ずっと二人で。ー俺と大好きな幼なじみとの20年間の恋の物語ー

紗々

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「や…」
「ないの?」
「……はぁ、……ない、です…」

 だから。俺はこないだまで普通の小学生だったんだってば。

「えー。ほんと?いっくんってすっごく大人っぽいから…、もういろいろ経験済みかと思った」

 いろいろって何だろう。

「…そうですか?」
「うん。敬語やめて」
「……。……うん」
「……してみる?」
「……。……あ?え?」

 半分ボーッとしていた俺は、ワンテンポ遅れて先輩の言葉を理解し、驚いて顔を見る。先輩は俺の真横で上目遣いで俺を見ながらもう一度言った。

「キス。……してみる?私と」
「……。……、……や、……いい、です」
「…はぁ?」
「え?」
「いいですって、何?」
「……えっ、と……」

 だって別にそんなことしたくない。この人のこと好きでもないし…。なんでちょっと怒ってるんだろ。怖いんだけど。
 キスと言われて、こんな状況なのに俺は全く別のことを思い出していた。引っ越して行く前に、小学校の教室の中で、颯太が俺の頬にキスをしてくれたことを。…あの時、なんかすげぇ嬉しかったんだよな。めちゃくちゃ恥ずかしかったのに、すげぇ嬉しくて、ずっとこのままでいられたらいいのに…って思ってた。颯太、今頃何してんのかな…。

「……ねぇってば!」
「えっ?!は、はいっ。すんません」

 我に返るとめちゃくちゃ怖い顔をした先輩が俺の腕を力いっぱい引っ張っていた。

「なんでそんなにボーッとしてるわけ?!」
「や、…すみません、…ぶ、部活で、ちょっと疲れてて…」
「敬語やめてってば!」
「はっ、はいっ。いや、う、うん…」

 だからなんでそんな怒ってるんだ。めっちゃ怖ぇ。

「……女の子の方からさ、キスする?って聞いてるのに……。…いいですって、何よ。何でそんなこと言うの?!」

 先輩の目が突然うるうるとしてきた。

「え、えっ?!や、……あ、あの」

 年上の女の子を泣かせてしまったことで俺はパニックになった。やべぇ。何でか分からないけど急に泣き出した。しまった。どうしよ。怖ぇ。

「……わ、私のこと……、好きじゃないの?…私…、可愛くない?イヤ?」
「い、いや、全然そんなこ…っ、……か、可愛いし、……、す、……好き、だよ」

 敬語使わない、敬語使わない……。俺はこれ以上先輩を刺激しないように必死で指示を守りつつ先輩の言葉を否定する。頼むから泣かないでくれ。どうかお願いします。俺の願いとはうらはらに、先輩の目からついにポロリと涙が零れた。恨めしげな顔で口元をギュッと引き結び、俺をじっと見つめてくる。
 …よし、言いたいことは分かった。すればいいんだろ、すれば。
 俺は溜息をつきたいのをぐっとこらえて、おずおずと先輩に近づく。先輩はすぐさま目を閉じる。

「……。」

 俺は渋々、触れるだけのキスをした。……柔らかいな。柔らかくて、温かい。それだけ。なんか変な感じだった。

「……。…もっとして」
「…………。」

 すぐに離れると、先輩がそうねだる。俺は黙って従った。
 もう一度唇を軽く触れさせると、先輩が俺の両肩に腕を回してぎゅうっとくっついてくる。俺のキスが物足りなかったのか、積極的に唇を何度も押し当てながら、時折俺の唇を軽く甘噛みするような仕草をする。されるがままになっていた俺は、さっきまでとは違う、ゾクゾクするような妙な感覚を味わっていた。
 そのまま先輩が俺の上に跨がって向かい合うように座ってきた。体が密着する。するとふいに、先輩の舌が俺の口の中に入ってきた。

「……っ?!」

 俺はビックリして思わず目を開ける。目を閉じた先輩の綺麗な顔がどアップで目の前にあって、その先輩は夢中で俺に舌を絡めている。

「………………っ、……ふ」

 何度も角度を変えながら、俺の舌を誘うように引き出し、自分の舌をくちゅっ、と音を立てながら絡める。初めてのその感覚に翻弄されているうちに、しだいに頭に霞がかかったようにボーッとしてきた。

 ……なんだ、これ……。めちゃくちゃ気持ちいい……。

 俺は先輩から与えられる初めての快感に夢中になっていった。されるがままだった俺は無意識のうちに先輩の背中に手を回し、強く抱き寄せる。互いに息を荒げて貪り合うように舌を絡めるキスを繰り返しながら、俺の頭の片隅にほんの少しだけ残った冷静な部分が叫んでいた。
 何でこの人こんなに上手いんだ?!中3だぞ?おかしくね?どんだけ経験豊富なんだよ。

「……はぁっ、……ね、…固くなってる、いっくん」
「……はっ、……はぁ、……はぁ……。……え?」

 先輩はそう言うと俺の股間に手を伸ばして、ズボンの上からそっと手で俺のモノを撫でた。

「……っ!」

 ふいに電流がビリリッと流れたような変な感覚がその部分から背中を駆け上がり、俺の体がビクンと反応する。な、何だこれ…っ。何、今の…。なんか、す、すごく……

「……触ってあげようか?」

 先輩が上気した色っぽい顔で俺にそう言った。

「…………っ」

 俺はごくりと生唾を飲み、先輩にされるがままになった。何も言わない俺をどう思ったのか、先輩はおもむろに俺のズボンのファスナーを下ろし、中に手を突っ込んできた。

「うっ!!」

 な、何してるんだよこの人……っ!何だこれ…っ。
 先輩は下着の上から俺の固くなったモノを何度も擦る。手を動かすたびに 脳みそが溶けそうなくらいの快感が体を駆け抜けて、俺の理性を奪っていく。
 き、…気持ちいい…っ!

「は……、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

 俺はいつの間にか無意識に腰をガクガクと動かしていた。たまらない快感に我を忘れた。ふと気付くと、先輩は下着の中から俺のモノを取り出し、優しく握って直接扱きだした。

「うあっ!……あ、……あぁっ!」

 頭の中がグラグラになり、視界さえも定まらない。喉を逸らしてはぁはぁと喘ぎながら与えられる快楽に溺れていると、先輩が耳元でまるでいたずらでも思いついたかのように囁いた。

「ねぇ……、このまま、しちゃう?」



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