは当然だった。
それでも、アルフレッドに嫌われた事だけは、理解出来たのだ。
祝賀会で貰ったハンカチを握りしめて、溢れ出て来た涙を拭っている。
『今までありがとう。オルターナ公爵令嬢』
大好きなアルフレッドの優しい声が、マルゲリーターに掛けられた最後の言葉を、更に残酷な物にさせていた。
「アル様。アル様、会いたいよ。抱きしめて欲しいよ。子供の時みたいに、優しくして欲しいよ」
一晩中泣いていても、失恋の痛みは消える事が無く、マルゲリーターは引き籠りとなった。
アマンダは喉が渇いて一睡も出来なかった事から、メイドが押して来たワゴンに乗った水差しに飛び付いて来た。
行儀悪く手酌でゴクゴクと喉を鳴らして水を飲む姿は、とても公爵夫人とは思えない醜さである。
その間にメイドは壊れかけていたテーブルへと、運んできた朝食を並べていき準備が終わると護衛騎士と共に部屋を出て行った。
パタンと、扉がしまる音の後で、ガチャリと鍵が掛けられる。
水を飲んで満足したのか、ベッドに腰かけて落ち着いたアマンダは、鍵を掛けられた事で息を飲む。
「え…また閉じ込められたの?ふざけないでよ、私をここから今直ぐ出しなさい!ちょっと、貴方たち。聞こえているのでしょう、こんな汚らしい部屋に押し込んで、ただで済むと思っていないでしょうね!」
アマンダが、どんなに大声を張り上げても、戻って来る気配は感じられない。
テーブルの上に置かれた朝食を見ると、美しい絵柄の付いた陶器ではなく、貧しい平民が使う木製の器だった。
馬鹿にされたと思ったアマンダは、せっかく用意された朝食を、怒り任せにドアに向かって投げつけたのである。
「こんな汚らしい器に入った餌なんて、私が口にするとでも思っているの!馬鹿にしないで頂戴」
器に入っていた料理は無残に散らかり、木製の食器は僅かにヒビが入っていた。
この食器はアマンダ専用だと、後になってから分かる事になる。
昨夜は暗くてよく見えなかったが、本邸でアマンダが使っていた部屋よりも綺麗に掃除をされていたが、調度品は最低限の物しか置かれていなかった。
部屋も狭く天井は斜めになっており、本邸の広々とした屋敷を自由に歩き回っていたアマンダは、息苦しさを覚えた。
不快に思い小さな窓を開けると、下には綺麗に整えられている芝生が見え、正面は鬱蒼と茂っている木々が立ち並んでいる。
どうやらこの屋根裏部屋は別邸の裏側にあるらしく、本邸を見る事は出来なかった。
部屋を見回すと壁紙もカーテンも何も無く、木製の小さなテーブルと椅子が置いてある。
壁側にはクローゼットと小さなチェストが置いてあったが、どれも誰かが使っていたのか、古びた物であった。
生活に必要な最低限の物だけ置かれた部屋に、お洒落な置物や高価な装飾品は無い。
チェストの引き出しを開けると、中にはアマンダが身に着けていた下着が入っているだけで、香水や化粧品等は一切無かった。
空だと思っていたクローゼットの中には、着替え用の黒いワンピースが二着だけぶら下がっている。
それを見てカッとなったアマンダは、乱暴にワンピースを引き摺りだすと、ビリビリと破りだしたのだ。
「ふざけないで!こんな粗末なドレスなんて、誰が着るもんですか!嫌味にも程があるでしょう、一体私が何をしたと言うのよ」
公爵邸のメイド用に支給されているワンピースなので、素材は悪くは無いのだが、プライドの高いアマンダが着る訳が無いのである。
二着しか無かった着替えをボロボロに破いたのを、直ぐに後悔する事になるとは、微塵も考えてはいなかった。
興奮状態の時は感じていなかったが、昨夜から殆ど食事をしないまま夜通し起きていた事もあり、急激にお腹が空いて来たのだった。
しかし、運ばれて来た朝食は、アマンダの手によって残飯と化している。
唯一原型を留めていた真っ白なパンに視線を向け、生唾を飲み込むが流石に床に落ちた物を拾う度胸は無かった。
