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首を振ると目尻を嘗められた。
「何を言うのかと思えば」
その言葉を境に激しく攻め立てられ、俺はみっともない醜態を晒すことになる。
身体中どこもかしこも熱い。
その熱はもどかしさと羞恥を伴っていて、
「……や」
力なく投げ出した腕が掴まれる。
「名を呼べ」
「ノイシュ、さま」
力なく答えた俺に逃がさない、とばかりに激しい律動が襲い掛かる。
「あ、」
「これが好きか」
「好き、です」
(貴方が好きです)
強い意志を込めた青の瞳を見つめながらそう何とか声を振り絞ると、
「全くお前という奴は」
(え、伝わった?)
その後のことはあまり覚えてない。
ただ後で目が覚めた時、幾ら夜目が利くとはいってもそれほどではないだろうからあの醜態も見られなかっただろう、と思ったこと。
そして体を動かそうとしてそのまま寝台へ沈んでしまった。
昨晩の記憶が感覚を伴って蘇り、ひたすら耐えていると、
「絶景だな」
深みのある声がし、そちらを見ると楽し気な青の瞳と目が合った。
「え……」
いつもと違う展開に戸惑っていると、
「この方がよいな」
くるり、と前を向かされ抱き竦められる。
「やはりお前の心臓の音は心地よいな」
「あの、」
「我は耳が鋭くてな。どんな微かな音でも分かってしまう」
個体差と言われればそれまでだがな。
きっとそれでいいことも嫌なこともあったのだろう。
(俺なんかでいいんだろうか)
そう思ってはいけない気がした。
だから、
「俺はノイシュ様が好き、です」
心臓をくっつけるように抱き締めた。
「……お前という奴は」
少しだけ笑んだような気配がし、気付くと俺は寝台へ倒されていた。
(え)
「まだやることはあるのだがな。お前のお陰で暫くここから離れられそうにないな」
一拍遅れて意味が分かった俺は、
「待っ、無理」
再び昨夜と同じ、いやそれよりも濃密な時間を過ごすはめになった。
ちなみに『夜目』がどの程度なのか知り、赤面するのはもう少し先のことになる。
「何を言うのかと思えば」
その言葉を境に激しく攻め立てられ、俺はみっともない醜態を晒すことになる。
身体中どこもかしこも熱い。
その熱はもどかしさと羞恥を伴っていて、
「……や」
力なく投げ出した腕が掴まれる。
「名を呼べ」
「ノイシュ、さま」
力なく答えた俺に逃がさない、とばかりに激しい律動が襲い掛かる。
「あ、」
「これが好きか」
「好き、です」
(貴方が好きです)
強い意志を込めた青の瞳を見つめながらそう何とか声を振り絞ると、
「全くお前という奴は」
(え、伝わった?)
その後のことはあまり覚えてない。
ただ後で目が覚めた時、幾ら夜目が利くとはいってもそれほどではないだろうからあの醜態も見られなかっただろう、と思ったこと。
そして体を動かそうとしてそのまま寝台へ沈んでしまった。
昨晩の記憶が感覚を伴って蘇り、ひたすら耐えていると、
「絶景だな」
深みのある声がし、そちらを見ると楽し気な青の瞳と目が合った。
「え……」
いつもと違う展開に戸惑っていると、
「この方がよいな」
くるり、と前を向かされ抱き竦められる。
「やはりお前の心臓の音は心地よいな」
「あの、」
「我は耳が鋭くてな。どんな微かな音でも分かってしまう」
個体差と言われればそれまでだがな。
きっとそれでいいことも嫌なこともあったのだろう。
(俺なんかでいいんだろうか)
そう思ってはいけない気がした。
だから、
「俺はノイシュ様が好き、です」
心臓をくっつけるように抱き締めた。
「……お前という奴は」
少しだけ笑んだような気配がし、気付くと俺は寝台へ倒されていた。
(え)
「まだやることはあるのだがな。お前のお陰で暫くここから離れられそうにないな」
一拍遅れて意味が分かった俺は、
「待っ、無理」
再び昨夜と同じ、いやそれよりも濃密な時間を過ごすはめになった。
ちなみに『夜目』がどの程度なのか知り、赤面するのはもう少し先のことになる。
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