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43 突然の……
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副所長の言葉に、顔をグッとしかめる。
子が親を選べないように、副所長は自分の人生を選ぶことが出来なかった。
魔法の研究ばかりして、魔塔から出ない姿は仕事人間だと思っていたけど、それしか選ぶことが出来なかったんだ。
私が副所長と初めて会ったとき、副所長は話すこともなく、無表情な顔は副所長の美しい顔も相まって、職人が丹精込めて作った、精巧な人形のようだった。
時間を共にするにつれ、気付けば副所長と話すようになっていた。副所長は次第に、笑顔を見せるようになっだけど、それは副所長の人生において、十分の一ほどの時間でしかない。
婚約者から逃げるため、ラミア国にやって来た私は、どれほど幸せ者なのかと思う。
「そんな、悲しいこと言わないでください……」
私は絞り出すように言うのが精一杯だった。
私は自分の人生が他の誰かによって、抑圧される苦しみをよく知っている。
慣れるだなんて、それは自分の感情を殺し、自分という存在を殺しているようで苦しい気持ちになる。
「感覚が麻痺してしまったのかもしれないな……」
そんな私に、副所長は目を伏せて悲しそうに笑って言った。
副所長の言葉と表情に悲しい気持ちになると同時に、自分が許せなかった。
何も知らずに、副所長の優しさを私は受けとめるしか出来なかったなんて……。
「でも、悪いことだけではなかった」
副所長の言葉に顔を上げると、副所長は言葉を区切ると、私をじっと見つめて言った。
「幼い頃より、魔塔にいたおかげでシャーロットにも出会えたんだから」
副所長は優しい目で私を見て、私の頬を手で包み込む。
微笑む顔は、天使のように慈愛に満ちている。
「副所長」
「ん?」
首を傾げる副所長の目には、優しさと慈しみと、ほのかに熱がはらんでいる気がした。
副所長の言葉と視線に、私は言うなら今しかないと思った。
「好きです」
「………………………えっ?」
私の突然の告白に、副所長はポカンと間抜けな顔をする。
そんな副所長に表情を崩し、フフッと笑う。
「副所長のことを好きになってしまったみたいです。副所長が私のことをどう思っているか知りませんが……」
「ちょっと待ってくれ!」
私の言葉を副所長は慌てたように遮る。
告白を遮られると思っていなかった私は、驚いた顔で副所長を見る。
副所長の顔は、夕日に照らされてもいないのに、今までにないほど赤く染まっていた。
子が親を選べないように、副所長は自分の人生を選ぶことが出来なかった。
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時間を共にするにつれ、気付けば副所長と話すようになっていた。副所長は次第に、笑顔を見せるようになっだけど、それは副所長の人生において、十分の一ほどの時間でしかない。
婚約者から逃げるため、ラミア国にやって来た私は、どれほど幸せ者なのかと思う。
「そんな、悲しいこと言わないでください……」
私は絞り出すように言うのが精一杯だった。
私は自分の人生が他の誰かによって、抑圧される苦しみをよく知っている。
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「感覚が麻痺してしまったのかもしれないな……」
そんな私に、副所長は目を伏せて悲しそうに笑って言った。
副所長の言葉と表情に悲しい気持ちになると同時に、自分が許せなかった。
何も知らずに、副所長の優しさを私は受けとめるしか出来なかったなんて……。
「でも、悪いことだけではなかった」
副所長の言葉に顔を上げると、副所長は言葉を区切ると、私をじっと見つめて言った。
「幼い頃より、魔塔にいたおかげでシャーロットにも出会えたんだから」
副所長は優しい目で私を見て、私の頬を手で包み込む。
微笑む顔は、天使のように慈愛に満ちている。
「副所長」
「ん?」
首を傾げる副所長の目には、優しさと慈しみと、ほのかに熱がはらんでいる気がした。
副所長の言葉と視線に、私は言うなら今しかないと思った。
「好きです」
「………………………えっ?」
私の突然の告白に、副所長はポカンと間抜けな顔をする。
そんな副所長に表情を崩し、フフッと笑う。
「副所長のことを好きになってしまったみたいです。副所長が私のことをどう思っているか知りませんが……」
「ちょっと待ってくれ!」
私の言葉を副所長は慌てたように遮る。
告白を遮られると思っていなかった私は、驚いた顔で副所長を見る。
副所長の顔は、夕日に照らされてもいないのに、今までにないほど赤く染まっていた。
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