「まあ、いいわ。今何時か分からないけれど、お茶の時間にメイドが来たら部屋を出て、実家に帰ってこの惨状をお兄様に言い付けてやるわよ。妹がこんな酷い扱いを受けていると知ったら、きっとお怒りになって助けてくださるわ」
アマンダは知らなかったのである。
この別邸にお茶を運んで来る者はいないと言う事も、実家からは既に縁を切られていると言う事も、そして次の食事は明日の朝になると言う事も知らなかったのである。
ルーカスは、アマンダの性格もよく熟知していた為、こうなる事を想定していたのだ。
ただ別邸に住まいを移したとしても、勝手に本邸へ戻って来て、エレインを傷付ける事が容易に想像出来る。
だからと言って、別邸に四六時中見張りを付けるのも人件費の無駄である。
態とアマンダを精神的に追い込み、自らの意思で別邸に籠る事を望ませるのが目的なのだから、暫くは一日一食で放置する事にしたのだ。
そしてシルベスには、別の仕事を言い付けて、エレインを伴い王宮へ向かったのである。
シルベスはルーカスの指示通り、アマンダの部屋にあったドレスや下品な装飾品は全て売り払った。
祝賀会で身に着けていた装身具は、今後公爵夫人に受け継がれる物として、宝物庫で大切に保管される事になった。
どれ程散財をしていたのか、売り飛ばして得た金額だけでも、相当な収入になったのである。
だいたい買い取り額と言うのは、購入額を下回るのが常識なのだ。
「私は今まで、どうしてアマンダの言いなりになっていたのだろう。これ程の贅沢をさせていたのだから、どんなに税金を上げても足りる訳が無かったのだ。もっと早い段階で、散財を止めるべきだったのだな」
深い溜息を付きながら、受け取った明細を眺めていた。
そして、十年間公爵邸で暮らして来たアマンダの事を考え始めた。
昨夜から彼女は、必要最低限の調度品しかなく専属の侍女もいない別邸で、一人寂しく生活する事になった。
本人は知らぬ事だが、本邸へ戻る事は二度と出来ないのだ。
王家からの通達が来た後で、アマンダの親戚たちから、縁を切ったと知らせる手紙が公爵の元に届いていた。
アマンダの実兄は、オルターナ公爵夫妻が仕出かした重罪の道連れにされる事を懸念したのだろう。
あれだけ五月蠅く、ルーカスとの婚約話を持ち掛けていた弟でさえ、アマンダを見限ったのだ。
表向きは、マルゲリーターとエレインは双子と言う事で無理やり収めたが、裏では密かに暗殺されるのでは無いかと囁かれている。
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実に不本意で悔しい事ではあるが、一度捨てた娘に媚びを売り、父として慕って貰う事以外助かる道は無いと考えていた。
その為に、アマンダの存在が邪魔だった事は、シルベスもルーカスと同じだったのだ。
食事に毒を盛って始末したとしても、誰も文句を言って騒ぐ者はいない。
その時期が何時になるのかは、ルーカスの懐次第なのだろうと、シルベスは考えていた。
マルゲリーターは、部屋に籠ってアルフレッドの事を考えていた。
幼い頃から婚約者として接して来たと言うのに、学園に入った途端他の女に現を抜かし、婚約を破棄されるとは考えてもいなかったのだ。
祝賀会で言われた言葉を、ひとつひとつ思い出しては、過去の行いと照らし合わせていた。
しかし、何が悪かったのかを、理解出来ずにいるのである。
そもそも、物心が付いた時から高貴な血筋だ、特別な存在だと持て囃されて育ったのだ。
マルゲリーターの中では、それが全てであり当たり前の事だったので、咎められても理解出来ないのは当然だった。
それでも、アルフレッドに嫌われた事だけは、理解出来たのだ。
祝賀会で貰ったハンカチを握りしめて、溢れ出て来た涙を拭っている。
『今までありがとう。オルターナ公爵令嬢』
大好きなアルフレッドの優しい声が、マルゲリーターに掛けられた最後の言葉を、更に残酷な物にさせていた。
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